腸内フローラを整える、理想の1日の過ごし方

腸内フローラを整える、理想の1日の過ごし方(社会人編)

その日、1日をどのように過ごすか次第で、実は腸内フローラには大きな変化が起きているのです。

通勤や仕事の忙しさを理由に、多少不健康でも仕方ないかも…

なんて考えているかも知れませんが、毎日の生活の中でのちょっとした工夫をするだけでも、腸内フローラを整えるのに理想的な1日に変わるのです。

良い腸内フローラを維持するためにも、1つ1つの工夫をご自身の生活の中に取り込んでみませんか?

良い1日は、良い「起床」習慣から

腸内フローラにとって良い1日を過ごすためには、まずは朝の起床が肝心。

中でも、できるだけ起床時間や睡眠時間を毎日できるだけ一定にすることが腸内フローラにとって大切なことです。

平日は通勤・仕事もあるので自然と起きる時間も、睡眠時間も一定になりやすいのですが、問題は週末です。

週末の寝だめは良くない

週末に寝だめしようとしたり、極端に寝坊することは、自律神経の働きを失調させる可能性があるため注意が必要です。

寝だめや寝坊によって睡眠時間が長くなると、自律神経のうち副交感神経が作用する時間が通常より長くなります。

副交感神経と大腸のぜん動運動は連動しており、平日と週末で副交感神経の活性度が大きく変わると、自律神経の働きを鈍らせます。

すると、大腸の働きに悪影響を及ぼしたり、腸内フローラを悪化させることにつながりかねません。

昼寝がおすすめ

週末こそ寝坊したいと思われるかもしれませんが、腸内フローラを整えるためにはできるだけ平日と変わらない時間に起床することが理想的です。

寝だめをするくらいなら週末の午後に短時間の昼寝をとる方が、腸内フローラにとってはおすすめなのです。

起床後は、午前中のエネルギーとなる朝食を取りますが、この朝食でも様々な工夫ができます。

お腹に優しい「朝食」とは?

腸内フローラに優しい朝食としてまず最初におすすめしたいのが、ヨーグルトなどの乳製品です。

腸内フローラが乱れるのは、腸内細菌の1種である悪玉菌が腸の中で増殖し、相対的に善玉菌の存在割合が減少ためだからです。

1日のはじまりに善玉菌を摂取

毎日1日のはじまりに、乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌を豊富に含むヨーグルトを摂取することは、善玉菌の量を増やし、腸内フローラを整えるのに大変効果的なのです。

さらに、善玉菌の栄養源となり、善玉菌を増殖させる働きのあるオリゴ糖を含む食品も朝食に最適。

その代表格が果物のバナナで、バナナにはオリゴ糖が豊富に含まれるほか、排便を促進する効果のある食物繊維も含まれており、腸内フローラを整えるのに効果的な食品なのです。

和食が腸を整える

また、和食の朝食も腸内フローラを整えるのに非常に良いと考えられます。

例えば、和朝食で定番の漬物や納豆といった発酵食品には、乳酸菌などの善玉菌が豊富に含まれていることが知られています。

また、白米の代わりに麦飯や玄米とすれば食物繊維も十分に摂取することができます。

一般的に和食の朝食はカロリーが低く、消化に良いものが多いため、胃腸に優しく腸内フローラを整える朝食としておすすめです。

朝食を食べ終えたら、次は職場への通勤、ここでも腸内フローラを整える工夫ができます。

「通勤時」にも腸内フローラへの意識を!

