「腸活」ダイエット停滞期に見直すべき簡単チェックポイント
「腸活」という言葉をご存知でしょうか?健康面・美容面を改善していくことを目的として、腸内環境を整える一連の活動をこう呼びます。
腸内環境と言えば、最も話題になるのが便秘ですが、7年半待ち※の「便秘外来」で有名な小林弘幸氏が「腸活」という言葉とともにメディア(TBS・金スマ・2015年9月4日・11日)でその方法を紹介したことで、一気にこの言葉が普及しました。
多くの実践者がいる「腸活」ですが、今回は腸活が初めての人も、停滞期に入っている人にもおさえて欲しい基本をおさらいしていきます。※放送当時
この記事ではメディアで取り上げられたメソッドのご紹介と共に、「腸活」の中でも便秘解消によるダイエットについてフォーカスしていきます。
参考
小林 弘幸 氏 「読む便秘外来」/集英社
小林 弘幸 氏 「便活ダイエット」/ワニブックス
腸活のメリットを知ろう
健康面・美容面を改善していくことを目的として、腸内環境を整える一連の活動を「腸活」と呼びます。中でも、ダイエット効果を狙って取り組む方が多いようです。
腸は消化器官であり、排泄器官でもあります。小腸が栄養を吸収するという役割であるのに対し、大腸は便を作りそれを体の外まで運ぶ役割を担っています。しかし、腸がダイエットに関係するとはどういうことなのでしょうか?
「腸活」の多くのメリットを知れば自ずとモチベーションが上がるはず。まずは知っているようで知らいない、そのメリットをおさらいしてみましょう。
美容面
便秘がある場合はそれが解消されることによって、腸の消化・吸収が改善され、全身のエネルギー活動(代謝機能)がアップし、ダイエット効果・美肌効果に繋がる。
もちろん、便秘によるおなかの張りが改善されることで、お腹周りがスッキリするという外見の変化も。
健康面
免疫システムの機能をスムースにする
精神面
こころの安定に関わるセロトニンの生成をスムースにする
「腸(はらわた)が煮えくり返る」「断腸の思い」などと、慣用句としても用いられる腸。腸活の目的は様々ですが、ダイエットや美容・健康だけでなく、精神面にも良い影響をもたらします。
規則正しい生活がカギと心得よ
「腸内環境を整える」と言うと言葉は難しいのですが、一言で言えば、「悪いものを出して、循環を良くする」ことで本体の腸の働きを促すことと考えると良いでしょう。
デトックスが大切
ここに考え方の例として良いエピソードがあります。インドやスリランカには、古来よりアーユルヴェーダという伝統医学が根付いており、植物由来のお薬を服用するのが特徴です。
しかし、その大前提として、デトックスが最重要課題に掲げられているのです。いくら良いお薬を飲んでも、体内(この場合は腸内)に不要物が残っていては効き目は無い…という考え方です。
その為、浣腸や下剤療法などで、徹底的に腸内を一度リセットし、その後に患者に合わせたお薬が処方されます。
腸内環境を整える「腸活」においてもまずは、不要物を排出するデトックスが課題となりますので、便秘が有る人は、まずはそれを改善していくことが大切です。
この記事ではまず、便秘解消を第一義として解説していきます。現状でしつこい便秘に悩んでいる方は、生活サイクルや食事を見直したりすることで改善が期待できます。
生活の見直しチエックポイント
様々な見直しポイントがありますが、実は青少年向けの生活指導のような、とてもシンプルなものばかり。代表的な見直しポイントとしては
- 食物繊維を多く含む食品を摂る
- 20~30分程度の軽い運動を習慣化する
- 朝起きて、日中いきいきと活動し、夜は10時までに就寝する
これらができているかがを見直し、できていない点を改善することが大きな鍵になります。
3、は初めて聞いた!という方もいらっしゃるかもしれませんね。自律神経の働きと関係しています。
自律神経とは
私たちの体は交感神経と副交感神経の働きによって、無意識のうちに様々な生理現象を起こしています。
交感神経と副交感神経の2つを総称して、「自律神経」と呼びます。
夜眠くなったり、穏やかな気持になるのは副交感神経の働きが優位になった時ですし、緊張して心臓の鼓動が聞こえそうなほどドキドキする…という時は交感神経が優位になっていると考えられます。
この双方が上手く入れ替わりながら、どちらかが優位になった状態で、特定の生理現象が起こるのです。
朝は朝日を浴びる・夜は早めに就寝するなど、太陽の動きに応じた生活サイクルで、これらが潤滑に行われる反面、乱れた生活は、この神経の切替を麻痺させます。
排便は主に副交感神経が優位に働く際に「腸のぜん動運動」を経て行われますので、やはり自律神経の切り替えを味方につけるためにも、規則正しい生活を心がけましょう。
ただし、生まれつきの腸の形や、長年の不摂生がある場合は、この3つでは改善しきれない可能性が大です。
その場合はサプリメントの摂取やマッサージも並行して行うことが効果的と考えられますので、後述していきます。
腸活に良い食材を知ろう
生活サイクルや食事を見直したりすることが便秘改善→腸内環境の改善へ道筋の大前提ではありますが、お仕事や学校・家庭の事情で就寝・起床時間が限定されたり、食事も自分の都合だけではままならないことも考えられます。
その為、見直しそのものが難しいという方も多いでしょう。
そんな時に頼りにしたいのが、腸内環境に良いとされる発酵食品を意識的に摂ることやサプリメントで、「善玉菌を摂取すること」です。
