腸にやさしい食べる順番【糖尿病患者必見】

腹の中に入ってしまえばみな同じ。という言葉がありました。

しかし近年、食べる順番も大切だという認識に変わってきました。それはなぜか?食べる順番って本当に大切なんですか?そして、食べる順番にプラスして大切なこともあります。

そういうことをお話ししていきたいと思います。

食べたものはまず、胃の中に入ります

食べたものはまず、歯でかみ砕かれて飲み込まれて、胃の中へと送られます。

人間の解剖図では、胃は入り口(噴門といいます)と出口(幽門といいます)があるベイナスみたいなイメージだと思いますが、生きている人間の胃は、ダイナミックに動いています。ここで消化酵素とよくかき混ぜられます。

胃から、胃酸という塩酸主体の酸が出され、ペプシンという消化酵素も出されます。ペプシンは胃酸と出会って、ペーハーが低くなると働き出す仕組みです。

また、唾液は多少のアルカリ性なのですが、食べ物を食べた後に少しずつ唾液も飲み込んでいます。そして、胃酸が中和されて胃の中が中性付近になったら、胃袋と十二指腸の間にある幽門という門が開いて、食べたものが腸に送られます。

だから、胃の中で混合されるので、食べてしまえばみな同じ、と思われていたようです。

フランス料理を考えてみましょう

フランス料理では、最初にサラダが出てきます。サラダは野菜をメーンとした料理で、たんぱく質や炭水化物よりも、食物繊維が多い料理です。

まず、食物繊維を食べましょう。

野菜だけではなくキノコ類や海藻類にも、食物繊維は多く入っています。食物繊維が多いと、腸の中で炭水化物などがそれに絡まって、ブドウ糖に分解されるのに時間がかかり、その分食後の高血糖が抑えられる。

こういうイメージで考えてもらえば、大きな間違いはありません。また、食物繊維はインクレチンというホルモンの分泌を促します。

これは食欲を抑える働きがありますから、いつもの食事よりも量も減り、ゆっくりとよくかんで食べるようになります。

主食は最後にしましょう
次に肉や魚を食べると、たんぱく質が体の中に入ってきます。たんぱく質は腸で吸収された後にまず肝臓へ行き、そこで必要に応じてブドウ糖に作り替えられます。

ですので、炭水化物を全く摂取しなくても血糖値が上がっていきます。とはいえ肝臓で作り狩られるわけですから、血糖値の上がりやすさは炭水化物よりも遅いです。

血糖値の緩やかな上昇を膵臓(すいぞう)が検知すると、膵臓(すいぞう)からインシュリンというホルモンが分泌されて血糖を下げる準備ができます。

そして、主食を食べると炭水化物が直接ブドウ糖に分解しますが、食物繊維に絡まるイメージと、既にインシュリンが出ていて準備万端整っているイメージ、二つの効果で、食後の血糖値が上がりにくくなります。

このことは、実験でも確かめられています。

そしてやっぱり、よくかんでゆっくり食べることも大事

食事をすれば、少し血糖値が上がります。それを膵臓(すいぞう)が検知してインシュリンを出します。

そのインシュリンによって血糖値が上がりにくくなっているところに、よくかんだ食べ物がゆっくりと入ってくると、腸も無理をせずに消化吸収ができるし、血糖値の上がり方も急激には上がらずに済みます。

食べ物をよくかんで、大きな塊を小さな粒にすると、同じ量を食べても消化吸収が早く進行します。ですので、内臓も無駄に消化酵素を分泌しなくても済みます。

食物繊維に炭水化物が絡まるイメージをもう一度思い出してください。食物繊維も、歯でかみ砕かれて小さな粒になっていた方が、炭水化物も絡みつきやすくなる。

こういうイメージでも大きな間違いはありません。また、炭水化物の方も、米粒の形があるよりはノリ状になっていた方が食物繊維に絡みつきやすくなっている。このイメージでも大きな間違いではありません。

急いで食べたら、血糖値が上がって満腹を感じる前に、おなかの中に大量の食べ物を入れてしまうことにもなりかねませんので、気づいた時には食べ過ぎていたことにもつながります。

つまり、よくかまないで食べた食事は、消化吸収が遅い上に食べ過ぎてしまっていたということもありえるので、例えば腸の中の悪玉菌の餌になってしまい、腸内で腐敗して変な臭いのおならになるかもしれません。

あるいは、増えすぎた悪玉菌が作り出す物質で腸の細胞が傷んでガンになるかもしれません。

必ずしもそういうことが起きるわけではないですが、腸に負担をかけることになるのは間違いありません。

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さいごに

食べる順番を考えて食べよう、ということも、それだけではあまり意味がありません。おなかの中でどのように消化吸収されていって、その過程で他の臓器とどのように響きあうのか。

それを少々不正確かもしれませんが、響きあうというイメージを持っておくことが大事だと思います。

私が書いたことは、医学的に言うと多少不正確なイメージだったかもしれませんが、こういうイメージでとらえておくと、食べる順番を丸暗記するよりは、はるかに力になってくれると思います。

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