【え..ヤバい】腸内フローラの改善方法を間違えると効果なし?
腸内フローラを改善する方法についての情報は、ネット上にも多く紹介されています。
しかし、そうした情報の質は様々で、中には誤解を与える情報など、腸内フローラを悪化させてしまうことにつながる情報もあります。
そこで今回は、腸内フローラを改善する方法で、みなさんが誤解しやすい方法を取り上げて、その真相や注意点について詳しく説明します。
記事の目次
間違えるとどうなる?
腸内フローラを改善する方法については、ネット上に様々な情報があります。
その中には、解釈を誤ると効果が期待できなかったり、腸内フローラを悪化させてしまうものが少なからずあります。
そうした方法を誤解して実施することは、改善への効果がない方法に、お金と時間を無駄に費やしたり、かえって改善を妨げることにつながります。
今回ご紹介するのは、誤解につながりやすい以下の6つの方法についてです。
誤解しやすい6つの方法
- 食物繊維を摂れば便秘が治る
- オリゴ糖をたくさん摂れば良い
- 食事を工夫するだけで良い
- 善玉菌は生きた菌しか効果がない
- 断食は腸をリセットする
- 水素水は腸に良い
これらの改善方法は、一見すると間違っていないように見えますので、誤解しやすいです。
しかし、詳しく見ていくと、欠点や注意しなければならない点が分かってきます。
ですので、今からご紹介するような、誤った改善方法を実践していないか振り返ってみてください。
間違えやすい改善方法の紹介に入る前に、腸内フローラについて少しだけおさらいしておきます。
腸内フローラとは?
本題に入る前に、腸内フローラとは何なのかについて簡単にご紹介しておきます。
腸内フローラとは、私たちの腸内に棲みつく腸内細菌が形成する、独自の生態系のことです。
腸内フローラを形成する腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3タイプに分けられます。
3タイプの菌が構成している
腸内フローラを構成している菌は、健康へ与える影響の違いによって3タイプの菌に分けられます。
これら3タイプの菌は、腸内フローラの中で常に勢力争いを繰り広げています。
菌タイプ | 代表種 | 健康への影響 | 理想の割合 |
善玉菌 | 乳酸菌 ビフィズス菌 |
良い影響を与える | 20% |
悪玉菌 | ウェルシュ菌 大腸菌(悪性) |
悪い影響を与える | 10% |
日和見菌 | バクテロイデス菌 連鎖球菌 |
両方の影響を与える可能性がある | 70% |
そして、腸内フローラの状態とは、菌の勢力がどのようなバランスになっているかで決まります。
理想のバランスは2:1:7
腸内フローラが良い状態であるとは、菌のバランスが、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7になっているときです。
このバランスが保たれていると、善玉菌が活発に働き、健康に害を及ぼす悪玉菌の増殖を抑えることができます。
日和見菌は、勢力が強いどちらかの菌に味方するので、善玉菌の勢力が悪玉菌を上回っていれば問題ありません。
しかし、腸内フローラの状態が悪化すると、便秘などの症状が悪化し、悪玉菌がさらに増殖しやすい環境になります。
すると、便秘が悪化→悪玉菌増殖→便秘悪化という、負のサイクルができ、健康に様々な悪影響を及ぼします。
健康への悪影響
腸内フローラの状態が悪化すると、腸内で悪玉菌がタンパク質を分解し、有害物質を生産します。
有害物質は腸内から血液に溶け込むことで全身をめぐります。
有害物質が全身をめぐったり、善玉菌の勢力が衰えることで、健康に以下のような悪影響が出ます。
健康への悪影響
- 免疫力の低下
- 肌荒れ
- アレルギー症状の悪化
- 体臭・口臭の悪化
- 太りやすくなる
- ガンや糖尿病などの発症リスク増加
こうした悪影響を受けないために、腸内フローラの状態を改善する方法があります。
改善方法は2つ
腸内フローラを改善するためには、2つのアプローチ方法があります。
1つは、食事を改善し、善玉菌や、その活動を活性化させるオリゴ糖・食物繊維を摂るという方法です。
もう1つは、生活習慣を改善し、自律神経のバランスを整えるという方法です。
これら2つの方法について詳しく知りたい方は、以下のページに記載していますので、参考にしてください。
しかし、誤った理解でこれらの方法を実践すると、かえって腸内フローラの状態を悪化させてしまう場合があります。
ここからは、誤った理解を防ぐために、冒頭でご紹介した誤解を与えそうな6つの改善方法について詳しくご紹介していきます。
また、各方法のやり方や注意点など、詳しい情報は各項目の最後のリンクから紹介ページにアクセスできますので、参考にしてください。
食物繊維を摂れば便秘が治る
腸内フローラのを改善するためには、先ほどご紹介した負のサイクルを断つ必要があります。
その場合、便秘を解消することによって、腸内フローラの状態を改善させようとする方法があります。
便秘の解消には、食物繊維を摂取することが良いため、そのように紹介されている事が多いです。
稀に、食物繊維には、便をかさ増しする不溶性食物繊維と、便を柔らかくする水溶性食物繊維の2種類があることが、説明されていない場合があります。
便秘の時に、不溶性食物繊維を摂ってしまうと、便が腸内に詰まって、便秘の症状が悪化する可能性があります。
食物繊維であればなんでも良いのではなく、この2種類をしっかり見極めた上で摂取するよう心がけてください。
食物繊維を摂取して腸内フローラを改善する方法については、以下のページで詳しく紹介していますので参考にしてください。
オリゴ糖をたくさん摂れば良い
オリゴ糖は、善玉菌の働きを活性化させたり、増殖を促したりする成分として有名です。
