腸内フローラは便通を改善するカギ
みなさんはどうして便通に個人差があるかご存知ですか?
便通が悪くなる原因の1つに腸内フローラの乱れがあります。
腸内フローラとは、腸内細菌が集まってできた生態系のことで、腸内フローラの状態には個人差があります。
この腸内フローラの個人差が、便通に個人差がある要因のひとつです。
今回は、腸内フローラと便通の関係について、腸内フローラを改善し便通を良くする方法と合わせてご紹介します。
記事の目次
便通が悪化する原因
便通が悪化する原因は、腸の便を押し出す力が弱まることです。
腸は、輪状筋と縦走筋という2つの筋肉を収縮させて便を押し出しています。
これを腸のぜん動運動と言い、この運動は自律神経という神経によって操作されています。
自律神経には、交感神経と、副交感神経の2種類があります。
交感神経は緊張しているときに、副交感神経はリラックスしているときに活発になります。
腸のぜん動運動は、副交感神経が活発になっているときに、活性化します。
このぜん動運動に大きな影響を及ぼしているのが腸内フローラです。
腸内フローラと便通の関係
冒頭で少しご紹介しましたが、腸内フローラとは腸内細菌が集まって作る生態系のことです。
腸内フローラを構成する腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3タイプに分けられます。
簡単に説明すると、善玉菌は私たちの健康に有益性を発揮し、悪玉菌は有害性を発揮します。
日和見菌は、ちょうど中間の性質を持っていて、善玉菌と悪玉菌うち勢力の強いどちらか一方の菌に味方します。
腸内細菌のうち善玉菌は、糖を乳酸や酢酸に分解し、それが腸を刺激してぜん動運動を活発にするという作用を持っています。
つまり、腸内フローラの状態を整えて善玉菌の作用を活発にすれば、腸のぜん動運動が活性化し、便通の改善が期待できるのです。
腸内細菌のバランスが大切
善玉菌が活発になるためには、腸内フローラを形成する腸内細菌のバランスが重要です。
この腸内細菌のバランスは、腸内環境と呼ばれることもあります。
腸内細菌の理想的なバランスは、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7と言われています。
善玉菌でぜん動運動を活発に
重要なポイントは、善玉菌が悪玉菌の勢力を上回っていることです。
この場合には、日和見菌は善玉菌の味方になり、有害性を発揮する確率は低くなります。
腸内フローラで善玉菌が優勢であれば、善玉菌が糖を乳酸や酢酸に分解して腸を刺激します。
すると腸のぜん動運動が活発になり、便通が改善されます。
一方で、悪玉菌が優勢になった場合には、便通が悪化する可能性があります。
悪玉菌の作用で便通が悪化する
腸内フローラで悪玉菌の勢力が優勢になると、善玉菌の活動は鈍くなります。
すると腸のぜん動運動も弱くなり、便通が悪化します。
便通が悪化すると、腸内に便がたまり悪玉菌が増殖しやすい環境ができます。
このように負のスパイラルが形成され、やがて便秘になってしまうのです。
便通が悪化し腸内に便が溜まると、悪玉菌が有害物質を生産し、健康に様々な悪影響が出ます。
便通悪化による悪影響
便通が悪化し便が腸内に溜まることで、健康に様々な悪影響が出ます。
これは、悪玉菌が有害物質を生産し、それが血液に溶け込み全身を巡ることで起こります。
具体的には、以下のような悪影響が考えられます。
便通悪化による悪影響
- 肌荒れ
- 太りやすくなる
- 体臭の悪化
- 免疫力の低下
- アレルギー症状の悪化
こうした悪影響を防ぐためにも、腸内フローラを良い状態にしておくことが重要です。
では、どのような原因で腸内フローラが乱れてしまうのでしょうか?
腸内フローラが乱れる原因
腸内フローラが乱れる最も大きな原因は、食生活の乱れです。
具体的には、タンパク質の摂り過ぎが、腸内フローラの乱れに繋がります。
タンパク質を摂りすぎると、悪玉菌がタンパク質を分解し有害物質を生産します。
すると、腸内の腐敗が進み、悪玉菌が増殖しやすい環境になってしまい腸内フローラが乱れるのです。
腸内フローラが乱れれる原因には、食生活以外に、睡眠、運動不足、ストレスなどがあります。
続いて、乱れてしまった腸内フローラを、元の状態に戻すには、どうしたら良いのかについてご紹介します。
腸内フローラの改善方法
腸内フローラを最も効果的に改善する方法は、食生活を見直すことです。
タンパク質のとり過ぎに注意し、善玉菌の活動を助ける食べ物を摂ればよいのです。
善玉菌の活動を助ける食べ物とは、オリゴ糖や食物繊維が含まれた食べ物です。
こうした成分は、ヨーグルトや納豆などの発酵食品に多く含まれています。
食生活を工夫することが難しいという方は、サプリメントを使用しても良いでしょう。
腸内フローラを改善する方法については、以下の記事で詳しく紹介していますので参考にしてください。
重度の便秘だと腸内フローラが改善できない
ここまで便通を良くするためには、腸内フローラの改善が重要であるとお伝えしたのですが、重度の便秘になっている場合は、腸内フローラの改善そのものができない可能性があります。
タレントの松本明子さんの著書で、順天堂大学医学部の小林弘幸教授が監修した「腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善されて40年来の便秘にサヨナラできました!」では、重度の便秘によって、腸内に大量の便が詰まっていると、いくら腸内フローラを改善を目指したところで効果が得られないと紹介されています。
このような状況に陥っている方は、医療機関を受診して、投薬などの治療によって便秘・便通の改善を目指されたほうが良いでしょう。
まとめ
今回は、腸内フローラの乱れが原因となっている便通の悪化についてご紹介しました。
腸内フローラが乱れると、腸のぜん動運動が弱まり、便通が悪くなります。
便通が悪くなると、腸内に便がたまり、悪玉菌が増殖します。
悪玉菌が増殖すると、有害物質が生産され、健康に様々な悪影響が出ます。
便通改善を目指して、腸内フローラを良い状態に保つために、普段の食生活や、生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。