おならがくさいと口臭に出る?
口が臭いことで悩んでいませんか?
友人や家族、恋人から口が臭いと注意されたことはありませんか?
その口臭の原因はもしかしたらおならかもしれませんよ。
腸内にたまったガスの排出先は主に二つです。一つは肛門から出ます。私たちがおならと呼ぶものです。もう一つはなんと呼気です。普段何気なく会話しているその瞬間にも、腸内ガスは口から漏れているのです。
くさいおならはこうして口から出る
口からおならが出るとはどういうことでしょうか?
人は食べ物を分解すると、残りかすとして便を出すのですが、この分解過程で同時に腸内ガスが発生します。通常、この腸内ガスは大腸を 通って、肛門から外に出ます。外に出てきたものを一般的におならと呼びます。
しかし、外に出ないガスもあります。この残りの腸内ガスはどうなるのでしょうか?
このガスはなんと血液内 に入り、肺まで運ばれて呼気として外に出るのです。このようにして、おならは口から出ていきます。
つまり、おならが臭い人は口臭におならのにおいが含まれている場合があるのです。臭いおならが原因だった場合、いく ら歯をしっかり磨いても口臭は改善されません。根本から改善したい人は臭いおならを解消した方がいいでしょう。
では、そもそもおならが臭くなる原因はなんなのでしょうか?
おならが臭くなるのはこの五つが原因!
①食べもの
おならが臭くなる原因の一つには食べ物があります。何を食べれば臭くなるのかというと、肉やニンニクなどの硫黄分を多く含むものです。
腸が分解する食べ物のカスには、動物性たんぱく質に由来するものと、植物性たんぱく質に由来するものの2種類あります。
このうち動物性たんぱく質に由来するものは、胃で消化されずに大 腸まで運ばれて分解されます。この分解過程でスカトール、インドール、などのガスがたくさん発生します。
このガスがくさいにおいの原因なのです。その他にも、例えばネギ類やニラなど の硫黄分の多いものを食べると臭くなることがあるようです。
これらの食材をとりすぎの傾向のあり、かつおならが臭い人は、食生活を見直す必要があるかもしれません。
②便秘
便秘もおならをくさくします。便秘をすると、腸に長い時間便がとどまっている状態が続きます。
その間に悪玉菌が便を発酵させ、キツイにおいの元となるガスを発生させるのです。生ごみを放置しておくと菌が発生して嫌な臭いがしだすのとよく似ています。
便秘を解消させるには腸内環境を整える必要があります。
③ストレス
実はストレスもおならをくさくする原因の一つです。
交感神経と副交感神経のうち、副交感神経が優位になると胃腸の働きが促されるのですが、何らかのストレスがかかると、副交感神経の働きが阻害され、胃腸の働きが悪くなります。
胃腸がうまく機能しないと、腸内にガスをため込んでしまい、そのガスが発酵し臭いおならがでてしまうのです。さらに、おならを我慢し、ため込むことでさらにストレスがたまるという悪循環も起こりえます。
また、ストレスは後述する呑気症(どんきしょう)、過敏性腸症候群にもつながるので注意が必要です。
④病気
上の四つが当てはまらない人は以下の病気を疑ってみたほうがいいかもしれません。
呑気症
呑気症または空気嚥下症(くうきえんげしょう)とは、たくさん空気を吸い込むことでゲップやおならが大量にでる、おなかが張るなどの症状がでる疾患のことです。
ストレスが原因で起こると言われていますが、明確な発症理由はまだわかっていないようです。
大腸がん
大腸がんにかかっていると、初期段階では自覚症状がほとんどありません。進行していくうちに、症状が出始めます。
弱い音のおなら、便が細い、血便、下痢や便秘の繰り返しなどの症状が見られた場合、もしかしたらそれらは大腸がんが原因かもしれません。
大腸に発生したがんが壊死(えし)すると悪臭を発生させ、それがおならに加わってひどいにおいがするそうです。
慢性胃炎
慢性胃炎とは、胃粘膜の炎症が繰り返しおこる病気のことです。おならが増える、胃痛や吐き気などの症状が慢性的にみられます。
過敏性腸症候群
大腸のぜん動運動の異常、便秘や下痢、ガスがたくさん出るなどの症状がみられたら、過敏性腸症候群を疑ってみてください。
その他にも、尿路結石、肝臓や胆のう、膵臓(すいぞう)の病気が臭いおならや頻繁なおならを引き起こすことがあるそうです。
おならが臭く、回数も異様に多いとしたら、上に挙げた病気の可能性があります。少しでも心配な方はお近くの病院で診察してもらってください。
くさいおならはこの三つを試したら解消できる!
