おならを止める。我慢する方法は3つ
私は1990年初めから20年間ほど、大学や病院にて腸内細菌と腸の粘膜免疫の研究をしてきました。
今回は、やっかいな「おならの止め方」についてご紹介したいと思います。
おならは生理現象ですから時も場所もお構いなし。
だからといって、ふさわしくない場で「ぷう~」とおならをしてしまえば周囲の態度は明らかに凍りつくでしょう。
おならの止め方
その1:人前に出る前には、おならを出し切る!
おならがたくさん出る体質で、人前に出るときに絶対に失敗したくないという方は、あらかじめ溜まっているおならを出し切っておくのが良いです。
1度おならが出ると、1~2時間は深刻な波が来ないはずです。
とりあえず、トイレに行ってしゃがんでみてください。
おならが肛門の手前まで来ていると、これだけでおならが出ます。
そして自分自身に「おならを出しちゃったから、もう大丈夫だよ」と言い聞かせてください。
腸と精神は密接に関連しているので、このような暗示は意外と効果的です。
どうしてもおならが出ないという方は、市販の浣腸を使っておならの製造源である大便を根こそぎ排せつしてしまいましょう。
ただしこれは荒療治ですので、頻繁には行わない方が良いと思います。
また、浣腸の直後は腹痛を感じる方もいるので、人前に出る数時間前に施すことをお勧めします。
その2:緊急時に我慢する方法
基本的に、無理におならを我慢することはおすすめできません。
我慢したおならは腸を逆流して血液中に吸収され、やがて皮膚や呼気から排出されます。
おならを必死で我慢したところで、こうして体臭そのものが臭くなれば本末転倒でしょう。
ただ、事前に対策をしていてもおならを催した時は必死に我慢するしかないのも事実。
おならを我慢している時、私達は2つの「敵」と闘っています。
- 腸内からこみ上げるガスの圧力
- くじけそうになる意思
これらに対して効果的な方法がありますので、紹介していきます。
衣服を緩めて動かない、腸内の圧力を上げない
腸内の圧力を急に上げると、おならが漏れる原因になります。
「衣服を少し緩める」「動き回らずじっとしている」といった工夫で、おなかの中の圧力を高めずに済みます。
鋼のごとく強い意志を持つ。波は必ずいつか引く
肛門を締める筋肉は自分の意思で開閉できます。
根性論に近くなりますが、意思の力は肛門を締め付けるのにとても重要なのです。
だからおならを我慢している間は、自分自身を必死に励ましましょう。
- 「あと5分で休憩時間だ」
- 「オレの肛門は、こんなことじゃくじけねえ!」
- 「これを切り抜けたら、ご褒美に○○を買おう…」
など、とにかく何でもいいので元気になることを考えましょう。
おならによる圧力には必ず波があるので、いったん波が去ったら急いでトイレに駆け込みましょう。
その3:平時は「腸内環境を整える」のがベスト
日頃から根本的におならの出る回数を減らすには、腸に優しい生活を送るのが1番です。備えあれば憂いなし!
まずは次の3つの習慣を2週間程度意識してみてください。
善玉菌の多い食品を積極的に食べる
善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌など)を多く含んだヨーグルトなどを毎日少しずつ摂ると、2週間程度で腸内環境が改善されていきます。
ただ、乳酸菌の摂り過ぎは逆効なのでご用心を!
便秘はすぐに治す
便秘をしているのは、体内に巨大な「おなら製造機」を持っているのと一緒ですので、早期に治してしまいましょう。
繊維質の多い食品を避ける
- イモ類
- 豆類
- ゴボウ
- セロリ
など食物繊維の多い野菜は、腸で発酵するとメタンガスや二酸化炭素を大量に発生させます。
臭いはきつくなりませんが、おならの量や回数が増える原因になるので、予めおならを出したくないときは避けるのが良いでしょう。
とはいえ、日頃からこれらの食品を全く摂らないと栄養が偏り、便秘の原因になるのでほどほどに摂取しましょう。
その場限りの対応だけに終始しないこと!
今回、前半でご紹介した対応は、あくまでその場しのぎで本質的な解決にはなっていません。
あまり頻繁におならを我慢していると、体調に支障をきたす場合もあります。
頻繁におならが出るという方は腸内環境に原因がある可能性が高く、根本的な対応が必要です。
ぜひ生活習慣の改善にトライしてみてください。
おならの回数が減れば、人前で脂汗をかきながら時が過ぎるのを待つ機会も少なくなるでしょう。