腸美人の食事とは?食前に〇〇をプラスしよう
近年ではTVメディアなどの影響で、腸をすこやかに保っている人のことを「腸美人」と呼ぶようになりました。その反対語が「汚腸」です。
腸は栄養の吸収だけでなく、代謝や免疫にも関係する器官であることから、腸をすこやかに保つことは、美容や健康に不可欠なのです。
逆に腸が何らかの原因で、本来の働きが十分に果たせなくなる「汚腸」状態になると、便秘や肌荒れ、更には体調不良へと発展しかねません。
腸内環境を整えるためには、一般的に食事(栄養)面・運動面・休養面の3点からのアプローチが必要です。
この記事ではその中でも食事面、特に酵素についてみていきます。
腸美人のための食事とは
腸美人、すなわち腸内環境を正常化するために食事面で気を付けたいのは主に以下の3点です。
- 善玉菌の摂取
- 食物繊維の摂取
- 酵素の摂取
善玉菌や食物繊維については、腸内環境を良くし、便通を改善したりすることで良く知られています。一方で「酵素」については、知らないという方も多いのではないでしょうか。
酵素が働くのは大腸より上
酵素と聞いて何が思い浮かびますか?学校で行った消化酵素(だ液)の実験?それとも酵素ドリンクでしょうか?
洗濯洗剤のキャッチコピーには「酵素のパワーで汚れを落とす」というものまであります。
酵素って一体何なのでしょう?
例を挙げるなら、だ液の中にはアミラーゼ・胃液にはペプシンという消化酵素が存在します。すい臓や小腸でも消化酵素が働きます。
これは潜在酵素と呼ばれ、体に備わっているものです。消化酵素は、食べ物を分解し、栄養を吸収しやすい状態にします。
ただし大腸は糞便をつくる器官ですので、消化酵素は存在しません。
洗濯洗剤に含まれる酵素はこの分解作用を利用して、衣類に付いた汚れを効率よく落とすというものです。
酵素と腸美人の関係
では、腸美人すなわち腸内環境の正常化に焦点を当てるなら、酵素はどのような働きをしているというのでしょうか。
それは「きちんと酵素が働くことで消化・吸収、更には排便までの一連の流れがスムーズになること」。
酵素が上手く働かなかった場合を考えるとわかりやすいです。消化不良の食べ物が大腸へ届くと、腸への負担は大きくなり、腸内環境は悪化します。
また、きちんと栄養が吸収されなかったなら、体の働きや新陳代謝をサポートすることができません。結果、肌荒れや体調不良へとつながります。
ただし、潜在酵素は加齢とともに減少してしまいます。また、睡眠不足や過度のストレス、過度のアルコール、過度の喫煙などの不摂生も、潜在酵素を減らす原因となります。
酵素が不足すると、食べ物が消化されにくくなり、結果腸内環境が悪化します。便秘やガス溜まりだけでなく、代謝・免疫まで落ち、体調を崩しがちになるのです。
不摂生で、酵素の無駄遣いをしないことはもちろんですが、加齢とともに減る酵素に関しては積極的に食事などから補う必要があります。
酵素を食事で補うには
酵素を食物で補うことを考えるなら、「加熱されていないもの」を摂ることが必須条件です。酵素は48℃以上の加熱で壊れる性質があるからです。
このため、生野菜のサラダやフルーツ、お刺身、ぬか漬けなどが適しています。すりおろすと酵素が増すことから、スムージーもオススメです。
特に和食は、お刺身や漬物など、加熱しないものを献立に取り入れやすいです。腸美人と言われる人に、和食愛好家が多いのも納得できます。
しかし、体を冷やさないよう生野菜や生フルーツを控えている方も多いでしょう。酵素を壊さなず、かつ加熱をしないという観点から、フルーツや野菜はドライものが適しています。
酵素を摂るタイミング
前項までに、「酵素が消化の手助けとなり、腸の負担を減らすことで腸美人へと導く」ことについてみてきました。
では、食事にはどのタイミングで取り入れれば良いのでしょうか。それはズバリ「食前」です。
食べ物から摂る酵素は主に胃で働きます。そこで、先に胃に入れて置くことで、食事を消化しやすくします。
関連記事では、これを「ファースト酵素」と呼んで、詳しく解説しています。
酵素には商品化された「酵素ドリンク」やサプリメントも多く市場に出ており、酵素を効率的に摂るのに適しています。
酵素以外に摂りたいもの
食べ物が口から入って排便されるという一連の消化の後半では、菌も活躍します。
また、便秘を防ぐことで腸内環境を保つという観点から、食物繊維の摂取にも注目してみましょう。
善玉菌の摂取
腸内細菌の理想のバランス
腸内では善玉菌・悪玉菌・日和見菌が2:1:7の割合で存在するのがベストとされます。これらはちょっとしたきっかけでバランスが変わってしまいます。
腸を健やかに保つには善玉菌を常に摂取しつつ、上記のバランスを保つことが必要です。
上述の消化酵素が十分に働かず、消化不良のまま食べ物が送り込まれると、腸への負担は増加し、悪玉菌の増殖、腸内環境の悪化につながります。
善玉菌を含む食べ物
善玉菌はヨーグルトを始めとする発酵食品に多く含まれます。和食ですと、味噌や納豆・漬物が善玉菌摂取に適しています。
関連記事では、発酵食品の例も紹介しています。
食物繊維の摂取
腸美人すなわち腸内環境の正常化を目指すならとは、少なくとも便秘は避けたいものです。食物繊維には、便秘の予防・改善の便の効果が期待できます。
また、食物繊維には2種類あります。
不溶性食物繊維
便秘の原因の一つとして、便のもととなる食べ物が少なすぎるということが考えられます。不溶性食物繊維を摂ることで、便のかさを増すことで、排便しやすくなります。
水溶性食物繊維
便秘の原因の一つとして、便が固くて排出されにくいということが考えられます。水溶性食物繊維を摂ることで、便をゲル状にし、排便しやすくなります。
関連記事では、不溶性食物繊維・水溶性食物繊維の含まれる食品について解説しています。
さいごに
腸美人を目指す、すなわち腸内環境を正常化するために食事で気を付けたいことについてみてきました。
酵素は取り入れるだけでなく、不摂生などでむやみに減らさないことも大切です。その上で、食事やサプリメント、酵素ドリンクを上手に活用していきましょう。