【これだけは抑えておきたい】乳酸菌の種類と特徴
乳酸菌と言ってもたくさんの種類があります。その数は200種類以上で、私たちがヨーグルトなどで目にしている乳酸菌はごく一部という事がわかります。
乳酸菌はそれぞれ特徴も違います。乳酸菌の種類と特徴を見て行きましょう。
記事の目次
乳酸菌シロタ株
あっ!これはCMで聞いた事があります!ヤクルトの菌ですよね。
そうです。正式名称は「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株」です。その歴史は古く、衛生環境が悪く赤痢などの感染症が流行った時代に代田博士により発見され、「シロタ株」「ヤクルト菌」などといった名前で知られています。
腸まで届く乳酸菌として子どもからお年よりにまで、愛されている「ヤクルト」に含まれています。
腸内環境の改善や、便秘や肌荒れなどに効果を発揮し、免疫力アップも期待できる乳酸菌です。今は様々な種類があり、カロリーを抑えたものや、様々な栄養が補給された物もあり、ヤクルトも時代と共に進化しているのです。
L―92乳酸菌
花粉症やアトピー性皮膚炎で効果があると言われている乳酸菌です。カルピスで有名なカルピス社が研究し発見に至りました。正式名称は「ラクトバチルス・アシドフィルスL-92株」です。
アトピーで悩む子どもに飲ませる実験では、「著しく有効」「有効」「やや有効」の判断の人は90%を超えたという驚きの結果でした!
わぁ!すごいですね!アレルギーの改善も夢じゃないですね!
その通りです。免疫細胞のバランスを整え、アレルギー症状を抑える事ができる乳酸菌は、薬の負担を減らし、子どもでも安心して飲ませることができると期待されています。
ラブレ菌
スーパーで見たことがあります。吉永小百合さんが以前CMに出ていましたよね。
吉永さん素敵ですよね。ラブレ菌はすばらしい力を秘めた植物性乳酸菌です。
腸内の免疫システムのリーダー的存在であるNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化し、インターフェロンを作り出す事ができるので注目されているのです。
インターフェロンはウィルスやガン細胞を攻撃する事が出来るタンパク質です。ラブレ菌は京都の「すぐき漬」という漬物から発見された乳酸菌です。
腸にしっかりと届く乳酸菌のチカラは腸内環境の改善、花粉症などのアレルギー対策にも、ガン予防、インフルエンザの予防にと活躍してくれます。
昔から漬物や発酵食品で植物性乳酸菌を取っていた日本人にピッタリの乳酸菌と言えます。
フェカリス菌(EF乳酸菌)
正式名称は「エンテ・コッカス・フェカリス菌」と言い、球体の形の菌です。乳酸菌の多くは棒状ですが、小さいので、腸の隙間の細かい部分にまでしっかりと届く事ができると期待されています。
近年、生活習慣病に効果的だと注目されている菌です。
という事は、一口でより多くの乳酸菌が取り入れられるんですね。
同じ一口でも、たっぷり乳酸菌を届けられる方がお得感が違いますよね。免疫力向上、腸内環境の改善、コレステロール値を下げ、高血圧の予防など、通常の乳酸菌の1/5サイズのフェカリス菌の威力はすばらしいですよね。
1986年に発見された、比較的に新しい菌です。加熱処理されて死菌となっても腸内環境を強い力でサポートしてくれる事でも知られています。
1073R-1乳酸菌
インフルエンザの季節に売り切れになる、あのヨーグルトですか?
