なぜ腸内環境を整えると内臓脂肪を落とすことができるのか

まずは、腸内環境の悪化が内臓脂肪の増加につながる過程をみていきましょう。

腸内環境の悪化~内臓脂肪の増加に至るまで

腸内環境が悪化すると、悪玉菌が増えてきます。

悪玉菌が増えると、腸の働きが悪くなりますから、当然、腸の中で食べ物を運ぶ働きが低下します。消化吸収された食べ物の残り物がお腹の中に留まりやすくなります。

そうなると、お腹の中での腐敗が進行し、有害物質が生まれてしまいます。

また、悪玉菌にも有害物質を作る作用があり、悪玉菌が増えると生成される有害物質も増えます。

これら腸内で生み出される有害物質を腸が吸収し、やがて血液中に放出されます。

有害物質を含んだ血液は、ドロドロとしており血液の流れが悪くなります。

すると、血液の流れが悪くなったために、全身の細胞の必要とする栄養素や酸素が、届きにくくなります。

この結果、基礎代謝が低下してしまいます。基礎代謝が減少して余ったエネルギーは、内臓脂肪として身体に蓄えられるようになります。

内臓脂肪を減らすための、腸内環境の考え方

逆もしかり。腸内環境を整えることで、腸の働きを改善させ内臓脂肪を減らすこともできます。

腸の中での食べ物の運搬を活発化させ、消化吸収された食べ物の残り物から発生する有害物質を減少

腸内環境の改善により悪玉菌を減らし、悪玉菌からの有害物質の生成を減少

血液のドロドロ化が改善され身体全体が活発化。脂肪としてエネルギーが蓄えられにくくなる=内臓脂肪の減少

では、内臓脂肪を減らすために腸内環境をよくするためにはどうすればよいのでしょうか。

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腸内環境を整える食べ物

食事を見直すことで、腸内環境を改善することも出来ます。ヨーグルトをはじめとする発酵食品を食べることがお腹にいい効果をもたらします。

ヨーグルト
ヨーグルトを、健康増進やお腹やお肌の調子を整えるために、積極的に食べている人は珍しくありません。ヨーグルトには、乳酸菌がたくさん含まれています。一口に乳酸菌と言っても、その種類はいろいろあります。CMなどでも謳われていますので、耳にしたことのある方も多いと思います。

ヨーグルトの代表的な乳酸菌の例

菌名 特徴
ビフィズス菌 腸内環境を整える作用や、アレルギー反応を抑える働き
ガセリ菌 腸内環境を整えるだけでなく、内臓脂肪がたまってくるのを抑える働き
L.ガセイシロタ菌 腸内環境を整えてくれる他、発がん性物質が出来にくいようにする作用
LG21菌 胃潰瘍の原因であるピロリ菌が増えにくいようにしてくれる作用