食事でオリゴ糖を摂取することは、腸内フローラの改善につながるとして推奨されています。
しかし、オリゴ糖にはデメリットがあることも忘れてはいけません。
オリゴ糖は、小腸で消化されることがないため、大腸まで到達し、ビフィズス菌などの善玉菌のエサになって、その働きを助けます。
ですので、オリゴ糖を過剰に摂取して、消化が追いつかなくなると、消化不良を起こしてしまうのです。
オリゴ糖をたくさん摂れば、腸内フローラの状態を改善できるという認識は誤りですので、注意してください。
オリゴ糖の1日の摂取量は10gが目安とされています。
オリゴ糖を摂取して腸内フローラを改善する方法については、以下のページで詳しく紹介していますので参考にしてください。
食事を工夫するだけで良い
腸内フローラを改善する方法として、最も効果的なのは、普段の食事を改善することです。
普段の食事を改善するとは、具体的には、善玉菌、オリゴ糖、食物繊維を含んだ食事を意識的に摂るということです。
しかし、腸内フローラが悪化し、重度の便秘症状を抱えている場合には、食事でそれらの成分を摂っても改善が難しいのです。
これは、タレントの松本明子さんの著書「腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善されて40年来の便秘にサヨナラできました!」で明かされています。
このような重度の便秘症状に陥ってしまった場合は、まず腸内の便を排出する必要があります。
ですので、医療機関を受診するなどして、便秘症状の改善を目指す必要があります。
また、腸内フローラの改善には、運動、睡眠、ストレスの緩和など、日常生活を見直す必要がありますので、この点も忘れないでください。
食事の工夫で腸内フローラを改善する場合の注意点については、以下のページで詳しく紹介していますので参考にしてください。
善玉菌は生きた菌しか効果がない
善玉菌を摂取することは、腸内フローラの改善に効果的です。
そのため、世の中には善玉菌を含んだ食品やサプリメントが数多く売られています。
こうした商品のキャッチコピーとして、「生きたまま腸に届く」というフレーズを良く耳にします。
このフレーズを聞くと、あたかも死んだ菌には何の作用もないかのように、聞こえてしまいます。
しかし、含まれている菌がたとえ死菌であっても、腸内フローラに良い影響を与えてくれます。
近年の研究では、死んだ菌が、腸内の善玉菌の働きを活性化することが明らかになってきました。
東京大学名誉教授の光岡知足氏は、著書「腸を鍛える-腸内環境と腸内フローラ」で、死菌が腸内フローラを改善すると指摘しています。
死んだ菌だからと言って、何の役にも立たないわけではないのです。
「生きたまま腸に届く」というフレーズに惑わされることなく、死菌を配合した商品を試してみるのも良いと思います。
生菌・死菌をはじめ、菌の様々な分類については、以下の記事で紹介してますので、参考にしてください。
断食は腸をリセットする
腸内フローラの状態をリセットするために、短期間食事を断つ「プチ断食」が良いという話を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
しかし、断食による腸内フローラの改善については、専門家でも意見が別れており、簡単に信じて良い情報ではなさそうです。
断食に反対している専門家が主張する理由は主に2つあります。
1つは、断食がストレスを感じさせる原因となり、かえって逆効果になるという意見です。
もう1つは、断食によって生体リズムが崩れて、免疫力の低下につながるという意見です。
断食は、体調を悪化させる原因にもなりますので、実施する場合は、専門家の指導のもとで行うことを勧めます。
命にも関わることなので、間違っても我流で行う、などということは考えないでください。
腸内フローラを改善するための断食方法については、以下のページで詳しく紹介していますので参考にしてください。
水素水は腸に良い
近年ウォータービジネス市場が急速に発展し、一般家庭でもウォーターサーバーが普及してきています。
水道水ではなく、より体に良い水を摂りたいという、消費者のニーズの現れかと思います。
そんなウォータービジネスの一種に、水素水ビジネスがあります。
雑誌やウェブサイトでは、水素水には、健康に良い様々な効果があると宣伝されていますが、その中には腸内フローラを整えるという情報も見られます。
しかし、現状で水素水が腸内細菌を活性化したり、増やしたりして、腸内フローラを整えることに有効であるという科学的な証拠はありません。
確かに、腸内フローラを整えることを目的に、水の摂取を工夫することは良いことです。
どのような水を摂取するのかや、摂取量やタイミングを工夫することによって、便秘を予防することにつながるからです。
腸内フローラを整えるために、水の摂り方を工夫したい方は、コチラの記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
まとめ
今回は、腸内フローラを改善する方法の中でも、皆さんに誤解を与えかねない方法を取り上げました。
間違った方法で、腸内フローラを改善しようとするのは、時間もお金も無駄にすることにつながります。
また、場合によっては腸内フローラの状態を悪化させることにつながるので注意が必要です。
もしも、これらの方法に関して、誤った認識をしていたならば、今日から正しい方法で腸内フローラの改善を目指してください。
ネット上には、非常に多くの情報が散らばっており、中には誤った理解につながりやすい情報もあります。
そうした情報を正しく見極めるためには、複数のサイトを比較したり、書籍や専門家の意見を参考にしたりすることが大切です。
もし、そうした情報を見つけたときには、本サイトも比較の対象にしていただけると幸いです。