腸をきれいにする方法を間違えると大変なことに
みなさんの中に以下の項目に当てはまる方はいらっしゃいますか?
- 食物繊維の種類の違いを理解しないまま、摂取している
- オリゴ糖を1日10g以上摂取している
- 脂質の摂取は極力避けている
- 死菌の摂取はせず、生菌ばかり摂(と)っている
- 断食で腸内のデトックスを試みたことがある
- 腸内洗浄の良い面ばかりを聞いていて、リスクを把握していない
- お腹の不調を改善するため、下剤や便秘薬を手放せない
- 就寝前に息が上がる運動を行っている
これらの項目を見てハッとさせられた方は、もしかすると腸をきれいにする方法を誤って理解しているかもしれません。
腸をきれいにする方法を誤った理解のもと実践すると、努力が無駄になったり逆効果になったりすることがあります。
今回は、誤った理解で行うと腸をきれいにするどころか、努力が無駄になったり逆効果になったりする方法についてご紹介します。
記事の目次
腸をきれいにするとは
まず、腸をきれいにする方法について簡単にご紹介しておきます。
便の詰まりや腸内の異常な発酵を解消して腸をきれいにするには、腸内環境を整える必要があります。
腸内環境を整えるには、食事によって腸内細菌のバランスを整え、生活を見直して自律神経のバランスを整えることが必要です。
そうすることによって、健康的な排便が促され、お腹の不快感を解消することが出来るのです。
腸をきれいにする方法やその効果については、以下の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
しかし、腸をきれいにする方法を誤った理解のもと行うと、努力が無駄になったり逆効果になったりする場合もあるんです。
ここからは、皆さんに誤解を与えやすい方法について、具体的にご紹介していきます。
食物繊維は種類を間違えると逆効果
食物繊維は善玉菌のエサになったり、腸のぜん動運動を促したりするほか、便のかさ増しなどの効果もあります。
ですので、腸内環境を整える上で食物繊維の摂取は非常に重要であることが知られています。
食物繊維には水溶性のものと不溶性のものがあるのですが、それぞれで担う役割が異なります。
この役割の違いを理解しないままに、とにかく食物繊維を食べていれば良いと考えることはお腹の不調につながります。
水溶性食物繊維は便の水分を増やす役割を担い、不溶性食物繊維は便のかさを増やしてぜん動運動を促す役割を担っています。
ですので便秘の場合は、まず水溶性食物繊維を摂取すると良いでしょう。
便秘のときに不溶性食物繊維を摂取すると、便秘の症状が悪化してしまう場合があるので注意してください。
オリゴ糖を摂りすぎると下痢になる
オリゴ糖は善玉菌のエサになるので、腸内環境を整えるために摂取することが推奨される成分です。
しかし、オリゴ糖はたくさん摂取すればするほど良いというものではありません。
オリゴ糖を摂取しすぎると、お腹がゆるくなったり、下痢を引き起こす場合があります。
オリゴ糖は、小腸で消化吸収されることなく大腸に到達するため善玉菌のエサになります。
つまり、オリゴ糖は消化されにくいため、大量摂取するとお腹の不快感や下痢につながるのです。
1日の摂取量の目安は最大10gと言われていますので、大量に取る必要はないです。
脂質の不足は便の滑りを悪くする
脂質を摂りすぎることは、腸内環境を悪化させる原因として知られています。
この点で注意してほしいのは、脂質は摂り過ぎることが問題であって、適量の摂取は腸内の便の滑りを良くすることにつながります。
ですので、脂質を極端に避けるのではなく、食事から適量摂取することを心がけましょう。
脂質の1日の目標量の目安は、1日に必要なカロリーの20~30%程度にあたる量とされています。
成人女性が一日に必要とするカロリーはおよそ2000kcalですので、脂質は50g前後が目安となります。
また、油に関していうとオリーブオイルがおすすめです。
オリーブオイルに含まれているオレイン酸は、小腸で吸収されないため大腸で便の滑りを良くします。
ただし、繰り返しになりますが過剰摂取はせずに適量を摂るようにしてください。
