腸内環境を整える運動は毎日がカギ
私たちの健康に重要な役割を果たしている腸内環境。
腸をケアする方法として「適度な運動」がよくあげられていますが、適度とは具体的にどの程度の運動を指すのか、腸内環境を整えるに効果的な運動は具体的にどういう運動なのかについては皆さん、あまりご存知ではない様子。
ここでは、良い腸内環境の維持に最適な運動の内容や頻度について解説します。
記事の目次
善玉菌の量を増やして腸内環境を整える!
腸内環境を整える上で重要なのは、腸内にいる善玉菌の量を悪玉菌より多くすることです。
善玉菌の量を増やすために必要なこととして以下の2点があげられます。
善玉菌の量を増やすために必要なこと
- 腸のぜん動運動を活発にさせる
- 便秘状態を改善し、便通を良くする
ぜん動運動が鈍くなってしまうと、食べたものの消化に悪影響を及ぼし、結果的に悪玉菌を増やしてしまいます。
そして、ぜん動運動の活性に大きく影響しているのが副交感神経です。
副交感神経を高めることによって、腸のぜん動運動が活発になり、腸内環境が整えられるのです。
ぜん動運動を活発にするためには副交感神経を高める
腸内環境を整えるために必要である、腸のぜん動運動を活発にするためには、副交感神経を高めることが必要です。
実は、適度な運動をすることによって、副交感神経を高めることができます。
その意味で、適度な運動には、腸内環境に有効である二つの理由があります。
適度な運動が腸内環境を整えるのに有効である2つの理由
- 質の高い睡眠・休息を私たちにもたらしてくれる
- 排便に必要な筋肉を鍛え、スムーズな排便を促す
①適度な運動は、質の高い睡眠・休息をもたらしてくれる。
副交感神経は、睡眠中などリラックスしている時に高まります。
そのため、副交感神経を高めるには、質の高い睡眠・休息を行うことが必要です。
適度な運動を行うことは、身体を適度に疲労させ、それが深い睡眠をもたらし、腸内環境を整えることに繋がるのです。
社会人で1日中デスクに座って仕事をしていると、日中に私たちの身体はほとんど運動をしておらず身体的には疲れていないことになります。
ところが、1日中仕事はしているので脳内は疲労を感じているため眠気は発生します。
この身体と脳の疲労度合いのずれが「なかなか寝付けない」「眠りが浅く感じる」などの睡眠不足につながることがあるのです。
また深い睡眠により胃や腸で食物の消化・吸収が進み、悪玉菌が好むような腐敗物質が長く腸にとどまるといったことが起こりにくくなります。
②運動による便秘状態の改善が腸内環境を整える。
排便力を鍛えることによって腹圧を高めることは、腸のぜん動運動を促します。
また、運動不足は筋力の低下を招きますが、日々の排便には一定の筋力、特に下腹部の腹筋力が必要です。
筋力が衰えると腸から排便を促す力が弱くなり、結果的に便が腸内にとどまる時間が長くなります。
腸内に便がとどまる時間が長くなると、悪玉菌の増殖を招き、腸内環境を悪化させることにつながります。
ですから、適度な運動、特に腹筋まわりの筋力を保つためのトレーニングは、腸内環境を整えるや良い腸内環境の維持に欠かすことができない運動と言えるのです。
毎日継続して運動することが大切!
適度な運動で腸内環境を整えるためには、その運動を継続的に行う必要があります。
そのため、無理に激しい運動をするのではなく、自分が毎日続けられる簡単な運動から始めることをオススメします。
さきほど排便力を高めるためには下腹部の筋力を強化する必要があるとご紹介しました。
そうした筋力トレーニングは、毎日とは言わないものの、一定期間行わないと効果が出ません。
最初は簡単なものから、徐々にレベルアップさせていきましょう。
また、1日のうちに腸内環境を整えるために出来ることは、運動以外にもあります。
以下の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
運動するタイミング夜がオススメ
つづいて、運動する時間帯についてです。
副交感神経を高めることが目的であれば、よる寝る30分くらい前に行うのがおすすめです。
この時間帯に軽い運動を行うことで、副交感神経が一番高まる夜への準備となります。
ココで注意していただきたいのは、激しい運動を行ってはいけないということです。
汗をかいてしまうほどの運動をすると、リラックス時に高まる副交感神経が抑えられてしまいます。
寝る前の運動は、ストレッチや体操など軽めのものにして下さい。
腸内環境を整えるオススメの4つの運動
どの運動にしても、適度な量を継続的に行うことが重要です。
これからご紹介する運動は、簡単に始められて、お腹周りへの刺激効果が期待できるものです。
是非参考にしてみてください。
①ストレッチ
一番オススメしたいのは、ストレッチです。
家の中で、短い時間を使って出来る上に、バリエーションが豊富であることが理由です。
一言にストレッチと言っても、様々な種類がありますので、是非一度調べてみて欲しいです。
便通改善などに特化したストレッチを紹介している本も多くありますので参考にして下さい。
②筋トレ
次にオススメなのは、筋トレです。
筋トレと聞くと、なんだかつらそうな印象を持ちますが、種類や行う回数を調整することで無理なく出来ます。
また、ストレッチ同様、様々なバリエーションが有りますので、自分が出来るものからはじめてみてください。
年を重ねるにつれて筋肉は衰えてきますので、筋トレを定期的に行い排便に必要な筋肉量を保つことが大切です。
③ウォーキング
ウォーキングも手軽にできる運動です。
スピードや、時間を自分で調節することが出来ますので無理なく続けられます。
難点としては、天候に左右されてしまうことや、季節によっては屋外での運動が難しいことです。
ウォーキングは、自律神経を整えるのに適した運動であると言われています。
時間が確保できない方は、日中の移動で積極的に歩いたり、エレベーターではなく、階段を利用するなどの工夫をすると良いでしょう。
④ヨガ
ヨガは、専門的な指導を受けながら行うことでより効果を実感できると思います。
ヨガの中でも、お腹周りに刺激を与える種類のものが特に有効といえるでしょう。
なかなか一人だけで行うのは難しいでしょうが、現在ヨガ教室などに通っている方は、お腹周りに特化したメニューを作ってもらってはいかがでしょうか?
定期的に教室に通えば、継続的に運動できますのでオススメしたいです。
まとめ
適度な運動が腸内環境を整える仕組みをご理解いただけましたでしょうか?
腸内環境を整えるためには、副交感神経を高めて腸のぜん動運動を活発にすることが重要です。
また、排便に必要な筋力を維持したり、お腹周りに刺激を入れることも重要です。
普段の生活や運動によって、これら継続的に行えば、今よりも腸内環境を良くすることが出来るでしょう。
ただし、運動だけでなく、日々の生活習慣や食事を改善することも忘れないでください。
腸内環境を整える食事については、以下の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
運動については、まずは、自分ができるものから少しづつはじめてみてください。