2番目のガセリ菌の働きに、内臓脂肪を抑える効果があります。

ガセリ菌は、もともと人間のお腹の中にいる腸内細菌の1つで、善玉菌に分類される菌です。

胃の強い酸にも強く、口から食べても胃酸に負けることなく腸まで届く性質があります。

ですから、ヨーグルトとともに食べてもお腹の中に定着しやすいのです。腸内環境を整えるだけでなく、コレステロールを減らしてくれる働きもあります。

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ヨーグルト以外の食べ物

腸の働きに良い食べ物は、ヨーグルトに限りません。日本人におなじみの食べ物にも幾つかあります。

味噌

もっともなじみ深いものは、お味噌ではないでしょうか。お味噌には、植物性の乳酸菌が豊富に含まれています。

植物性乳酸菌は、胃の強い酸性下でも負けることなく、腸にまで届くことが知られています。そして、お味噌の場合は、食物繊維も豊富です。

食物繊維も善玉菌を増やしてくれますので、腸にはより効果的に作用してくれます。また、お味噌以外にもお漬け物も同じ働きようなをしてくれます。

納豆

ほかには、納豆も腸内環境を整えてくれます。

納豆は、独特の臭いをしていますが、納豆菌による発酵食品です。

お味噌と同じように食物繊維も多く、腸内環境を整え、善玉菌を増やしてくれます。

しかも、納豆には、ドロドロ化した血液をさらさらにしてくれるナットウキナーゼという酵素が含まれています。

また、動脈硬化を抑えてくれる作用があるポリアミンも持っています。

血液の流れをこうした作用により改善してくれるので、基礎代謝がよくなり、内臓脂肪をためにくい体質にすることが出来ます。

このように、植物性乳酸菌の多い食べ物や納豆は、腸内環境を整えて善玉菌を増やしてくれます。しかも食物繊維もたくさん含まれています。

ところで、植物性乳酸菌に対し、ヨーグルトに含まれている乳酸菌は、動物性乳酸菌といいます。

ウシという動物から得られた牛乳から作られるからです。動物性乳酸菌はヨーグルト以外にチーズにも含まれています。

ですから、ヨーグルトが苦手な場合は、腸内環境を改善するために、チーズを食べることもいいでしょう。

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運動で腸内環境を整える

運動量が少ないと腸の働きが弱くなってきます。極端な例ですと、寝たきりになると便秘傾向になります。

これは、身体を動かさなくなったことで、腸の機能が低下してしまったことが原因です。

腸が本来持っている食べ物を運ぶ能力が下がり、腸の中に留まりやすくなった結果、便秘になってしまうのです。

このように、運動量が少なくなることは腸内環境の悪化に結びつきます。先述したように、悪化は内臓脂肪の蓄積につながるのでしたね。

ですから、身体に無理のない程度の運動を日々行なう習慣を付けることは、腸内環境を整える意味でも大切です。

また、一旦ついてしまった内臓脂肪は、運動して燃焼させると効果的に取り除けます。

とくに有酸素運動が効果的

内臓脂肪を減らすための運動には、有酸素運動が最適です。例えば、ウォーキングや水泳です。

そして、こうした運動は、腸の働きも良くする効果がありますので、一石二鳥です。

ウォーキングは、最低でも30〜60分は続けなければ効果がありません。しかも、ただ歩くのではなく、少しペースを早めて、テンポをそろえて歩くことが大切です。

早足をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。こうすることで、心拍を増やして脂肪を燃焼させます。

一方、水泳はウォーキングほど時間をかける必要がありません。水泳は、水の抵抗が大きいために、短時間でも効果が得られるのです。

ですから、ウォーキングをする時間のない人の場合は、水泳の方が短い時間で高い消費カロリーが得られるので、向いているかもしれません。

適度な運動をすることで、腸内環境を整え、かつ脂肪も燃焼させ、その相乗効果で内臓脂肪を減らしましょう。

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ストレスをためないようにしましょう。

ストレスと内臓脂肪には関連性がないように思われがちですが、ストレスが高まると、腸内環境が悪化してしまいます。

それは、ストレスが自律神経系に作用することで、腸の働きを低下させていしまうからです。

自律神経系には、交感神経系と副交感神経系があります。体を活発に活動させる働きを持つのが交感神経系、身体を休めるように作用させるのが副交感神経系です。

食後に眠くなりやすいのは、副交感神経系が優位に立っているからです。

人間の体は、食べ物を消化吸収するときは、そちらにエネルギーを向けるために、他の体の機能を休めるような仕組みになっています。

すなわち、消化吸収するときは副交感神経系が優位になっているのです。

しかし、ストレスは交感神経系を優位にするような作用を持っています。

ですから、ストレスを感じると、腸や胃などの消化吸収系の臓器には、逆効果をもたらしてしまい、腸の働きが悪くなり、ひいては腸内環境を悪化させます。

腸内環境が悪くなると内臓脂肪が増えてしまいますので、ストレスを解消する方法を身につけて、かつ、ストレスに負けない身体作りをして、内臓脂肪をためないようにしましょう。

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