便が臭い原因と予防,改善方法
みなさんは、自分の便臭が気になった経験はありませんか?
また、人によっては体から便臭を感じて悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。
もし、便臭がキツくて悩んでいる方がいらっしゃったら、それは腸内環境が乱れている証拠です。
今回は、便臭の原因とその改善方法についてご紹介します。
記事の目次
便臭とは?
まず、便臭という言葉を聞き慣れていない方のために、便臭とは何なのか解説します。
便臭とは、読んで字のごとく便から発生する臭いのことです。
便には様々なニオイ成分が含まれていて、その臭いは人によって異なります。
そして、そのニオイ成分は、腸内で作り出されており、実は、便臭は腸内環境の状態に左右されます。
そのため、便臭は発酵臭や刺激臭がする人もいれば、ほぼ無臭に感じられる人もいます。
次に、異常な便臭の悪臭成分がどのような原因で作られるかについてご紹介します。
悪玉菌とタンパク質が原因
まず、便臭をキツくするのは、肉類などのタンパク質が分解されるときにできるニオイ成分です。
肉類などのタンパク質が分解されると悪臭成分が作られます。
便臭の主な臭い成分は以下のものです。
ニオイ成分 | 特徴 |
硫化水素 | 硫黄の臭がします。タマゴが腐ったような臭いです。 |
インドール | 便臭の主要なニオイ成分の一つですが、実は薄めるとオレンジやジャスミンの香りに含まれるニオイ成分とおなじで、香水などにも使われます。 |
スカトール | ギリシャ語で大便の意味です。インドールと同じで、薄めるとジャスミンお香りがします。 |
アミン類 (アンモニアなど) |
生物が腐ったような臭がします。 |
そして、腸内でタンパク質をニオイ成分に分解しているのは悪玉菌のなのです。
ですので、腸内環境が乱れて悪玉菌が増殖している状態だと便臭がいっそうキツくなります。
便の臭いは腸内環境を表す
通常の腸内では、腸内細菌のバランスが善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7の状態です。
しかし、何らかの原因でこのバランスが崩れ、悪玉菌の勢力が善玉菌を上回ることがあります。
そうなった場合、悪玉菌はどんどん増殖して、腸内での勢力を伸ばします。
この状態ですと、悪玉菌によるタンパク質の分解も進みますので、便臭がキツくなります。
ちなみに、生まれたばかりの赤ちゃんの腸内は善玉菌が豊富なので、便がほぼ無臭なんだそうです。
このように、便臭は腸内環境の健康状態を表しています。
自分の便と便臭を観察すれば、健康状態も見えてきます。
健康状態を把握する
みなさんは、毎日の排便時に、自分の便や便臭を観察していますか?
さきほどご紹介した通り、便や便臭は、腸内環境や健康状態を表してくれます。
便の臭いは、大まかに分けると以下の3パターンです。
臭いはあるが、気にならない
臭いがあっても、特段臭いわけではない場合、腸内環境は理想の状態です。
善玉菌が優勢で、悪玉菌の増殖が抑えられていると言えるでしょう。
悪玉菌が増殖しなければ、臭いの原因物質が発生が抑えられます。
結果的に臭いががあっても、気にならない程度なのです。
ややキツく、長時間嗅げない
腸内環境がやや乱れています。この場合には、便の状態で以下の3つに分けられます。
ヒョロ長:食事不足や、排便力不足の可能性アリです。老人や女性に多いです。
コロコロ:腸内環境が乱れて便秘状態です。食物繊維を取るなどして、便のかさ増しや、腸のぜん動運動を活発にして下さい。
下痢コロ:下痢状とコロコロの便が、同時または交互に出る場合は、過敏性腸症候群やストレスによる便秘の可能性があります。
ツンと来る臭い
腸内環境がとても乱れており、酸性腐敗便の可能性があります。
酸性腐敗便とは、何らかの原因で腸内で消化が上手く行われず、腸内でアミンなどの有害物質が発生した場合、それを排出しようとして出る下痢状の便です。
これは、腸内環境が悪化していることを示しており、一刻も早い改善が必要な状態です。
また、胃腸炎などの病気の可能性もあります。
異常な便臭は病気のサインかも知れない
以上に臭う便が出た場合は、医療機関を受診することも検討しましょう。
酸性腐敗便は、放置しておくと心筋梗塞や脳梗塞など重大な病気のリスクが高まるとも言われています。
ですので普段から、自分の便や便臭を観察することは非常に大事です。
もし、異常な便臭を感じた場合には、腸内環境を改善するようにしてください。
腸内環境の乱れによる異常な便臭を放置していると、様々な悪影響が出ます。
なぜ体臭・口臭が便の臭いがする?