そうそう、売り切れになりましたよね。インフルエンザに効果的だと言われている乳酸菌です。
山形県と佐賀県の高齢者に継続的にR-1菌が入った乳酸菌を食べてもらう実験をした所、風邪をひきにくい体質にし、NK(ナチュラルキラー)細胞が活性化された事がわかり、ワイドショーなどで大きく取り上げられました。
それで売り切れになったんですよね。もともとNK(ナチュラルキラー)細胞は私たちの体に50億ほどあると言われています。
弱い日常的にひく風邪から、ガンのような病気までガードしてくれる免疫細胞のキャプテンです。
しかし、不規則な生活やストレス、食べ物などでその数は減少してしまいます。免疫細胞は腸内細菌により作られるので、腸内細菌を増やす事が一番重要なんです。
R-1乳酸菌が免疫力を高めるという事は、それだけ腸にしっかりと乳酸菌が届き、腸内細菌を増やす事ができる事に繋がります。
しかし、そのためには、継続的に摂取する事が重要であり、1~2回食べたからといってインフルエンザに効果があるとは思わないでくださいね。
インフルエンザが流行ったからって慌てて取ってもダメって事ですね。
ダメって事はないけれど、「継続は力なり」って事ですよ。
L-55乳酸菌
これは、オハヨー乳業が研究し発見した乳酸菌で、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、悪玉菌などの有害菌を抑える、すぐれた整腸作用が魅力です。
では、便秘解消によさそうですね。
そうなんです。腸内環境を整え、腸内細菌を増やすL-55乳酸菌は胃酸などの酸にも強く、腸液の中でも生き続けることができるんです。
腸管細胞に付着し、大腸菌や黄色ブドウ球菌などの有害菌の増殖を防ぐ効果で、便秘体質の改善も期待できます。便秘がちな女性や、ストレスで腸内バランスを崩しやすい働き盛りの男性にもオススメです!
クレモリス菌
聞いたことないです。初めて聞く菌です。
では、カスピ海ヨーグルトは知っていますか?
えぇ、カスピ海ヨーグルトの菌なんですか?
そうなんです。ヨーロッパ東部のコーカサス地方で食べられているヨーグルトに含まれているのが、「クレモリス菌」なんです。酸味が少なく、トロットした舌触りで、家庭でも手軽に作れる事でブームになりました。
実はカスピ海ヨーグルトには「クレモリス菌」が作った乳酸を減らす「セトバクター菌」が含まれ、乳酸を整えているのです。
整腸作用はもちろん、アレルギー体質の改善や、肌荒れ、血液サラサラ効果など幅広い効果がある事で知られ、ヨーグルトだけでなくサプリメントなども販売され、近年その人気は高まっています。
コッカス菌
コッカス菌は人の腸内管に存在している乳酸菌で、特殊熱水加工技術により開発され世に出てきた菌です。学会や論文で発表され、注目されている菌です。
もともと人間の体の中にあったものだからこそ、消化液のダメージも受けることなく、腸に届き、長く生きる事が出来ます。「ヒト由来」の乳酸菌の強さが伺えますよね。
なるほど、人の中にあった乳酸菌だから「ヒト由来」なんですね。
そうそう、それが強さの秘密です。コッカス菌は、コレステロールが体に溜まるのを防ぎ、排泄を促し、基礎代謝を上げる効果が期待されています。
メタボで悩む人や、生活習慣病の人にはぜひ試してもらいたい乳酸菌です。さらに白血球を活発にし、アレルギー体質の改善など、魅力的な効果が目白押しです。注目されている菌なだけありますね。
ラクティス乳酸菌
植物性乳酸菌で注目されている「ラクティス乳酸菌」は大豆から抽出された乳酸菌です。現代人の腸は薬、食品添加物、野菜に付着している農薬などの化学薬品で痛めつけられています。
傷ついた腸は、体の隅々まで充分影響を行きわたらせる事ができません。「ラクティス乳酸菌」は傷ついた細胞を修復し、栄養の吸収力をアップさせ、免疫細胞を活性化させます。
細胞の修復!!スゴイ!やはり植物性乳酸菌は強いんですね。
強いですよ~。「ラクティス乳酸菌」は腸の中で乳酸菌を増やし、悪玉菌の居場所を減らします。
日本人になじみやすい植物性乳酸菌は、腸を若返らせるアンチェイジング効果もあり、体もイキイキとして、疲労回復、美肌効果などうれしい効果でいっぱいです。
食生活の乱れ、疲れがとれない、お肌の調子が悪い時に最適な乳酸菌です。
K-1菌
K-1菌はお米から分離した乳酸菌で、米田製菓の研究チームが試行錯誤により見つけ出しました。日本人の食生活にあった植物性乳酸菌で、ビフィズス菌を増やし、腸を元気にしてくれます。
食事由来の変異原性物質を除去する事もできるのも驚きです。
食事由来の変異原性物質ってなんですか?
