【努力が無駄に!?】腸内フローラは食事だけで改善できない
腸内フローラを改善する方法として、オリゴ糖や食物繊維が含まれている食べ物を摂ると良い、という話はよく耳にします。
しかし、みなさんの中に、こうした食事を心がけているのに、なかなか便秘や下痢などの症状が改善されない方はいらっしゃいませんか?
どれだけそのような食事を心がけたとしても、腸内フローラを悪化させる習慣が抜けなければ、あまり意味がありません。
また、食事を改善したところで、腸内フローラの改善につながらない体になっている場合もあります。
今回は、食事で腸内フローラの改善を目指しているのに、なかなか効果が現れない原因についてご紹介します。
腸内フローラとは
腸内フローラが改善されない原因をご紹介する前に、腸内フローラと食事による改善法をおさらいしておきます。
私たちの腸内には、非常に多くの腸内細菌が棲みつき、独自の生態系を形成しており、これを腸内フローラと言います。
腸内フローラを構成する腸内細菌には、健康に有益である善玉菌、有害である悪玉菌、中間種の日和見菌、と3タイプの菌がいます。
改善によって期待できる効果
腸内細菌の中でも善玉菌は、私たちの健康に良い影響を与えてくれます。
ですので、悪玉菌の増殖を抑えて、善玉菌の勢力を優勢にしておくことが大切です。
具体的には次のような効果が期待できます。
期待できる効果
- 便秘・下痢の解消
- 肌荒れの改善
- 免疫力の向上
- アレルギー症状の緩和
- 肥満の予防
- 大腸ガン発生リスクの抑制
食事で、腸内フローラを改善する場合、オリゴと食物繊維の摂取が効果的と言われています。
オリゴ糖、食物繊維が効果的
腸内フローラを整えるためには、善玉菌を増やしたり、働きを活性化させたりする成分の摂取が有効と言われています。
その成分とは、オリゴ糖と食物繊維で、これらの成分は発酵食品に多く含まれています。
これらの知識は、腸内フローラに関するwebページや書籍などで、広く紹介されています。
このサイトでも、コチラのページで紹介しておりますので、まだ腸内フローラを食事で改善しようとしたことがない方は参考にしてください。
しかし、これらの成分を摂取しても、腸内フローラが改善されない場合があります。
食事で効果が出ない要因
腸内フローラを改善するため、食事を工夫していても、効果が現れないと残念ですし不安ですよね。
腸内フローラが改善されず、効果が現れない要因を探るために、見直すポイントは大きく分けると3つあります。
3つの見直しポイント
- 食事
- 生活習慣
- 体の状態
この3つのポイントを見直すことによって、腸内フローラを食事で改善できる可能性が高まります。
ここからは、3つのポイントについて、より詳しくご紹介します。
食事を見直す
食事で見直していただきたいポイントは、2つあります。
1つ目は、「改善するための成分を過剰に摂取していないか?」です。
そして2つ目は、「知らないうちに悪化する成分を摂取していないか?」です。
オリゴ糖と食物繊維の過剰摂取
いくら腸内フローラの改善に効果があるといっても、特定の成分を過剰に摂取することは良くないです。
これは、もちろんオリゴ糖や食物繊維といった成分にも当てはまることです。
小腸で消化されない難消化性オリゴ糖は、大腸に到達すると善玉菌のエサになりますが、摂り過ぎは消化不良につながる可能性があります。
また、食物繊維は水分の保持力が高い水溶性食物繊維と、腸で水分を吸収して膨らむ不溶性食物繊維があります。
下痢のときに水溶性食物繊維、便秘のときに不溶性食物繊維を摂取することは逆効果になります。
オリゴ糖の摂取目安は1日10グラム、食物繊維は、水溶性2:不溶性1のバランスで摂取するのが理想です。
悪い成分を摂取している可能性
腸内フローラを悪化させる原因として、タンパク質の摂り過ぎは有名です。
しかし、タンパク質以外にも腸内フローラの悪化につながる成分はあります。
そうした成分を知らず知らずのうちに、食事から摂取している可能性があるのです。
具体的には、保存料や人口甘味料などの食品添加物が腸内フローラの状態を悪化させます。
今日の食品には、多かれ少なかれ、このような成分が含まれていますので完全に摂取しないと言うのは不可能です。
しかし、極力摂取を控えることで、効率的な腸内フローラ改善に繋がります。
食事による腸内フローラの改善を阻害する要因は、食事だけでなく普段の生活の中にも潜んでいます。
生活習慣を見直す
腸内フローラの状態を悪化させる要因に便秘や下痢といったものがあります。
その便秘や下痢を引き起こす要因として、生活習慣が非常に大きな影響を与えています。
生活習慣で見直してほしいことは、睡眠、運動量、ストレスについてです。
十分な睡眠
