悪玉菌が増える理由と減らす方法

腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3タイプに分けられます。

その中でも悪玉菌は、有害性があり、健康に様々な悪影響を与えます。

腸内に棲みついている悪玉菌の量は、そう多くはありません。

しかし、善玉菌2:悪玉菌1という理想のバランスが崩れることで、増殖します。

どうすれば、増えてしまった悪玉菌を元の状態に戻すことができるのか気になりますよね?

今回は、悪玉菌の有害性や、増えてしまった悪玉菌を減らす方法などについてご紹介します。

悪玉菌とは

悪玉菌とは、腸内細菌のうち、人間に有害性のある菌の総称です。

これは学術的な呼び方ではないのですが、害があるのか無いのかを大雑把に理解できるようこのような呼び方がされています。

腸内に棲みついている悪玉菌は1割ほどにすぎないのですが、それでも腸内環境に大きな影響を与えています。

また、善玉菌との関係性については、悪玉菌1:善玉菌2の比率で存在することが理想とされています。

この理想のバランスが崩れえると、悪玉菌は様々な健康被害を引き起こすのです。

悪玉菌の中には、ガンの原因となる成分を作り出す種類が存在することも分かっています。

夏場になると、食中毒のニュースが流れることもありますが、あの原因菌も腸内細菌です。

このように、一口に悪玉菌と言っても、非常に様々な種類が存在しているのです。

主な悪玉菌の種類

腸内に存在している悪玉菌の割合は1割程度ですが、それでも私たちの体への影響力は大きいです。

ここでは数ある悪玉菌の中から、代表的な3種類の菌をご紹介します。

菌名  特長
ピロリ菌  胃炎や胃潰瘍の原因となる悪玉菌、アルカリ性であるアンモニアを分泌することによって、胃酸の中でも生息できる。
腸球菌  腸球菌は、一つの金の名前ではなく、ある特定の菌を総称したもの。通常時の腸内では無害であるが、免疫力が低下すると感染症を引き起こす。
ウェルシュ菌  肉食動物の腸内に生息している菌。人間の腸内では、通常時は無害なものの、免疫力が低下すると有害物質を分泌し下痢や腸炎などを引き起こす。

このほかにも、有名なものとして大腸菌がいますが、大腸菌は菌種によっては日和見菌です。

大腸菌には、ビタミンの合成を行ったり、免疫機能を高めたりする作用を持った種類の菌もいます。

ただし、一定の量を超えると、腸内の腐敗を引き起こす菌ですので注意が必要です。

また、近年ではより有害性の強い悪玉菌が発見されています。

名前はETBF菌といって、大腸がんや結腸がんの原因になっていると考えられています。

このように悪玉菌は、菌種によってさまざまな特徴を持っており、重大な健康被害を引き起こす菌もいます。

悪玉菌が引き起こす健康被害について詳しくご紹介します。

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悪玉菌が影響している症状

悪玉菌が原因になっていると考えられている健康被害は以下のとおりです。

症状 解説
便秘 悪玉菌は、腸内環境を悪化させることで、腸のぜん動運動を鈍らせます。腸のぜん動運動が鈍ると便通が悪くなり便秘に繋がります。
下痢 悪玉菌が増殖し、腸内の発酵が進むと、有害物質が発生します。これが下痢の原因になるのです。
肝臓障害 悪玉菌の作用によって腸内で発生した有害物質は、肝臓に負担を掛けます。
動脈硬化 食べ物に含まれる、レシチンやカルニチンを悪玉菌が分解し、動脈硬化を引き起こす物質を生成する。
ガン 悪玉菌の中には、ガンの原因物質を生成しているアリアケ菌などの菌種が存在する。
自己免疫疾患 悪玉菌は、腸内環境を悪化させることで、免疫機能を乱します。結果的にアトピーや花粉症の症状が悪化する場合があります。
肌荒れ・ニキビ 悪玉菌の作用によって腸内で発生した有害物質は血管に溶け込み、全身をめぐります。これが肌荒れやニキビの原因になることもあります。