そうですね、例えば、焦げたお肉などの食品を食べるとガンになると言われますよね。そういった発がん性の物質の事です。
実験では焦げた肉と一緒にこのK-1乳酸菌を摂取すると、変異原性物質の度合いが乳酸菌のチカラにより抑えられているのです。
私たちの身の回りには多くの化学物質が存在しています。その中にはDNAや染色体に損傷を与えるような物も存在します。
知らず知らずに体に入ってくる体に害があるものを排出する力がこのK-1にはあります。成長期の子ども達はもちろん、毎日頑張っている大人にも、腸を元気にして、病気を防ぐためにもぜひ取り入れて欲しい乳酸菌です。
ANP71
創業380有余年の酒造で文部科学省の支援と石川県の企業、大学が連携してこの「ラクトバシラス・プランタラムANP71株」を発見しました。
伝統発酵食品から取り出した300種類以上の菌の中から発見された、300種類の菌のトップクラスの菌であると言えます。
石川県の醗酵食品は有名なんですか?
有名です。昔ながらの醗酵食品が多く、今でも日常的に発酵食品を作るような文化が残っている場所です。「発酵王国」と呼ばれる土地だからこそ、この乳酸菌の発見が出来たのでしょう。
過酷な環境でもきちんと腸に解く事が出来る優秀な菌なので、便秘解消からアレルギー体質の改善などにもオススメします。
HSK201乳酸菌
アレルギー対策に特化した植物性乳酸菌です。キャベツの漬物であるザワークラウトから見つけられました。日本ルナと日本ハム(株)の研究施設が2000株以上の乳酸菌から選抜しました。
花粉症の患者に対して行われた実験では、8週間の摂取により、くしゃみ、鼻水などの花粉症の症状が緩和したデータも存在しています。
花粉症で悩んでいる人は飲んだ方がいいですね。
そうなんです、薬を使うよりも体には良いですし、効果が実験データとして存在しているので信憑性も高いと言えます。
lb81
プレーンヨーグルトに含まれている乳酸菌です。女性にうれしい皮膚機能改善が期待できる乳酸菌です。
わぁ!美肌効果ですか!?
食いつきましたね~。整腸作用や便秘改善などと一緒に、肌の弾力やキメを整える事ができる乳酸菌です。継続して食べる事で、便の中に含まれる臭いを抑え、排便時のスッキリした気分にさせてくれます。
腸内環境を整える事は美肌に繋がり、腸が若返る事で長寿効果も期待できるという訳です。効果を実感するためにはやはり継続する事が必要ですよ!
BE80菌
便秘の解消に効果が期待できる乳酸菌です。酸に強く、腸の中でしっかりと届く事ができます。腹部膨満感、過敏性腸炎の症状を改善すると言われています。
過敏性腸炎ってなんですか?
いい質問ですね~。過敏性腸炎は日本人の成人の10~20%が体験しているという病気です。特に年齢層が若い人に多く、環境や人間関係などのストレスが関係していると言われています。
下痢と便秘を繰り返し、腹痛や腹部の不快感に襲われます。セロトニンをコントロールする薬や整腸剤を使う治療が行われます。BE80菌で過敏性腸炎にならないようにしましょう。
LG21乳酸菌
LG21乳酸菌は2500種類の乳酸菌から選び抜かれた、すばらしい存在です。ピロリ菌を知っていますか?
TVで見たことがあります。胃ガンなどの病気を引き起こすと言われている菌ではないですか?
その通りです。胃の粘膜にいる悪い菌で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃ガン、慢性胃炎などの病気を引き起こします。
ピロリ菌は胃酸には強いのですが、乳酸菌が出す乳酸にはめっぽう弱く、LG21乳酸菌はこのピロリ菌をやっつける最適な菌だと言われています。
ピロリ菌を薬を使って退治するよりも、LG21乳酸菌で安全に退治していく事が健康にも良いでしょう。
上下水道が完備されなかった時代の人は胃の中にピロリ菌を持っていましたが、衛生環境が整った現代では、あまり神経質になる事はないでしょう。井戸水を飲んでいた地域の人は、LG21乳酸菌はオススメですよ。
まとめ
乳酸菌ってまだまだたくさんあるんでしょうね。
まだまだ未知の世界ですね。これから化学が発展すればもっと多くの、すばらしい乳酸菌に出会える事でしょう。乳酸菌はそれぞれ、種類も機能も違います。
たくさんの菌が腸にある事が健康につながるので、自分にピッタリの乳酸菌を探してみて欲しいと思います。