ビオフェルミンは腸内環境の改善に役に立つのか
ビオフェルミンとは?
「ビオフェルミン」はビオフェルミン製薬が製造・販売している製品です。
株式会社神戸衛生実験所として1917(大正6)年に設立されたのがビオフェルミン製薬の始まりです。創業当初から乳酸菌の効能・効果に着目し、ヒト由来の乳酸菌が持つ可能性を広げる製品を開発しています。
指定医薬部外品 | 第2類医薬品 | 第3類医薬品 |
---|---|---|
新ビオフェルミンS錠 新ビオフェルミンS細粒 |
ビオフェルミン下痢止め ビオフェルミン止瀉薬 ビオフェルミン便秘薬 |
ビビオフェルミンVC ビオフェルミン健胃消化薬錠 |
ビオフェルミンは全部で7種類あります。どれも乳酸菌を含む製品ですが、求める効果によって採用している乳酸菌の種類が異なります。 たとえば「新ビオフェルミンS錠」と「ビオフェルミン便秘薬」の成分をみてみましょう。
新ビオフェルミンS錠 | ビオフェルミン便秘薬 |
---|---|
コンク・ビフィズス菌末 コンク・フェーカリス菌末 コンク・アシドフィルス菌末 |
ピコスルファートナトリウム水和物 ビフィズス菌 ラクトミン |
一番代表的なのは「新ビオフェルミンS」
ここからは、ビオフェルミンの中で代表的な製品である「新ビオフェルミンS」について取り上げます。
乳幼児から高齢者まで、すべての人のお腹に
「新ビオフェルミンS」の製品ホームページでは、
- 日頃からの整腸を心がけるすべての方に
- 便通が気になる高齢者に
- 発育のめざましい乳幼児期の整腸に
- 生活習慣が不規則な働き盛りの方に
おすすめしますと記載されています。
効能として、整腸(便通を整える)、軟便、便秘、腹部膨満感があげられています。
3種類の生きた乳酸菌が手軽にとれる
「新ビオフェルミンS」には
- ビフィズス菌(G9-1)
- フェーカリス菌(129 BIO 3B)
- アシドフィルス菌(KS-13)
の3種類の乳酸菌が入っています。いずれも加熱処理されていない生菌です。
15歳以上の場合、1日あたり「新ビオフェルミンS錠」では9錠、「新ビオフェルミンS細粒」では3g服用するように指示されています。どちらも1日あたりコンク・ビフィズス菌末が18mg、コンク・フェーカリス菌末が18mg、コンク・アシドフィルス菌末が18mg摂取できることになります。
どんなメリットがあるの?
ヒト由来の乳酸菌
「新ビオフェルミンS」に含まれる3種類の乳酸菌は、どれもヒト由来のものです。
健康なヒトの腸内に住む乳酸菌、腸内細菌を研究して製品化したものばかりですので、腸まで生きて届くだけでなく、小腸から大腸まで広い範囲に定着して菌数を増やすことができるのです。
腸内細菌バランスを整え便秘の改善が期待できます。
特にビフィズス菌は大腸に、フェーカリス菌とアシドフィルス菌は小腸に定着しやすいという特性があります。
永きにわたって愛用されている製品
近年、乳酸菌への関心が高まり、さまざまな製品に乳酸菌が使用されるようになりましたが、ビオフェルミン製薬は1917年の創業当初から1世紀にわたって、乳酸菌を使った整腸剤ビオフェルミンを作り続けています。
乳酸菌研究の歴史では他の追随を許しません。
「新ビオフェルミンS」は甘くて飲みやすいので、小さい子どもから高齢者まで幅広く愛用されている製品です。
やせる効果!?
ダイエットをしなくても、「新ビオフェルミンS」を飲んでいれば痩せるという噂は本当でしょうか?
結論から言えば、はっきりとしたことはわかりません。もちろんパッケージに「やせる効果があります」とは書かれていませんし、もし「新ビオフェルミンS」を飲み続けてやせなかったとしても、誰にも文句を言えません。
ただ整腸作用により便秘が改善し、結果的に“無理なダイエットをしなくても少しずつやせる”ということはあるのかもしれません。 以下はダイエットを考える人にぜひ読んでほしい記事です。
花粉症、アトピー、肌荒れ…あれもこれも治せる!?
では、花粉症やアトピー、肌荒れが治るという噂はどうなのでしょう?「新ビオフェルミンS」を飲むと、免疫力が上がる、体質改善が図れるなんて話も耳にしますが。
確かに、乳酸菌を摂取すると自然治癒力が上がる、花粉症やアトピーに効くという話があります。多くの研究機関からそのように報告されているので、ほぼ事実といえるでしょう。
ただ、薬事法の都合上、パッケージに“自然治癒力が上がる”“アトピーに効く”とは書くことができません。それらの効果を期待して飲み続けるのであれば、自己責任でということになるでしょう。
デメリットはあるの?
即効性は期待できない
「新ビオフェルミンS」を飲んですぐに整腸効果を感じる人もいますが、腸内環境によっては効果が現れるまでに3日~1週間程度の時間がかかることがあります。
常に便秘気味とか下痢気味という人は、毎日服用することでこれらの症状が改善するでしょう。
ですが、症状が改善するまでの期間は人によりかなりの差があり、1日で効果があったという人もいれば、効果が感じられるまで1か月くらいかかったという人もいます。
便秘や下痢にすぐ効くことを期待して服用する製品ではないことを念頭に置く必要があるでしょう。
副作用は?
基本的に副作用はありません。普通の薬と違い、もともとヒトの腸にいる菌でできているからです。
しかし、乳酸菌との相性は人それぞれで、服用後に下痢をする人もいるようです。
一般的に乳酸菌飲料を飲んで下痢をする人とは相性がよくないのかもしれません。また、服用量が多すぎると腸が活性化されすぎてしまい、まれに腹痛を起こすこともあるそうです。
「使用上の注意」をよく読んで、用法・用量を守って服用しましょう。
用法・用量
毎食後、水と一緒に服用します。
年齢 | 毎食後の服用量 | |
---|---|---|
錠 | 細粒 | |
15歳以上 | 3錠 | 添付のさじ3杯 |
5~14歳 | 2錠 | 添付のさじ2杯 |
3か月~4歳 | 服用しないこと | 添付のさじ1杯 |
3か月未満 | 服用しないこと | 服用しないこと |
価格
「新ビオフェルミンS」は、薬局やドラッグストア、オンラインショップなどで購入できます。「新ビオフェルミンS錠」には45錠入り(分包)、130錠入り、350錠入り、540錠入りがあります。
「新ビオフェルミンS細粒」には計量さじが添付され45g入りで販売されています。
2015年12月現在、オンラインショップでは「新ビオフェルミンS錠」540錠入りが2,200円前後で販売されています。15歳以上では1日9錠飲むことが指示されていますので、1びんで60日分となります。1日あたりの価格は約37円です。
まとめ:根本解決したいなら、生活習慣の改善を
新ビオフェルミンS錠について説明してきましたが、新ビオフェルミンS錠はあくまで整腸剤であり、腸内環境を整える薬です。薬なのです。
残念なことに、乳酸菌は2、3日したら体内から消えてしまいます。そのため、毎日継続的に摂取する必要があるのです。
もしあなたが、腸内環境の改善を新ビオフェルミンS錠だけに頼り、生活習慣の改善を行わないのでしたら、一生薬漬けになるということです。 それが嫌な方は生活習慣の改善も同時にオススメします。
以下の2つ記事をご覧ください。
1つでもけっこうですので、自分がやれる範囲で腸内環境を整える努力をしてください。