通勤時にも腸内フローラを整えるためにできることがあるのです。

例えば、電車での通勤であればできるだけ電車内で立つことを心がけたり、エスカレーターやエレベーターではなく少しでも階段を使うことを心がけたり。

このような習慣によって、運動不足が少し解消されたり、筋力の衰えを防いだりといった効果が期待できるからです。

排便力の低下が腸内環境を乱す

筋力の低下がなぜ腸内フローラにとって良くないかというと、特に下腹部の筋力の低下が排便する力の低下を引き起こすから。

排便する力が下がってしまうと、自然と腸内にとどまる便の量、あるいは腸内に便がとどまる時間が増えてしまい、悪玉菌の増殖の原因となり腸内フローラが悪化してしまうのです。

ただでさえ、人間の筋力は加齢とともに衰えていくもの。腸内フローラを整えるためにも、筋力を維持するための工夫は欠かせないものなのです。

腸内環境を整える運動については、以下の記事でも詳しく紹介していますので参考にしてください。

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腸内フローラにとって「昼食」は何が良い?

オフィス街にある定食屋さんで定番なのは唐揚げ定食や、焼肉定食ですよね。

美味しく人気もありますが、やはり腸内フローラにとって動物性のタンパク質や脂質は大敵です。

悪玉菌の大好物であり、腸内で悪玉菌の増殖を促してしまうからです。

腸内環境を悪化させる食べ物については、以下の記事で紹介していますので、参考にしてください。

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昼食は弁当を持参するのもあり

腸内フローラのことを考えれば、できるだけ消化・吸収しやすいものが良いです。

あるいは腸内フローラの改善に効果的な食物繊維やオリゴ糖を多く含む食品、また発酵食品などを昼食でも積極的に摂取したいものです。

外食でそういった内容の昼食をとるのが難しい場合は、お弁当を持参するのも効果的な方法の1つでしょう。

また、以下の記事で紹介されているような健康食品を食べるのも良いかもしれません。

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腸内フローラにとって理想的な昼食、と言ってしまうとキリがありませんが、大切なのはバランスの良く、適量の食事量を心がけることが重要です。

「仕事中」にもできる配慮

オフィスワーク中心の社会人の方は、1日の大部分を椅子に座った状態で過ごしているかと思います。

このような一定の姿勢で1日を過ごすのは、食物の消化にとって、また腸内フローラにとっても決して良い状態とは言えません。

机に向かっての仕事中であっても、適度に伸びをして身体をリラックスさせたりすることが必要です。

また、トイレなどに行く際も少し遠回りをしてできるだけ身体を動かすように心がけることは、腸内フローラにとって良い習慣になります。

自分で購入したバランスボールをオフィスに持ち込み、会社の椅子の代わりに使っているなんて強者の話も耳にします。

仕事をしながら体幹、特に腹筋部分を適度に鍛えることができ、便秘解消・腸内フローラ改善に効果がありそうです。

みなさんも「仕事中」と諦めずに、仕事中でも何か腸内フローラを整えることにつながりそうなこと、また少しでも運動につながりそうなことを考えてみませんか?

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仕事帰りにしておきたいこと

仕事で疲れているから、早く家に帰りたい…という方ももちろん多いと思いますが、腸内フローラのためにも大事にしたいのが「仕事帰り」。

理想を言えば、週に何度かはスポーツクラブなどに通って軽く汗を流したり、軽い筋力トレーニングを行って、腸内フローラを整えるための筋力を維持したいもの。

もちろん、ジムなどに行かなくとも自宅でストレッチ体操をしたり、軽い腹筋運動をするだけでも筋力低下を防止する効果があります。

ストレスをためない工夫が必要

また運動以外でも、ストレスを発散したり、精神的にリラックスできるような趣味をもつことも、腸内フローラを整えるために重要なのです。

日々の仕事でストレスを感じていたり、あるいは精神的に興奮した状態では、質の高い睡眠を得ることができず、大腸の機能を低下させ、腸内フローラを悪化させる可能性があるのです。

仕事帰りに自宅へと着く前に、ONとOFFを上手に切り替え、ぐっすりと質の高い睡眠につなげられるような趣味を持つことは、腸内フローラにとっては非常に良いことなのです。

