腸内環境が悪い人に共通する16の特徴

腸内環境が悪いと身体の調子も悪くなる、そう言っても良いほど、腸の調子次第で私たちの健康は大きく左右されるんです。

みなさんには「でも、自分の腸内や他人の腸内がどうなっているかなんて、専門家じゃなきゃ分からない!」と思われそうですが、実は違うんです。

腸内環境が悪いと出てくる症状や、腸内環境が悪い人に共通の特徴があるのです。これらの特徴に数多く当てはまる人がいれば、その人の腸内環境は注意が必要な”黄色信号”かもしれません。

腸内環境が悪いかどうかを見分けるための16のポイントを見ていきましょう。

そもそも腸内環境が悪い状態って?

悪いよりも良い方が決まっている腸内環境ですが、腸内環境の良し悪しは何によって決まるのでしょうか?答えは、腸内細菌のバランスにあります。

私たちの腸内で生息する細菌、いわゆる腸内細菌は、その機能や働きによって善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つに分けられており、それぞれ似たような細菌とともに花畑のように群れをなして生息しています。

この細菌群は腸内細菌叢(腸内フローラ)と呼ばれています。

腸内環境が良い状態とは、善玉菌・悪玉菌・日和見菌がそれぞれ20%:10%:70%で存在している状態を指し、善玉菌がよく働いて、必要な栄養分をきちんと吸収できたり、不要な老廃物がしっかり体外に排出されている状態です。

逆に、体外に排出されるべき不要なものが腸内に溜まると、悪玉菌が増殖して有害な物質が産生され、体調不良や肌トラブル、体臭などさまざまな問題を引き起こすのです。

腸内細菌のバランスに影響を与える要素は、食生活から睡眠・休息の度合い、身体の筋力が維持されているかなど非常に多岐に渡ります。腸内環境が悪いということは、それらの生活習慣に何らかの異常がある証拠。

腸内環境を改善して健康的な生活を送るためには、さまざまな生活習慣の中でどこに問題があるのか正しく把握する必要があるのです。

①運動不足

1.慢性的な運動不足で、スポーツなど身体を動かすことをほとんどしていない

「久しぶりに運動したら筋肉痛が2日後にひどくなった」「先週、会社のボーリング大会だったのにそれから1週間、ずっと身体がだるいまま」といった経験がある方は要注意。いずれも普段からの運動が不足している合図です。

逆に、営業で外回りをしている方や犬を飼っている方、子供とよく公園などに遊びに行く方は無意識のうちに身体を動かしているため、運動不足という方は少ないようです。

加齢により私たちの身体機能は少しずつ低下していくため、軽いジョギングやウォーキング、ハイキングなど、定期的な運動習慣が無いとそれだけで腸内環境が悪くなる可能性があります。

2.運動と言えば、常に激しい運動、勝ち負けが伴うスポーツばかり

運動すれば良いかと言うと、実はそうでもないというのがこの項目。激しい運動や勝ち負けが伴うスポーツはストレスや興奮が伴い、自律神経のうち交感神経を活性化します。

これが過剰になると本来は休息時・睡眠時に活性化されるはずの副交感神経が働かず、身体が完全には休んでいない状態に繋がるのです。

実はこの副交感神経の働きが腸内環境を良い状態に保つために必要で、副交感神経の働きが悪いと腸の運動が低下し、便秘になったり腸内環境の悪化を招くのです。

激しく運動をしたとしても、十分に身体を休息させて、副交感神経をしっかり機能させることが良い腸内環境の維持に必要なのです。

3.会社にはマイカー通勤

地方や郊外に住まれている方に多いのが、実はマイカー通勤による運動不足。

都心部で毎日電車やバスで通勤されている方は満員の社内で長時間立っている必要があるなど大変ですが、それだけでも身体を動かしていたり、腹筋のトレーニングにもなっているのです。

腹筋力を維持することは便秘になりにくい、良い腸内環境を保つするための大事な要素。逆にこういった通勤での運動が無いマイカー通勤のみなさんはどうしても運動不足になりがち。

特に注意が必要で、意識的に運動習慣を身に付ける必要があるのです。

4.デスクワークが多く1日の中で動くことが少ない

外回りの営業の方に比べて、オフィスでの仕事が中心のみなさんはやはり運動が不足しがち。

さらにデスクでずっと同じ体勢が続くと血行が悪くなったり、緊張・ストレスもあって交感神経が常に活性化されたり、腸にはさまざまな負担がかかります。

腸への負担を少しでも軽減するために、適度に足の指を曲げ伸ばししてみたり、足のマッサージをしてみたりというのも血行改善に繋がるので効果的。

またお手洗いに行く時などはオフィス内を少し遠回りして、少しでも身体を動かすように心がけてみるだけでも、腸内環境の改善には役立ちます。

5.階段よりも、絶対エレベーターやエスカレーター!

