下痢止めの効果や副作用・危険性を調べました
薬学的な正式名称では「止瀉薬」とも言う下痢止め。
確かにピンチな状況で下痢が止まるならありがたいけれど、身体が出そうとしている下痢を無理に止めたら何か良くない気がしますよね。
そこで、今回は下痢止めの効き目からデメリットまで色々なことを調べてみました。
普段から使っている下痢止めの裏では、色々と複雑な背景が絡んでいることが分かりましたよ。
これから下痢止めを使おうか悩んでいる、もしくは既に利用しているという方は是非この記事を参考にしていただきたいです。
下痢止めが効く仕組み
下痢止めが作用する仕組みは、主に以下の4つに分けられるようです。
- 腸を司る自律神経を安定させることで、腸の異常な運動を抑える
- 腸内の液の分泌を減らして水分を減らす
- 腸の粘膜に付着しその炎症面を防御し、炎症を抑える
- 腸内で下痢の原因になっている雑菌を殺菌する
ストッパなどの一般的な下痢止めは、これらの複数の機能を併せ持っていることが多いですね。
ロートエキスなどの成分が1つ目、タンニン酸などの成分が2,3つ目、ベルベリンなどの成分が4つ目の役割を担っています。
ラッパのマークでお馴染みの正露丸もほとんど同じ仕組みを持っています。
服用時の注意点
ウイルス・細菌性の下痢には相性が悪い
一口に下痢といっても、普段の食生活で起こるものから精神的なもの、食中毒まで色々なものがあるわけです。
一般的な下痢止めは、上記のように複数の効果を持っているため、幅広い下痢の原因に対応できるようにはなっているのですが、薬を使って無理に下痢を止めないほうが良い下痢もあります。
例えばノロウイルス、O-157などの細菌やウイルスが下痢を起こしている場合は、それらを素早く身体の外に出すことが回復への近道になります。
ウイルスや菌をずっと身体の中に留めていると、よけいに具合が悪くなってしまいます。
先ほど説明したような殺菌機能を持っている下痢止めでも、細菌やウイルスを完全に死滅できるとは限りません。
熱いモノ・辛いモノの刺激によって起こる下痢も、必要があってのものなので無理に止めるのは良くありません。
下痢止めの使用は、以下のように原因がはっきりと分かっている場合に留めるのが良いです。
下痢止めを使っても良い下痢の原因
- 飲み過ぎ
- 食べ過ぎ
- 冷え
- 一時的なストレス
- 睡眠不足
- 過敏性腸症候群
慢性的な使用は控えて、一時的に症状を落ち着かせる程度に考えておくのが良いです。
下痢止めの副作用その他
下痢止めにもそれぞれ様々な成分のものが含まれているので、一概に副作用を語るのは難しいのですが、代表的な成分として含まれていることの多い「ロートエキス」について紹介します。
まず、妊婦の方がロートエキスを摂取すると、母乳が出にくくなったり、それを飲んだ胎児の鼓動が早まってしまうといった報告があります。
高齢者の方は便秘薬が効きやすいので、排尿困難になってしまう場合もあります。
下痢止めを使うメリット
下痢は必要があって身体に起こる生理的な反応なので、上記のように無理に薬で抑えるのは良くない点もあります。
ただし、下痢がずっと止まらない場合は体力を消耗させ、脱水症状などに陥る可能性があります。
安易に薬に頼るのは良くないですが、先ほど紹介したような下痢止めを使っても良いような下痢には適切に薬を取り入れて、地道に改善を目指すのが良いと思います。
細菌やウイルスによる下痢が長引いてどうしても辛い場合も、医師に相談して症状を緩和させる薬を処方してもらいましょう。
薬に頼らない方法
「下痢になったら下痢止めを飲めば良いや」と薬に頼りきるのは良くありません。
自分の健康のことも考えて根本的に下痢を減らしていくことを考えましょう。
根本的に腸内の環境を整えていくには、善玉菌と悪玉菌のバランスを整える整腸剤や乳酸菌サプリメントなどがオススメです。
普段から食べるものも、消化の良いものを摂ることを心がけてみましょう。
急な下痢の症状を抑えるのには向いていないので、下痢止めと併用しながら徐々に身体の調子を根本的に整えていきましょう。