糖尿病も腸内フローラを改善すると治るの?
肥満状態が続くことが大きな原因となる2型糖尿病、高血圧や心臓病などの生活習慣病を発症している人は、全身に軽い炎症を引き起こしていることがわかりました。
そしてその炎症は、腸内フローラと呼ばれる腸内細菌の集合体バランスが崩れることにより起こると推測されているようです。糖尿病と腸内フローラにはどのような関係性があるのでしょうか?
記事の目次
糖尿病は血糖値が高くなるだけじゃない怖〜い病気!
糖尿病とは、血糖値が高くなる病気のことです。
本来血糖値を下げる働きのあるインスリンが、すい臓から分泌されなかったり、量が足りないことが原因です。
糖尿病には、1型糖尿病と2型糖尿病の2つがあります。
ほとんどの場合は、運動不足や肥満といった、生活習慣の悪化が要因の2型糖尿病ですが、ごく稀に、生活習慣の悪化とは関係ない、遺伝やウイルスなどが要因の1型糖尿病を発症することがあります。
糖尿病は、自覚症状がほとんどなく、健康診断などで指摘されても放置しがちです。
しかし、血管の中は常に糖にさらされており、知らず知らずのうちに血管が傷つけられています。
失明や手足のしびれ、最終的には腎不全となり透析治療が必要になってしまうような、とても恐ろしい病気なんです!
腸内フローラの乱れは全身の病気に関わる……
腸内フローラの構成は、食事の内容によって変わります。
腸内フローラがバランスよく保たれていると、消化機能はもちろん、細菌から身体を守るためのバリアー機能がきちんと働きます。
逆に、バランスが崩れてしまうと、腸内細菌が腸から血管内へ漏れ出してしまいます。
そうすると、血中の炎症性タンパク質が増えてしまい、体内に炎症が起きてしまうのです。
また、外から来た病原菌をふん便と一緒に排出する機能も下がってしまうので、免疫力も低下します。
腸内フローラを整えることは、便秘や大腸がんの予防だけでなく、糖尿病などの生活習慣病や感染症といった、全身に関わる病気を予防することにつながります。
腸内フローラを正常化することで血糖値をコントロール!糖尿病対策に
糖尿病を発症すると、たとえ健康な人と同じ量のインスリンがあっても、同じようには効かなくなってしまいます。
これを「インスリン抵抗性」と言い、これが高いと血糖値が上がってしまいます。
インスリン抵抗性が高くなる原因は、主に運動不足や肥満など生活習慣の悪化ですが、他に腸内フローラの乱れによる体内の炎症も考えられます。
つまり、腸内フローラが乱れると、腸内細菌が血管にあふれてしまい、筋肉や肝臓、脂肪組織が炎症をおこすことでインスリン抵抗性が高まります。
その証拠として、2型糖尿病の人は本来腸にしか存在しないはずの腸内細菌が血管内で発見されることが多いようです。
血中の糖の7割は筋肉に利用されているため、筋肉が炎症を起こし正常に働かなければ、血糖値が大幅に上がってしまいます。
さらに糖尿病患者の腸には、「インスリン抵抗性を高める腸内フローラ」が存在することがわかっています。
腸内フローラを改善しない限り、血糖値のコントロールをすることは難しいのかもしれません。
まとめ:腸内フローラを整えて、糖尿病を治しましょう!
以上のことから、腸内フローラをバランスよく保つことが、糖尿病の改善につながることは間違いなさそうです。
そのためには、炭水化物など糖質を控えた食事を心がけてほしいですが、糖質を抑えて脂肪が多い食事に偏ってしまうと、結局腸内フローラのバランスが崩れてしまいます。
腸内フローラを悪化させる大きな原因は加齢と高脂肪食です。
腸内フローラを正常に保ち、血糖値を改善させるためには、糖質の量を控えつつ、脂肪の少ない肉や魚・野菜などをバランスよく食べることが大切のようです。
不規則な生活やストレスも腸内フローラを悪化させる原因となるため注意が必要です。
また、長年生活習慣とは関係ないとされてきた1型糖尿病にも、腸内フローラが関係している可能性があるという報告があります。
赤ちゃんの腸内フローラは、お母さんの腸内細菌から作られるので、その腸内細菌が悪玉ばかりだと、赤ちゃんの腸内フローラのバランスが乱れて免疫系の機能が悪くなる可能性があるのです。
これからお母さんになる方は、赤ちゃんのためにも良い腸内フローラを保つ必要があります。
腸内フローラは集まった腸内細菌が花畑のように見えるということからそう呼ばれるようになったようです。
花畑のように美しい腸内を保つことで、健康を維持したいですね。