乳酸菌は死んでいても効果がある
お腹の調子を整える食品などには、含まれている乳酸菌が生きて腸に届くことをウリにしている製品があります。
たしかにサプリメントや食品に含まれる乳酸菌には、行きて腸まで到達できる菌とできない菌がいます。
しかし、腸に到達するまでに死滅してしまう、いわゆる「死菌」であっても効果がないわけではありません。
死菌であっても他の菌のエサになったり、菌自体が持つ菌体成分が有効に作用したりします。
また乳酸菌が生きているときに生成する乳酸菌生成物質も、腸内環境を整える効果があるとされています。
乳酸菌は、生きているのか死んでいるのかよりも、いかに自分に合っている菌を見つけられるかが重要なのです。
断食は賛否両論
腸をきれいにするために、断食によって腸をリセットするという方法が話題になっています。
特に1~2日で出来る断食は、プチ断食として紹介され初心者でも手軽に取り組める内容です。
しかし、断食によって腸をきれいにする方法の是非については、専門家の間でも意見が別れます。
断食に否定的な専門家は、ストレスが溜まることや、生活のリズムが崩れることによる弊害を指摘しています。
断食については、信頼性の低い安易な情報をあてにせず、専門医の指導のもとに行ったほうが良いでしょう。
腸内洗浄にはリスクもある
腸内に溜まった便を取り除く即効性のある方法として、腸内洗浄が注目されてきています。
たしかに、腸内洗浄であれば確実に便を取り除くことができますが、根本の原因を改善しなければ元の状態に戻ります。
さらに、市販されている製品を使って自己流で腸内洗浄を行うことは、腸管を傷つける危険性があり、とてもリスクが高いです。
腸内洗浄後は便とともに腸内細菌も洗い流してしまうので、適切なアフターケアをしないとかえって状況が悪化する可能性もあります。
どうしても腸内洗浄をしたいという場合には、専門医のいる医療機関を受診して、適切な方法で施術してもらいましょう。
下剤や便秘薬は対症療法
下痢や便秘に悩まされている方の中には、下剤や便秘薬を使用している方もいらっしゃるでしょう。
しかし、下剤や便秘薬は症状を抑えることにはつながっても、根本的な原因を改善することにつながりません。
下剤や便秘薬は腸内で分泌される水分を増やしたり、ぜん動運動を促したりするもので、腸内環境を整えるものではありません。
また、下剤や便秘薬を常用しているとだんだん効果が得られなくなったり、自力で排便できなくなったりする弊害もあります。
下剤や便秘薬に長期間頼らなければならない状況になっているのであれば、一度医療機関を受診することをおすすめします。
激しい運動をする必要はない
運動は良質な睡眠に繋がったり、腸に刺激を与えることから腸内環境を整える方法として知られています。
運動と聞くと、筋トレやスポーツなどが思い浮かぶ方もいらっしゃると思います。
しかし、腸内環境を整えることが目的であれば、無理に激しい運動をする必要はないのです。
腸に刺激を与える程度であれば、マッサージやストレッチ、軽いジョギング等で十分です。
また、良質な睡眠につなげるための運動は就寝前に行いますが、このとき激しい運動をしてしまうのは逆効果です。
激しい運動をすると自律神経のうち交感神経が優位になり、寝付きが悪くなってしまいます。
腸の活動が活発になるのは、リラックスした状態で優位になる副交感神経が働いているときなので、夜の運動は軽めにしてください。
まとめ
今回は腸をきれいする方法の中で誤解されやすいものを紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
腸内環境を整えて腸をきれいにする方法には、今回ご紹介したように誤解しやすいものもあります。
誤解したまま実践してしまうと、せっかくの努力が無駄になったり、かえってお腹の不調に繋がったりします。
こうした誤解を防ぐためには、1つの情報だけに流されるのではなく、複数の情報をもとに判断すると良いでしょう。
具体的には、ネットの情報と書籍の情報を照らし合わせたり、専門医に相談したりしてください。
腸をきれいにする方法を正しく実践して、すっきりとした毎日を送れるようにがんばってください。