腸の働きは、2つある自律神経のうち、副交感神経に影響を受けています。
副交感神経が、優位なときに腸の働きは活発になり、交感神経が優位なときに落ち着きます。
副交感神経は、リラックスしている状態で活性化する神経です。
睡眠中は、副交感神経が優位になり、腸が活発に機能しています。
睡眠不足によって、生活リズムが崩れると、腸の働きが悪くなり、下痢や便秘に繋がってしまします。
こうなっては、食事で腸内フローラを改善することは難しいでしょう。
睡眠時間が確保できないという方は、せめて質の良い睡眠をするために、90分1単位で睡眠時間を設計しましょう。
適度な運動
日頃どの程度の頻度で運動しているかということも、便秘を解消するという点で、見直したほうが良いです。
社会人ともなると、普段なかなか運動する機会がなく、ついつい運動不足になってしまいがちです。
軽い運動をするだけでも、腸に刺激を与えることができ、便秘を防ぐことができます。
また、運動は自律神経を整えることにつながり、この点でも便秘を防ぐことに繋がります。
激しい運動をする必要はないので、普段の生活を見直して、軽いウォーキングなどを取り入れてみてください。
ストレスを溜めない
ストレスも腸の働きに大きな影響を与えています。
睡眠の部分でも説明しましたが、腸は交感神経が働いているときには活動が鈍くなります。
ストレスを感じることは、交感神経が優位になる要因ですので、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
現代人の多くが、個人差はあるにしても日常で様々なストレスを抱えていると思います。
ストレスから完全に逃れるのは、もはや不可能ですので、軽減したり発散したりすることを目指しましょう。
生活習慣の中で、これらのことを見直すだけでも、食事による腸内フローラの改善で、効果を感じられるようになる確率が高まります。
最後に、自分の体の状態を見直すことについてご紹介します。
体の状態を見直す
そもそも、食事で腸内フローラを改善することが難しい場合が有ります。
特に、便秘の種類や状態を確認しないまま、食事によって腸内フローラの改善を試みることは非効率的です。
その理由についてご説明します。
食物繊維が効かない便秘
腸内フローラが悪化すると便秘になり、便秘になると腸内フローラが悪化するという負のサイクルができます。
腸内フローラを食事で改善しようとする場合、悪化の要因になっている便秘から解消しようとする方法があります。
その場合は、食物繊維などで便をかさ増しして、排便を促すことが良いという話はよく聞くでしょう。
しかし、便秘には複数の種類があり、食物繊維の摂取では改善できない便秘もあるのです。
さらに、食物繊維を摂取することで、便秘の症状が悪化する可能性があります。
ですので、腸内フローラを改善するために、便秘の解消を目指している方は、自分がどのタイプの便秘であるかをきちんと理解してください。
便秘については、以下の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
重度の便秘では改善不可能
便秘の症状がひどく、便が腸内に詰まっていると、食事によって腸内フローラを改善できない場合があります。
タレントの松本明子さんは、長年便秘を解消するために食事に気を使っていたにも関わらず、一向に便秘が改善されなかったそうです。
のちに、順天堂大学医学部の小林弘幸教授が監修し、松本さんが執筆した以下の著書で、その理由を明かしています。
「腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善されて40年来の便秘にサヨナラできました!」
この著書によると、重度の便秘になっている場合は、食事で腸内フローラに良い成分を与えても意味が無いのだそうです。
そうした場合には、まず医療機関で治療を受けて、腸内の便を出し切ってしまう必要があるそうです。
ですので、重度の便秘症状を抱えている方は、一旦食事での改善を断念し、医療機関を受診することをオススメします。
まとめ
今回は、腸内フローラを食事によって改善しようとしているのに、なかなか効果が現れないという方に向けて、その要因をご紹介しました。
ご紹介したように、食事を工夫するだけ腸内フローラが改善されず、便秘解消などの効果が得られない場合があります。
食事の内容をもう一度見直すことで、知らず知らずのうちに腸内フローラを悪化させる食事をしていたとに気づくかもしれません。
また、生活習慣や自分の体の状態を見直すことで、なかなか効果が現れない要因が見つかるかもしれません。
日頃の努力を無駄にしないためにも、こうしたポイントについて見直してみてください。