これらの健康被害の多くは、悪玉菌が直接的に原因となっているわけではありません。

まず、悪玉菌が増殖することで、便秘となり悪玉菌が生成した有毒物質が排出されなくなります。

その有害物質が、腸内から血液に溶け込むことで全身を巡り、様々な悪影響を引き起こします。

中には、菌そのものが病気の原因になっている場合もありますが、それはごく僅かです。

もともと腸内に存在しておらず、食事などによって体の外から入ってくる菌の中には、病原が強い菌もいます。

しかし、多くの菌は平常時の腸内では無害なのです。

平常時では無害である悪玉菌も、その数が増えるとたちまち悪事を働きます。

では、どうして悪玉菌の数が増えてしまうのでしょうか?その原因をご紹介します。

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悪玉菌が増える原因

悪玉菌が増えてしまう原因は、大きく分けて3つあります。

腸内の悪玉菌が増える3つの原因

  • 加齢による自然増
  • 腸内環境が乱れることによる腸内のアルカリ性化
  • タンパク質の摂り過ぎ

一つ目の理由は、加齢によって自然に悪玉菌の数が増えることです。

これは免疫機能の低下や、それまでの食習慣の影響を受けてたもので、腸内の悪玉菌は年齢を重ねるごとに増えていくのです。

二つ目の理由は、腸内環境が乱れることによって、腸内が、悪玉菌が生き延びやすいアルカリ性の環境になることです。

腸内細菌のバランスが理想的である時、腸内は酸性の状態です。この場合、悪玉菌は増殖しません。

しかし、このバランスが崩れ、腸内がアルカリ性の状態になると悪玉菌は増殖します。

三つ目の理由は、タンパク質を摂りすぎです。タンパク質を摂りすぎると腸内で腐敗を引き起こします。

腐敗したタンパク質は、悪玉菌の大好物で、それをエサとして増殖するのです。

一つ目の理由については仕方ないとしても、二つ目、三つ目は対策を打つことができます。

大切なのは、腸内細菌のバランスを理想の状態に保つことと、普段の食事でタンパク質を摂りすぎないことです。

続いては、これらの対策のための具体的な方法をご紹介します。

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悪玉菌を減らす方法は腸内環境を整えること

悪玉菌を増やさないためには、腸内環境を良い状態に整えておくこと必要があります。

普段の生活で意識することによって、腸内環境を整える方法は主に3つあります。

1,食習慣に気をつける

普段の食習慣に気をつけることが大切です。

具体的には、肉類を摂りすぎないようにしたり、腸内の善玉菌を活性化させる食物繊維やオリゴ糖を積極的に食べることです。

腸内の善玉菌の活動が活発であれば、腸内が酸性の状態に保たれ、悪玉菌の増殖が抑えられます。

また、サプリメントなどを利用して、善玉菌を取り入れることも有効です。

2,適度な運動を行う

適度な運動は、腸を刺激して便通を良くします。

便通が良くなると、腸内に便が溜まって腐敗し、腸内環境を悪化させる事態を防ぐことができます。

また、歳を重ねることで排便に必要な筋力が衰えてきます。

それを補う意味でも、適度に運動をすることが大切です。

3、規則正しい生活を心がける

腸内環境を整えるためには、規則正しい生活を送ることも大切です。

規則正しい生活とは、食事や睡眠の時間を一定にしたり、趣味や生きがいを見つけてストレスを溜めないようにすることです。

腸は、脳と迷走神経という特別な神経回路でつながっているほか、腸の働きは自律神経の働きと密接に結びついています。

ですので、規則正しい生活や、ストレスを溜めないことが腸内環境を整えるために重要なのです。

このような方法で、悪玉菌の増加を防げれば、悪玉菌は私たちの健康に悪影響を与えないことがほとんどです。

悪玉菌は完全に不要な菌ではなく、むしろ一定数存在していないと不都合な場合もあります。

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悪玉菌の有益性

ここまでのお話でも少し触れてきましたが、悪玉菌は全く不要な菌ではありません。

腸内に一定数の悪玉菌が存在していないと、善玉菌の機能が低下するとの研究もあります。

ここでは、悪玉菌が私達にもたらしてくれるメリットについてご紹介します。

悪玉菌である大腸菌のうち、一部の菌はビタミンの合成や吸収の役割を果たしています。

また、胃潰瘍の原因とされている、ピロリ菌は逆流性食道炎を予防する働きがあるという指摘もあります。

さらに、悪玉菌は私たちの免疫機能を育てる役割も果たしています。

このように、悪玉菌は私たちの健康に有益な一面を持っているのです。

悪玉菌は、通常時の腸内ではあまり害はありません。

大切なのは、腸内にいる悪玉菌と善玉菌のバランスを良い状態にしておくことなのです。

Q&A

悪玉菌が多いときの便の色は何色ですか?

便の色だけで悪玉菌の量を推測することは難しいですが、腸内環境の状態をチェックすることはできます。

便の色が黒い場合は、腸内がアルカリ性になっている可能性が高いです。

腸内がアルカリ性だと、悪玉菌の量が普段よりも多くなっていると予想できます。

便の色は、腸内環境が酸性であることを示す、黄色から茶色であることが理想です。

オナラの臭いがキツいのですが、これは悪玉菌のせいですか?

オナラの臭いがキツいのは、腸内環境が乱れている証拠です。

悪玉菌は、タンパク質を分解するときに硫化水素を発生させます。

この硫化水素は、卵が腐ったような臭いがします。

腸内環境を整えることでオナラの臭いも改善されるでしょう。

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