腸内環境の乱れを放置していると、便臭はどんどんキツくなっていきます。
腸内で発生した悪臭物質は、血液に溶け込んで全身に回ります。
すると、皮膚からも悪臭物質が排出されるようになり、体臭が便臭になってしまいます。
便臭の原因である、悪臭物質には発がん作用があることも分かっています。
さらに、便秘などで腸内に便が溜まっていると、口臭が便臭になる場合もあるようです。
ですので、今便臭に悩んでいる方は、腸内環境を整えて、一刻も早く異常な便臭を改善しましょう。
においを予防・改善する方法
異常な便臭を予防・改善する方法は大きく分けて2つあります。
1つは、悪玉菌が生成する便臭の原因物質を抑制するために、腸内環境を改善することです。
これは、便臭を断ち切る根本的な解決法になります。
もう1つは、対処療法的に、消臭効果のある成分を摂ることです。
腸内環境を改善するためには、一定の時間が必要になります。
その間だけ、一時的に便臭を抑える方法として活用することができるでしょう。
ここからは、2つの方法についてそれぞれ詳しくご紹介します。
においを抑える方法
便臭を消すために腸内環境を整えるためには、悪玉菌の増殖を抑える必要があります。
悪玉菌の増殖を抑えるためには、善玉菌の量を増やすことや、タンパク質の摂取を控えるなどの方法があります。
悪玉菌の増殖を抑えて、有害物質の発生を抑制するためにタンパク質の摂り過ぎに気をつける必要があるでしょう。
善玉菌を増やす食生活を心がける
腸内環境を整えて悪玉菌の増殖を抑えられれば便臭の予防・改善が期待できます。
腸内環境を整えるためには、食と生活習慣を見直すことが重要です。
食事は、発酵食品など善玉菌を含んだものや、食物繊維、オリゴ糖を含んだものを食べるようにしましょう。
また、生活リズムを整えたり、適度な運動や睡眠を心がけることも重要です。
腸内環境を整える方法は以下の記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。
サプリメントを利用する
善玉菌を効率よく、手軽に摂取する方法として、サプリメントを摂ることもオススメです。
普段忙しい方は、なかなか食生活を見直す余裕がない場合もあるでしょう。
そうした方は、サプリメントの力を借りることも検討して良いと思います。
食生活が改善できずに諦めるよりも、サプリメントを定期的に摂取して、腸内環境を改善するほうが良いからです。
善玉菌を増やし腸内環境を整えるサプリメントについては、本サイトで多く紹介していますので、ご覧になってください。
本サイト一押しのサプリメントについては、以下の記事を参考にしてください。
肉類の摂取を控える
便臭のニオイ成分は、肉類などのタンパク質が分解されて発生します。
ですので、肉類の過剰な摂取を控えることでも便臭の予防・改善が期待できます。
ただ、肉類から摂取するタンパク質は、人間が生きていく上で欠かせない栄養素です。
食べ過ぎはもちろん良くないですが、食べなさすぎも良くないのです。
この点は、タンパク質の摂取方法を見直すことである程度対処できます。
例えば、タンパク質には動物性と植物性の2種類があります。
大豆でできた食品から、植物性タンパク質を摂るのも1つの方法です。
消臭効果のある成分を摂る
便臭の根本的な解決にはなりませんが、悪臭物質の臭いを緩和してくれる消臭成分があります。
腸内環境を改善している間、一時的に便臭を抑える方法として活用するのも良いかもしれません。
便臭を消す成分を含んだ食べ物には、以下のようなものがあります。
コーヒーや緑茶
便臭の原因となる、悪臭物質の臭いを緩和してくれる消臭成分を含んだ食べ物があります。
コーヒーや緑茶に含まれるポリフェノールやフラボノイドにはアミン類の匂いを抑える作用があります。
コーヒーや緑茶であれば、普段の生活の中で比較的簡単に飲むことが出来るでしょう。
ただし、コーヒー、緑茶に含まれるポリフェノールは、歯が黄ばむステインの原因になりますので、飲み過ぎには注意してください。
ニンジン
また、ニンジンに含まれているテルペン類にも、消臭効果があるとされています。
しかし、これらの便臭を消す食べ物と言われているものに本当に効果があるのか科学的なデータはありません。
さらに、便臭の根本的な原因である腸内環境の改善には繋がりません。
最も大切なことは、便臭の根本的な原因である、腸内環境の改善であることを忘れないでください。
めかぶ
めかぶなどの海藻類が持つフコダインは、腸内のニオイ成分を取り除く効果があると言われています。
また、こうした海藻類の多くには、水溶性食物繊維が含まれています。
水溶性食物繊維は、善玉菌のエサにもなります。
善玉菌を増やしたり、活性化したりすることにつながりますので、便臭の根本的な解決にもつながります。
まとめ:腸内環境が大切
異常な便臭の原因は、腸内環境の乱れている証拠です。
腸内で増殖した悪玉菌は、タンパク質を分解して悪臭物質をつくります。
そうした悪臭物質には発がん作用があることも分かっています。
また、悪臭物質が血液に溶け込むと、体から便臭が出る原因にもなります。
腸内環境を整えて、悪玉菌の増殖を抑えながら、肉類の食べ過ぎを控え異常な便臭を予防・改善しましょう。