過敏性腸症候群10年。薬との上手な付き合い方。(市販薬、治療薬)【体験談】
過敏性腸症候群を患ってしまい、自分ではもうどうにもできないので薬に頼りたいという方も多いのではないでしょうか。いまのところ、過敏性腸症候群に抜群に効く特効薬というものは開発されていません。
しかし、症状を一時的に止め、和らげてくれる薬は少なからず存在します。電車の中や会議中など、ここぞというときに症状を和らげてくれるだけでもかなり助かりますよね。
過敏性腸症候群と上手に付き合っていくということは、薬と上手に付き合っていくことと同義といっても過言ではありません。今回は、過敏性腸症候群に効果がある薬についてご紹介したいと思います。
- 体験者の情報
- 名前:伊藤涼(仮名))
年齢:21
性別:男性
病気歴:7年
職業:学生
過敏性腸症候群のタイプ:ガス型 下痢型
過敏性腸症候群に効く薬のタイプ
過敏性腸症候群を患っている方が服用する薬にはいくつかのタイプがあります
1.下痢やガスを一時的に止めるもの
ストッパ、正露丸、ガロール、エクトール赤玉などを代表とするいわゆる下痢止めです。
ストッパや正露丸など、CMで見たことがあるという方も多いでしょう。水なしで飲めるタイプは外出時に重宝されます。また、これから席を外せない用事があるのにおなかの調子が…というときに役立ちます。ただし、これらの薬は、いわば一時しのぎ用です。
こういった薬は服用したからといって問題が解決するわけではないのです。
腸をまひさせて腹痛を抑えているにすぎないので数時間後には再び下痢の症状が出ます。つまり、時間を計算しながらここぞという場面に使うのがポイントです。
カバンの中にこういった薬を常備しておけば、万が一症状がでてしまったときにも安心度がだいぶ違いますのでお守りとしてもっておくのがおすすめです。
2.腸内環境を整えて下痢やガスを予防するもの
ガスピタン、ビオフェルミンなどの薬は腸内の善玉菌を増やして下痢やガスが発生しにくい環境を作り、症状を軽減する効果があります。
1. のように一時的に症状を抑えるのではなくて、症状の根元から解決していこうというスタイルですね。
こういった薬を飲むことは、ヨーグルトや納豆を食べて善玉菌を増やし、腸内環境の正常化を図るという行為にも通じるものがありますが、気をつけるべきことがあります。
まず、服用するタイミングです。乳酸菌は腸をきれいにする作用があるため、便やガスを外へ出しやすくします。そのため、朝に服用してしまうと逆に下痢やガスがたまりやすくなってしまうのです。
なのでこういった薬は、前日の夜のタイミングで服用して朝に全て出し切るようにしましょう。
私が過敏性腸症候群になったばかりのころ、わらをもつかむ思いで朝に大量のガスピタンを服用したのですが、いつもよりも症状がひどくなってしまったのを覚えています。
また、副作用として腹痛や下痢などの症状がでることがあります。服用した薬が体質と合わない場合もあるので、自分に合ったものを探しつつ、頼りすぎないことも重要です。
3.精神を安定させるもの
ソラナックス、レキソタン、デパスなどを代表とする精神安定剤です。過敏性腸症候群は文字通り胃腸の病気ですが、その原因の主が精神的なもの、ストレスにあるという方は少なくありません。
こうした精神安定剤を服用にすることによって、おなかが痛くなるのではないかというような不安をやわらげるのも一つの手段です。
しかしこういった薬は依存性があるなどの副作用もつきまといますので、注意が必要です。精神科医と相談して適切な薬を処方してもらい、きちんと用量を守るようにしましょう。
まとめ
以上ご紹介したとおり、過敏性腸症候群に効く薬は三つのタイプがあります。薬の副作用を考えると、⑴の薬をお守りとして常備しておくだけというのが最も良いでしょう。
あまり薬に頼ってしまうと、薬を持ってくるのを忘れたときや飲み忘れたときの不安が大きくなってしまうのでかえってよくない結果になります。
また、過敏性腸症候群の症状は下痢、ガス、便秘とさまざまなものがあるため、同じようなタイプの薬でも人によって合う合わないがあります。
まずは食事に納豆やヨーグルトを多くとったりするなどして薬に頼らずに腸内環境を整えることが大切です。
その上でいろいろな薬を試してみて、自分に最もあったものを選び携帯するようにしましょう。
薬のタイプ | 代表例 | 効用 | 注意点 |
---|---|---|---|
下痢やガスを一時的に止めるもの | ・ストッパ(ライオン) ・正露丸(大幸薬品) ・ガロール(日水製薬) ・エクトール赤玉(第一三共) |
腸をまひさせ、一時的に腹痛や下痢をとめる。 | 短時間症状を抑えるだけなので、使うタイミングに気をつける必要がある。 |
腸内環境を整えて下痢やガスを予防するもの | ・ガスピタン(小林製薬) ・ビオフェルミン(ビオフェルミン製薬) |
善玉菌を増やすなど、腸内環境を整えて下痢やガスの発生を予防する。 | 朝飲むと逆に下痢やガスがたまりやすくなる。また、腹痛などの副作用もある。 |
精神を安定させるもの | ・ソラナックス(ファイザー) ・レキソタン(中外製薬) ・デパス(田辺三菱製薬) |
過敏性腸症候群の原因のひとつであるストレスをやわらげる。 | 依存症などの副作用がある。精神科医への相談が必要。 |
※精神薬の一般名:ソラナックス・・・アルプラゾラム、レキソタン・・・ブロマゼパム、デパス・・・エチゾラム
- 過敏性腸症候群(ガス型、下痢型)と生きていく21歳の話【体験談】
- 過敏性腸症候群10年。食事で気をつけていること【体験談】
- 過敏性腸症候群ガス型10年。おならが止まらないときに私はこうしました【体験談】
- 過敏性腸症候群10年。ひどい症状とそのときの対処法【体験談】
- 過敏性腸症候群10年。薬との上手な付き合い方。(市販薬、治療薬)【体験談】