時間が無い時はついつい使ってしまいがちなエレベーターやエスカレーターでも、運動不足を感じている時はあえて階段を選択することは腸内環境にも良いこと。

階段の上り下りによって私たちの身体の内側の筋肉(インナーマッスル)が鍛えられ、腸をはじめとする内臓の働きを活性化するほか、日中の適度な疲労感は夜に質の高い睡眠をもたらすので自律神経を正常に機能させる効果も期待できます。

どうしても歩くのが苦手という方は万歩計をつけてみるのも効果的。

最近はスマートホンのアプリを使ったり、歩くとポイントが溜まる万歩計などもあるので、ゲーム感覚で歩いてみると少しの運動を楽しめるようになるかもしれません。

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②睡眠の質、量が不十分

6.普段の睡眠時間が5時間未満

「仕事が忙しくて、どうしても睡眠時間を削らざるを得ない…」。仕方がないことかもしれませんが、腸内環境にとっては危険。腸内環境が悪い人に多いのが、慢性的な睡眠不足なのです。

睡眠不足によって副交感神経の働きが十分になされないため、腸の働きが低下、結果的に腸内に老廃物が溜まったり悪玉菌が増殖しやすい環境になってしまうのです。

できるだけ睡眠時間を確保することはもちろん、時間が短くともしっかりと身体を休めて、質の高い睡眠をとるように心がけることが良い腸内環境の維持に必要です。

7.休みの日に昼過ぎまで寝るなど、”寝だめ“する

睡眠不足は腸にとって良くないのですが、寝すぎもまた腸に負担がかかるもの。睡眠中は自律神経のうちの副交感神経が活性化されますが、睡眠時間が長引くと副交感神経が必要以上に働いてしまうことになります。

副交感神経は腸の蠕動運動を活性化する役割がありますが、この蠕動運動が極端に増えると下痢などの症状を引き起こす可能性があります。

腸内環境が良い人というは、短すぎず、長過ぎない、毎日7-8時間の質の高い睡眠をとっている人たちなのです。

8.夏の暑い日にはクーラーをつけながら寝てしまう

寝ている間に身体を冷やしてしまうと血流が悪くなります。血流が悪くなると自律神経の働きが悪くなり、腸内環境をも悪化させてしまうのです。

また、腸内細菌の1つである善玉菌は、どちらかと言うと体温が比較的高い時に最も効果的に働きます。身体を冷やしてしまうことは善玉菌の働きを抑制してしまうため、このことも腸内環境が悪くなる一因となり得ます。

9.寝る前にスマートホンで動画などを見てしまう

寝る前のスマートホンの利用も、腸内環境を悪くする一因。

例えば、睡眠前にYoutubeなどで動画を見てしまうと、せっかく休もうとしている身体を無理やり興奮させてしまったり、結果的になかなか眠りにつけなくなって睡眠不足、といった悪循環に陥る可能性も。

休息・リラックス時に働くはずの副交感神経の働きが妨げられてしまうため、睡眠前のスマホは腸内環境にも良くないのです。

逆に寝る前にアロマの香りをかいだり、クラシックなどの音楽を聴くことは、副交感神経を高める働きがあるので効果的です。

③食生活のバランス、リズム

10.1日の必要栄養摂取量を把握していない!

私たちの身体は毎日さまざまな栄養素を必要としています。腸に良い食べ物、悪い食べ物もありますが、まずは何と言ってもバランスよく栄養を摂取することが良い腸内環境、健康な身体作りに必要なのです。

腸内環境が悪い人の中には偏食傾向があり、特定の栄養摂取に偏ってしまっている人が多いようです。

バランスの良い食生活とは、3大栄養素である炭水化物・たんぱく質・脂質に、ビタミンとミネラルを加えた5種類の栄養素がバランスよく含まれた食事をとること。

1日3度の食事を通して30品目以上に分けて、これら5種類の栄養素を摂取することが理想です。

11.腸内環境に良い食品を理解していない!

