花粉症改善にヨーグルト【食べ方や注意点をおさえよう】
花粉症の季節になると、くしゃみや鼻水・鼻づまりが起き、悩ましいですね。でも、これは一種の防御反応。
しかし、花粉自体が悪いわけではなく、本来無害な花粉をアレルゲンとして捉え過剰に反応してしまう免疫の「誤作動」によって引き起こされるもの、と言われています。
花粉症の対策としては、病院での治療もありますが、実は食べもので腸内環境を整えることも有効であることがわかっています。その代表的な方法がヨーグルトを食べること。
その気になる仕組みや、食べ方のコツを整理してみましょう。
花粉症のメカニズム
花粉症や食物アレルギーは、体の防御反応が過剰になっている状態を意味します。
もともと、体には有害な異物を排除しようとする働き(免疫)がありますが、本来無害なはずの花粉や食品にまでその働きをしてしまうのです。
何故、特定の物質にのみ誤作動が起きるかについては、未だ解明されていませんが、それが腸内環境と関係していることはわかっています。
腸の免疫とは
腸は、食べたものを消化吸収したり、糞便を作り出すという働きをします。そして、実は免疫にも関係しています。
通常、体に有害な病原菌やウィルスの類は、口から食べ物と共に入って来ることが多いのですが、その多くが胃液などで殺菌されてしまうのが理想です。
しかし、そこを突破してしまった有害なものに関しては、腸で対応することになります。このため、腸には免疫機能が備わっているのです。
腸内細菌と免疫
腸での免疫が本来の働きを果たすためには、腸内細菌のバランスが大切になってきます。
腸内では、善玉菌・悪玉菌・日和見菌と呼ばれる独自の菌叢が存在し、2:1:7を理想のバランスとしています。
善玉菌とは、有用菌とも呼ばれ、腸の働きをサポートする性質があります。乳酸菌やビフィズス菌などがこれにあたります。
一方の悪玉菌は、有害菌と呼ばれ、腸の働きを鈍らせてしまいます。腸内が悪玉菌優勢の時には、アレルギーを引き起こす抗体も過剰につくられてしまい、つらい症状のもととなります。
つまり、体を健やかに保つためには、善玉菌優勢の状況を作る必要があります。
なぜヨーグルトが良いのか
前項では、腸に免疫機能が備わっていること、そしてその免疫が善玉菌優勢の状況下で発揮されることをみてきました。
では、花粉症にはヨーグルトが良いと言われるのは何故でしょうか。それは、ヨーグルトに善玉菌が含まれているからです。
善玉菌、すなわち乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルトは、多く市販されており、これらを毎日の食事に取り入れることで、花粉症の改善・緩和を目指すものです。
ヨーグルトは菌で選ぶ
乳酸菌だけでも膨大な種類がありますが、そのなかでも花粉症を改善する効果が期待できる菌と、その代表的な銘柄を挙げてみます。
ヨーグルトを選ぶ際の参考にして下さい。
- 1073R-1乳酸菌 (明治 ヨーグルト R1)
- LGG乳酸菌 (タカナシ おなかへGG!ヨーグルト)
- L-55乳酸菌 (オハヨー たっぷり生乳ヨーグルト)
- LG21乳酸菌 (明治プロビオヨーグルトLG21)
- L-92乳酸菌 (カルピス 守る働く乳酸菌)※飲料
- kw乳酸菌 (小岩井 プラズマ乳酸菌ヨーグルト KW乳酸菌プラス)
- フェカリス菌 (伊藤園 朝のYoo フェカリス菌1000)
- ビフィズス菌BB536 (森永 ビヒダスヨーグルトBB536)
ヨーグルトの効率的な食べ方
自分に合うヨーグルトを選んだら、食べ方のコツを抑えて効率的に摂取していきましょう。
食べるタイミング
ヨーグルトを健康目的で食べるなら、摂取のタイミングは「食後」。これは、胃液の影響で有用菌(善玉菌)までが死滅したりしないための工夫です。
先に食べたもので胃液が薄まり、少しでも「生きて腸に届く」ように、食後に摂ろうという試みです。
ただし、仮に菌が死んでしまっても、善玉菌のエサとなって、善玉菌増殖に役立つと言われています。
食べる量
1日100g~200gを目安にとりましょう。沢山摂りすぎると、いかに健康によい食品でもカロリーオーバーとなるなど、他の健康面で影響が出ることもありますので注意します。
食べる頻度
腸内細菌は、一度摂るとずっと腸内に棲みつく…というものではありません。そのため、定期的に摂取する必要があります。
また、花粉症対策として役立てることが目的なら、花粉症シーズンに限らず普段から摂る習慣をつけることをおすすめします。
食べ合わせ
ヨーグルトにお砂糖をかけて食べている…という人も多いと思いますが、ヨーグルトに何か添えるとしたら、善玉菌を増やす性質があるオリゴ糖がおすすめです。
オリゴ糖は摂りすぎるとおなかを下す性質があるため、適量を意識します。
花粉症改善のためのサプリも
ここまでヨーグルトで腸内環境の改善を図ることについて述べてきましたが、より効率的な方法としてサプリメントの活用があります。
関連記事では、「アレルケア」の詳細や、実際に取り寄せ摂取した際の体験などを紹介しています。
さいごに
花粉症対策としてのヨーグルトの摂取についてみてきました。
花粉症対策としての効果を狙うなら、お薬と違って即効性があるものではないので、花粉症シーズンに限らず普段から計画的に食事に取り入れるようにしていきましょう。
また、善玉菌を摂取出来る食品はヨーグルト以外にもたくさんあります。特に、発酵食品には善玉菌が豊富に含まれていおり、味噌・醤油・漬物・納豆などがこれにあたります。
ヨーグルト単品で解決しようとするよりも、これらと組み合わせることで、より効率的に腸内環境の改善を図っていきましょう。
参考
「ビフィズス菌パワーで改善する花粉症」辨野義己 著/講談社
「ヨーグルトで健康革命 あなたの知らない乳酸菌力」後藤俊夫 著/小学館