1. 食事に気をつかう
食を改善することがおならのにおいを解消する上で一番大事だといっても過言ではないかもしれません。
まず、悪玉菌を減らすために善玉菌を増やしましょう。善玉菌である乳酸菌が多く含まれる食材をとることを心がけてみてください。
乳酸菌が多く含まれる主な食材は、ヨーグルトなどの乳製品、みそなどの発酵食品や漬物があります。こうした食材を日常的にとるのがちょっと面倒くさいという人は、サプリで補うという手もあります。
どちらの方法をとるにしろ、善玉菌を増やして腸内バランスを整えましょう。
次に食物繊維が豊富な野菜をとりましょう。食物繊維は消化できてない食べ物のカスなどを絡めとって便と一緒に体の外に出す働きがあります。野菜を採ることはおならのにおい改善に欠かせません。
また、上の方法に加えて、硫黄分を含む肉やニンニク、ネギやニラなどを控え、食べるときはなるべくよくかんでから飲み込むという習慣をつくるとさらに効果的です。
2. ストレスを解消する
ストレスを解消する上で一番大切なのは、基本的なことですが生活のリズムを整えることです。毎朝だいたい同じ時間に起きて、夜は早めに寝る。睡眠時間は少なくとも6時間はとる。
これらのことは言われなくてもわかるかもしれないですが、非常に重要なのです。生活のリズムが乱れていて他のストレス解消法を試してみても、一時的には効果があるかもしれませんが、根本的な解決にはつながらないでしょう。
次にストレス解消につながるのは、日々の生活に適度な運動を入れてみることです。運動は腸の働きを促し、腸内ガスの排出につながります。
自分が好きな運動であれば何でもいいと思いますが、おすすめなのはヨガです。ヨガには、副交感神経を優位にして腸の働きを活発にする効果が期待できるからです。
ガス抜きのポーズなど手軽なものから試してみるのもいいかもしれません。
3. 便意を感じたらなるべくすぐトイレに行く
便を我慢すると腸にガスがたまり、ガスが発酵して臭くなり、腸のぜん動運動によって生じる便意がおこらなくなって、排便リズムに狂いが生じることがあります。
ですから、便意を催したら、なるべく早く出しましょう。毎日だいたい同じ時間帯に便がでるというのも、おならのにおい解消には重要なのです。
Q&A
おならに臭い時と臭くない時があるのはなぜでしょうか?
おならが臭い時と臭くない時の違いは、腸内の細菌のバランスによって左右されます。
腸内には善玉菌と悪玉菌がいて、そのバランスが大事なのです。
善玉菌が優位だと、腸内が酸性に保たれ、二酸化炭素やメタンを主な成分とするおならが出ます。この時のおならはあまり臭くありません。
一方、悪玉菌が優位だと、未消化の食べ物のカスが発酵され、おならが臭くなります。食べ物が腐ると悪臭を放つのと同じですね。
おならが1日に頻繁に出るのですが、病気ですか?
人が1日にするおならの数は平均して約14回だそうです。これより大幅にオーバーしているときは、何かしら問題を抱えている可能性があります。
おならの回数を増やす原因のひとつに、繊維質が多く含まれる食べ物を摂取していることが挙げられます。豆やイモなどの繊維質の多いものは、消化が遅いため、胃で消化しきれずに大腸まで運ばれます。
大腸で消化されるときにガスが発生し、おならとして放出されます。しかし、このおならはあまり臭くありませんし、多くの人が経験するものですので、あまり気にしなくてもいいです。
特に繊維質のたくさん入った食材をとってないという人の場合、もしかしたらストレスのせいかもしれません。胃腸は副交感神経が優位になることで活発に働きます。
しかし、ストレスがあると、交感神経が優位になって、副交感神経が働かないために腸がうまく機能しないことがあります。その結果、ガスがたまり、おならが頻繁に出ることがあります。
自分がストレスを抱えているかどうかよく考えてみてください。
おならの回数が多いことですぐに病気だとみなしてしまうのは、少し深刻に考えすぎかもしれません。それでも違和感があって気になるという方は、一度近くの病院に行って診てもらってください。