必要な栄養素をバランス良くとることを前提に、できれば腸内環境に良い食品を日々の食事の中に取り入れていくのが理想的。

腸内環境に良い食品としては、腸内細菌の働きを活性化する役割のある発酵食品(納豆やみそ、漬物など)や食物繊維(根菜類や海藻類など)、乳酸菌(ヨーグルトなど)などが挙げられます。

例えば「毎朝、ヨーグルトを食べている!」という方の中には、腸内環境が悪い人はいないかも知れません。

腸内環境に良い食品を積極的に摂取していれば、腸内細菌のバランスが一時的に乱れたとしても、すぐに元の状態に戻せる可能性が高いのです。

12.朝ごはんをほとんど食べない

忙しい朝が続き、ついつい朝ごはんを抜いてしまいがち…。そんな方も多いかも知れませんが、実はこの朝食抜きと言うのも腸内環境が悪い人に共通する特徴。

朝ごはんを食べないと腸の蠕動運動が活性化されず、排便が促されないことになります。これは便秘のような症状を引き起こし、腸内に便が長時間留まることになるため、悪い腸内環境を生み出すことになってしまいます。

加えて、排便が滞りがちになると「食べていないのに痩せない」といったことにもつながり、ダイエットにとっても大敵。良い腸内環境、健康的な生活には朝ごはんは欠かせないのです。

13.ステーキ、エビフライ…肉類や揚げ物が大好物!

動物性の脂質やタンパク質は胃や腸で消化されにくく、消化に時間がかかったり、胃腸に負担がかかるため、腸内に未消化の食べ物がとどまる時間が長くなります。

こうした消化されずらい食べ物は腸内で徐々に腐敗していくのですが、これが悪玉菌の大好物で悪玉菌を増殖させる結果につながるのです。悪玉菌が増えれば当然腸内細菌のバランスは崩れ、腸内環境は悪くなります。

ですから、肉類や揚げ物に偏ったの食生活を送っている方は腸内環境が悪い疑いがあるのです。特に便が固すぎたり、逆にやわらかくて下痢っぽいうという場合は要注意。食生活を見直す必要があります。

同様に食べるのが異常に早いという方も注意が必要です。咀嚼が少いと消化に時間がかかるため、動物性脂質やタンパク質を摂取した時と同様、腸内環境が悪くなる恐れがあります。

14.いつも夕食を食べる時間が睡眠前になってしまう

仕事が忙しくて帰りが遅くなると、ついつい遅くなってしまう夕食の時間。

夕食後、たっぷりと消化のために休息の時間を取れれば良いのですが、次の日の仕事を考えると早く寝ないと…と、結果的に睡眠直前に食事をとってしまっているという方は要注意。

睡眠の直前に食事をとってしまうと、食べ物を消化するために胃腸は活性化されてしまいます。

本来であれば睡眠中はしっかり身体を休め、副交感神経を働かせて、胃腸の働きを整えなければならないのが、反対に胃腸は起きたままになってしまうのです。こういった生活習慣も、腸内環境が悪い人に共通した習慣と言えます。

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④生活習慣が不規則

15.忙しくて、いつもイライラしてしまう

性格的な面もありますが、感情の起伏が激しいと腸内環境も悪くなりがち。身体や精神の興奮は私たちの自律神経の作用に影響します。

昼間のイライラが残っていると、ゆっくり身体を休めるべき夜間まで興奮状態になったり、そのせいで副交感神経の働きが低下したり、睡眠不足につながったりするのです。

できるだけONとOFFの切り替えを意識したり、自分がリラックスできるように音楽を聴いたり、ゆっくり湯船に浸かるなどを心がけることは、自律神経を整え、腸内環境を良いバランスに保つことに有効です。

1日に5分でも10分でも良いので、じっくりと目を閉じて、瞑想のように心を落ち着けることも効果的。

16.気分が落ち込みがちで、何をするにもやる気が起きない

憂鬱な気分の原因も腸内環境の悪化のせいかもしれません。腸は脳内神経ホルモンの1つであるセロトニンの産生にも関与しています。

腸内環境が悪いとセロトニンの分泌量が減ってしまい、うつ病のような症状を引き起こすことが知られています。最近元気が出ないという時は腸内環境を疑ってみるのも必要なのです。

腸内環境が悪いと私たちの日々の生活にいろいろな悪影響を及ぼします。大切なのは「腸内環境が悪いせいかも?」と疑ってみること。

そして、腸内細菌を良いバランスに保てるように食事や睡眠、運動などできることから工夫をしてみること。

自分の健康にも重要ですが、周りの家族が友達が悩んでいるようであれば腸内環境のことをアドバイスしてあげられるようになりたいですね。

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この記事の筆者

腸内細菌博士
1977年生まれ。京都大学・大学院にて分子細胞生物学を専攻。腸による脂質代謝や栄養吸収を細胞レベルで研究、また腸に関連する疾患の予防、治療方法の基礎研究に従事。

ほか、腸の働きと関連性のある自律神経系や免疫システムについては、現在も米国科学雑誌等で最新研究動向をウォッチ中。現在、米国にてMBA留学中。

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