慢性的な下痢(泥状便)の原因や改善方法を調べてみた
今回は下痢(泥状便)が出てしまう原因や、その改善方法について説明していきます。
下痢は病気と違って自力で治せる症状ですから、この記事が下痢改善の参考になれば幸いです。
幅広い情報をまとめたので、自分に当てはまる原因を取捨選択してくださいね!
下痢ってどんな状態?~定義は水分80%以上
以下のページでも紹介したように、大便の硬さや形には「ブリストル・スケール」という、以下のような国際基準があります。
- コロコロ便
- 硬い便
- やや硬い便
- 普通便
- やや軟らかい便
- 泥状便
- 水様便
1990年にブリストル大学(イギリス)のDr. Ken Heatonが考案したもので、現在では大便の状態を判断するために病院などで多く利用されています。
便の種類を7つに分類しているのですが、下痢はこの中の泥状便に当たるものです。
具体的な定義は「形のない泥のような便」、一般的には水分量が80~90%の軟便が下痢と呼ばれています。
そして、それよりも多い90%以上の水分量を持つ便が水様便(水下痢)と呼ばれます。
普段、私達はこの水様便が下痢という認識を持ちがちですが、泥のような粘度を持つ便も下痢と言うのですね。
水分量をパーセンテージで表しても分かりづらいとは思いますが、写真を貼るわけにもいかないのでご了承お願いします。
下痢になる原因
下痢の原因も本当に様々なものがあるのですが、当記事では
- 食生活
- ストレス
- 病気のサイン
の3種類に分類して解説していきます。
食生活
食事そのものは慢性的な下痢よりも、一時的に下痢に関係していることが多いです。
ただ、一時的な下痢を引き起こす以下のような食生活を慢性的に続けていれば、同時に下痢も慢性的なものになります。
現在の食生活と一致しているものがないか確認してみてください。
交感神経を刺激する食べ物はNG
カフェインを多く含むコーヒーやアルコールなどの刺激の強いものを多く摂取すると、交感神経が刺激されて腸の排便運動(蠕動運動)が活発になります。
刺激という意味では、唐辛子などを含む辛い食べ物を避けたほうが良いです。
水分をよく取り込む食べ物
腸内で水分を多く取り込む食べ物を摂取すると、便に水分が多く含まれた泥状便を出しやすいです。
水分をよく吸収する代表的な食品としては不溶性食物繊維が挙げられますね。
食物繊維にも2つの種類があって、海藻などに多く含まれる水溶性の食物繊維は水分を吸収するとゲル状に変化する一方、豆や穀類に多く含まれる不溶性の食物繊維は水分を吸収して大きく膨らみます。
消化の悪い食べ物
脂分の多い食べ物は消化が悪いため、軟便が起こりやすくなります。
スナック菓子やジャンクフードなどの日常的な摂取はこういった点でも控えるべきでしょう。
また、日本人には牛乳に含まれる乳糖という成分を上手く消化できない「乳糖不耐症」の日本人が多いとされています。
牛乳栄養学術研究会では、普段下痢の症状を持たない日本人でも60gの乳糖を摂取すると55%の人が下痢になるといった研究結果を出しています。
冷たい食べ物
冷たい食べ物は内臓機能を低下させるため、腸内で消化不良を起こしやすくなります。
ストレスによる異常な腸の運動
何らかの理由で交感神経が刺激されると、腸が活発に運動を始めるため便が不完全なまま排出されて下痢となります。
先ほど上げたようなカフェインやアルコールなどの刺激物もそうですが、最も多いのは精神状態と関連の深い「過敏性腸症候群」ではないでしょうか。
過敏性腸症候群は、ストレスや極度の緊張によって腸が異常な運動を初めてしまうというものです。
身体に悪いところはどこにもないのに、精神的な問題で下痢が止まらなくなってしまいます。
病気のサイン
可能性は低いですが、病気が原因で下痢が続くという可能性も確かにあります。
どんな対処法を試しても原因が分からなかったり、下痢止めを飲んでも効果がない場合は病気を疑っても良いでしょう。
腸で何かしらの炎症が起こっていると、腸から血液などが浸出して便の水分が多くなります。
下痢を伴う可能性のある病気は大腸、胃、すい臓、肝臓、甲状腺の疾患から糖尿病など、様々なものがあります。
こういった病気の疑いがある方は、無理に自分で治そうとはせず病院で指示を仰ぎましょう。
対処方法
まずは水分補給
根本的な解決に繋がることではありませんが、下痢をしている方はまず定期的な水分補給を心がけましょう。
下痢では多くの水分を体内から出すので、脱水症状を起こす危険性があります。
ただ、ミネラル水などは純粋な水の吸収が阻害されるため、便に水分がまわるため逆効果です。
冷たいものを身体に入れるのもあまり良くないので、吸収の良いスポーツドリンクなどを常温以上の温度で飲むのが一番ですね。
一時的な改善には、整腸剤や下痢止め
先ほど紹介したような飲食物や冷えに関する一時的な下痢をした場合は、下整腸剤や下痢止めを使って一時的に症状を抑えるのもアリです。
おなかを温めて、食べ物がきちんと吸収されるのを待つことができます。
ただ、食あたりや病気による下痢の場合、薬を使って無理に便を体内に留まらせると、有害菌などを長い間体内にとどまらせてしまうことになります。
こういった場合は、下痢止めなどを使用せずに早く体内から有害なものを排出してしまったほうが良いです。
消化のよいものを食べる
何かの発表会や試験の前など特別に下痢をしたくない日は、脂や刺激物を控え、消化の良いものを食べるようにしましょう。
具体的には、おかゆやヨーグルト、白身魚など。
これらの食品は胃で素早く消化され、余分な脂分や不溶性植物繊維を含まないため消化が良いです。
さらに腸の吸収を良くするには、しっかりと咀嚼をして腸内の善玉菌(乳酸菌・ビフィズス菌)などを増やせると理想的です。
日頃からストレスをためない
過敏性大腸症候群の方は神経が敏感になっているので、日頃からストレスをためないよう心がけていきましょう。
「ストレスを生まない」というのは難しいかもしれませんが、「感じたストレスを和らげる」といったことはできると思います。
運動や趣味など、何か日常的に気晴らしになるものを持てると良いですね。
まとめ
下痢の原因には精神状態から腸内の環境、その日に食べた物まで、さまざまなものがあります。
そのため、私はこの記事で個々の原因や対策について紹介することはできるのですが、みなさんの状態をそれぞれ的確に指摘するのは難しいです。
みなさんの生活状況や身体状況を最も把握しているのは皆さん自身のはずですから、まずは自分と向き合って必要な情報を洗い出してみてください。