これらは腸本来の活動を助けてくれるので、便秘解消に効果があるだけでなく、上述の美容面や健康面にも作用してくれるのです。
腸活と並行して善玉菌を意識的に取り入れることを「菌活」と言ったりもします。腸には数百種類、100兆個という菌が棲みついていて、これらは善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類に分けられます。
理想のバランスは、善玉菌2・悪玉菌1・日和見菌菌活7。このバランスが保たれている時に、免疫システムに作用し、血行や代謝機能が向上するため、美容・健康面によいとされているのです。
では、菌活におすすめの食材とはどのようなものがあるのでしょうか。身近で、代表的なものを挙げてみます。
発酵食品
発酵食品にはその生成の過程で活躍する微生物が、腸内に入ると善玉菌として働いてくれるという効果が期待できます。
ヨーグルト
善玉菌の代表格としては「乳酸菌」「ビフィズス菌」がありますが、ヨーグルトなどの市販の機能性食品から摂ることもできます。
ヨーグルトなら自分の腸内環境に合ったものを1日100~200グラム、毎日摂ることが肝要です。
ただしひとくちに乳酸菌と言っても数百種類もあり、ビフィズス菌も30種ほど存在すると言われています。
自分に合う、合わないは、ためしてみるしかありませんので、最低でも一つの銘柄を7日はつづけて摂取してみましょう。
また、ヨーグルトの他にも「腸活」に身近にあるおすすめの発酵食品としては、キムチ、漬物、チーズ、納豆などが挙げられます。
サプリメント
サプリメントは特定の要素を摂取することに特化した食品ですので、効率よく善玉菌を摂取できます。
各社独自の配合で、主に乳酸菌とビフィズス菌、オリゴ糖(善玉菌のエサとなる)などが含まれますので、食生活の見直しとともに摂ることが勧められます。
その他の食材
上述の便秘外来の権威である小林弘幸氏によると、以下の食材も効果的とされています。
オリーブオイル
オリーブオイルを大さじ2杯摂る、あるいは食事にプラスすることで、腸内で便の滑りが良くなり、便秘改善につながります。
水
朝、起きた直後には胃が軽くなっています。そこに水を流し込むことで、胃の下にある大腸に刺激を与え、排便を促します。
もちろん食べ物やサプリメントだけに頼りすぎるのではなく、上述の生活習慣の改善も出来る限り取り組みましょう。
マッサージを実践しよう
食事や生活習慣を見直しても、まだ改善が見られないという場合は、マッサージも積極的に取り入れてみましょう。
バイキング ジニー流腸もみマッサージ
「フジテレビ バイキング」で2015年4月8日に「美腸サロン ジニー」の監修のもとに、わずか10日間で、ウエストマイナス10センチという腸活のテクニックが紹介され、大きな反響を呼びました。
番組中インパクトの強かったサロンでの「腸もみ」施術の他にも、自宅で出来るマッサージも動画で公開(サロンの公式アカウントによる)されていますので、参考にしても良いかもしれません。
のの字マッサージ
動画ではわかりにくいという場合は、もっと直感的でシンプルななマッサージが適しているかもしれません。
それには腸の形状を知る必要があります。
大腸は肋骨下部から、ぐるりと時計回りに存在し、肛門までつながっています。便秘はそのいずれかの場所で便が滞っている状態。
その為、マッサージはその流れに逆らうことなく、時計回りに平仮名の「の」の字を描くように行うことで、腸のぜん動運動を促します。
しつこい便秘なら「落下腸」「ねじれ腸」も視野に入れてみる
便秘解消が腸活の前提であることには既に触れてきましたが、食事や生活の見直しを行っても、便秘が改善されないという場合は、「ねじれ腸」「落下腸」の可能性も頭に入れておいたほうがいいかもしれません。
「ねじれ腸」「落下腸」は、国立病院機構久里浜医療センター・便秘外来の水上健氏が「しつこい便秘の一因」であると複数のテレビ番組で指摘し、今や腸活に欠かせないキーワードとなっています。
病院(国立病院機構久里浜医療センター)のホームページでも、「ねじれ腸」「落下腸」の解説や、メディア出演後の反響などが詳しく解説されています。
「ねじれ腸」「落下腸」については、正確には病院での検査が必要になるものの、「子供の頃から便秘だった」などのいくつかのセルフチェック(後述の本の中でも紹介されている)を行うことで、自分自身の腸の状態を推しはかることができるようです。
これらは先天的な腸の形状がもとになっているとのことですので、形状そのものの改善は難しいものの、便通に関してはマッサージで多くの方に改善が見られるとのことです。
「ねじれ腸」「落下腸」に有効とされるマッサージは、同氏の本でも紹介されていますので、便秘外来を受診するほどのお悩みをお持ちの方は、受診前に一度手にとると良いでしょう。
参考:水上 健 氏 「女はつまる 男はくだる」/あさ出版
まとめ
今回はメディアで話題となった「腸活」の中でも、ダイエットに欠かせない便秘改善についてのメソッドをご紹介しました。
もちろん、腸活自体は便秘解消やダイエットが目的ではなく、腸内環境を整え、腸本来の働きを取り戻す・あるいは向上させることです。
腸内環境を整える食生活や生活サイクルの見直しの過程で自然と秘解消やダイエットに繋がることが理想ですので、焦らず出来ることから始めてみましょう。