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腸内フローラにとって一番注意が必要な「夕食」

社会人の方なら職場の飲み会や取引先の接待など、外食される方も多いかと思います。

お仕事をされている以上、大切なお付き合いは仕方ないことだからこそ、そのような場でも腸内フローラにできるだけ優しい食事を心がけたいですね。

例えば暴飲暴食を危険で、いくら楽しい気分だからと言って飲み過ぎや食べ過ぎは腸内フローラの悪化を招く要因になってしまいます。

胃腸の消化・吸収能力以上に食事をとってしまうと、下痢を起こしたり、逆に胃腸の疲弊を招き便秘を引き起こしてしまう可能性があるからです。

深夜・寝る前の食事は避ける

また仕事が忙しいからと言って、深夜、就寝直前に夕食をとるのは腸内フローラにとって厳禁。

睡眠時は胃腸を休ませ、胃腸の働きを整える貴重な時間です。

それにもかかわらず、就寝前に食事をしてしまっては、胃腸が消化のために休むことができず、胃や腸に疲労が蓄積してしまいます。

こうなると腸内フローラは悪化する一方なのです。

腸内環境を整える食事については、以下の記事を参考にしてください。

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未消化の食べ物が胃や腸内に残ってしまうと翌朝に食欲が湧かず、大切な朝食を抜いてしまうことにつながりかねないため注意が必要です。

ところで、1日1食は腸内フローラに良いの?

腸内フローラを良くするためには、1日1食が良いのでは?と思われる方も、数多くいらっしゃるようです。

さまざまなメディアで取り上げられることもある1日1食ですが、専門家の見解によると賛否両論ありそうです。

1日1食のメリットは?

まずは1日1食の利点としてあげられるのが、1食にすることで胃腸への消化の負担は減り、寝つきがスムーズになるなど睡眠への効果です。

また、取得できるカロリーが自然と限られてくるため、ダイエット効果も期待できるそうです。

逆に1日1食しか無いため、1食でどれだけ効率良く必要な栄養素を取得できるかが重要になります。

腸内フローラにとっての1日1食を考えると、やはり消化の負担が軽くなることは、腸内フローラに良い効果をもたらすと考えられます。

食事と食事の間に十分な時間ができることで、摂取した食物を十分に消化・吸収したり、便に変えたり、といった胃や腸の働きが滞りなく行われます。

これは、腸内フローラを良い状態に保つことにつながるでしょう。

1日1食の懸念点は?

1日1食の懸念点としてあげられるのが、唯一の食事が栄養的に偏ったものになっては健康面でかえって悪影響を及ぼしてしまう場合があること。

また、食事の際に血糖値が上がりやすくなり、余剰な糖分が糖化して肌の艶などを悪化させる可能性もあるようです。

さらに、食事量が低下してしまうと便の量が少なくなるため、排便が起こりにくくなり、便秘のような症状に陥るリスクも。

腸内フローラへの良し悪しもまた、1日1食をどんな内容でとるか次第と言えそうです。

便秘にならないように食物繊維をたっぷり摂取したり、善玉菌を豊富に含む乳製品や発酵食品をしっかり摂取することを条件とすれば、1日1食の食習慣は腸内フローラにとってプラスに作用すると考えられます。

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まとめ

腸内フローラにとって理想的な1日、お分かりいただけましたか?

腸内フローラのことを考えると、毎日の生活の中でできることが沢山ありそうです。

大切なのは、食事・運動・ストレスをなるべく溜めない工夫です。

日々の生活を振り返って、今回ご紹介したことに注意を払ってみたください。

とは言え、すべてを実行に移すというのは大変なこと。

まずは1つ、2つで良いと思いますので、無理のない範囲で日々の生活の中でトライしてみることから始めてみてはいかがでしょうか?

この記事の筆者

腸内細菌博士
1977年生まれ。京都大学・大学院にて分子細胞生物学を専攻。腸による脂質代謝や栄養吸収を細胞レベルで研究、また腸に関連する疾患の予防、治療方法の基礎研究に従事。

ほか、腸の働きと関連性のある自律神経系や免疫システムについては、現在も米国科学雑誌等で最新研究動向をウォッチ中。現在、米国にてMBA留学中。

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