乳酸菌とおならの関係
便秘だと腸内に毒素が溜まっておならが臭くなったり量が増えるという話をよく聞きます。
だからと言って、ヨーグルトや乳酸菌飲料などをたくさん摂って腸内環境を整えても全てが改善されるとは言えないようです。
今回は乳酸菌を摂った際のおならについてまとめていきます。
おならを作る菌は2つ
おならは、腸内の細菌が食べ物を分解するときに生じるガスです。
腸内の細菌というと、一般に知られているように善玉菌と悪玉菌の2種類があります。
おならって何となく身体に悪いもののようなイメージがありますが、善玉菌もおならを出す働きがあるんですよね。
そんため、善玉菌の一種である乳酸菌を多く摂ることで、おならの量は増えます。
ただし、菌によってその臭いや量は変わってきます。
善玉菌が増えると、臭くないおならが増える
善玉菌は大腸内で、主に炭水化物を分解します。
炭水化物から生じるガスは二酸化炭素や水蒸気、メタンなどの臭いが少ない成分がほとんどです。
そのため、ヨーグルトや乳酸菌サプリメントなどを摂ると、腸内の善玉菌が増えて臭くないおならの量が増える場合があります。
これは腸の動きが良くなって、便の消化が促進されている証拠なのでむしろ歓迎すべきことです。
普段は腸の働きが活発ではない人の腸内環境が改善され始めたときに、おならの量が増える傾向にあります。
逆に、普段から腸が活発に動いている人は乳酸菌を多く摂ってもおならの量が増えるようなことはないようです。
悪玉菌が多い場合は、腐敗によるおなら臭
悪玉菌が主に分解するのは脂質やたんぱく質です。
そして、こういった食べ物が腐敗したときに出るのが
- インドール
- スカトール
- アンモニア
- 硫化水素
といった、臭いの強烈なガスです。
出る便が黒っぽくて固い場合は、腸内に悪玉菌が増えていて便が腐敗させられている証拠です。
普段から善玉菌を身体に取り入れていなくて、おならの臭いが強烈な方はヨーグルトーや乳酸菌サプリメントを取って腸内の善玉菌を増やすのをオススメします。
おならを増やさない乳酸菌の摂取方法
単に腸内の環境が改善されて活動が活発になった結果としておならが増えているのなら、先ほど述べたように継続的に乳酸菌を摂取していけば改善される見込みがあります。
継続して乳酸菌を摂っているにも関わらずおならが止まらないという方への対処方法を紹介します。
肉類の摂り過ぎを控える
肉類には、悪玉菌が分解する脂質とタンパク質が多く含まれるので、多く食べると腸内で悪玉菌の働きが活発になってしまいます。
善玉菌が原因でおならが増えているのでなければ、肉食を控えて野菜や炭水化物を中心にした食生活を送るのも一つの手でしょう。
「肉類は腸との相性がよくない?」の記事でも紹介したように、同じタンパク質でも豆>魚>肉の順に腸に良くなるので、豆腐類などを中心にするのも良いかもしれません。
摂取する乳酸菌の種類を変えてみる
善玉菌という括りの中に乳酸菌があるのですが、実は乳酸菌という括りの中にもヤクルト菌、LG21乳酸菌、フェカリス菌などの様々な種類があります。
ヨーグルトやサプリメントも、製品ごとに何種類か違った乳酸菌がふくまれていて、それぞれ異なる乳酸菌が含まれています。
人の腸内細菌のバランスはそれぞれ違うので、相性の良い乳酸菌も人それぞれ異なるのです。
自分の身体と相性の悪い乳酸菌を撮り続けていても、悪玉菌が増殖してしまっておならの臭いが悪化していってしまう可能性もあるのです。
ただし、初めての種類の乳酸菌を摂取する場合は腸内の細菌バランスが変わってお腹の調子が悪くなる場合があります。
これは一時的なもので2週間もすれば落ち着くことがほとんどです。
そのため、乳酸菌を摂り始めてすぐに『この乳酸菌は自分に合っていない!』と決めつけずに、少なくとも2週間程度の摂取を続けて様子を見ることをおすすめします。
そして、良い変化が見られなかったら別の乳酸菌を試してみて下さい。
乳酸菌の摂取形態による違いもある
乳酸菌の摂取形態によっても、腸内での善玉菌の増え方に差がでます。
例えば、ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌はよく「生きたまま腸に届く」なんて言われていますが、ほとんどが胃液などで消化されて死滅してしまうのです。
死滅してしまった菌は腸内で増えることはありません。
ただ、生きたままたどり着いたとしても善玉菌がそこで増えるかというと、まだ詳しいことは分かっていないようです。
サプリメントなどは、菌が生きたまま腸に届くようにカプセル加工されているものや、既に死滅しているものの腸内に定着しやすいものが配合されています。
死滅した乳酸菌も、腸内で善玉菌のエサとなるので、悪玉菌の駆逐にも役立ちます。
ですので、ヨーグルトなどを摂っても身体に合わないという方は乳酸菌サプリメントを摂るのも良いかもしれません。