おなかスッキリの必要条件【マッサージだけじゃダメ?】

最近、便秘気味でいつもの服のお腹周りがキツい…ぽっこりおなかの見た目も気になる。

そう思って便秘解消に努めても、なかなか成果が出ないこともあります。

それどころか体のため、ダイエットのため、便秘解消のため…と思ってやっていることが、知らず知らずのうちに逆効果になってるケースも。

ここでは、ぽっこりおなか解消のための「見落としがちな原因」についてみていきます。

ぽっこりおなかの原因と対策

便秘
便秘が続くと、おなかに張りを感じ、ガスにも悩まされます。物理的に便が停滞しているので、下腹が出てしまいます。

一般的には腸内環境を整えるための食事の工夫やマッサージ・運動を勧められますが、実はそれだけでは便秘解消につながらないこともあります。

その際に見落とされがちなのが自律神経。この自律神経のバランスこそが便通を司る影の支配者と言っても良いでしょう。次項で詳しく述べます。

落下腸
生まれつきの腸の形が影響して、下腹がぽっこり出てしまうことが最近知られるようになりました。落下腸については、記事の最後で述べていきます。

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自律神経に着目しよう

便秘には私たちの体を支配する自律神経が深く関わっています。では自律神経とは一体何なのでしょうか。

自律神経には、交感神経と副交感神経があり、2つのバランスが入れ替わりながら、いずれかが優位になった時に私たちの体に特定の生理現象を起こしています。

交感神経は主に、興奮する・集中する時に優位になって働く神経です。午前中から昼過ぎにかけての優位になり、私たちの日中の活動を支えてくれています。

副交感神経は、リラックスする時に優位になって働く神経です。交感神経と入れ替わる形で、夕方くらいから優位になり、就寝時に高まるのが理想です。

自立神経は、特定の生理現象と結びついていると述べましたが、便通(腸のぜん動運動)を促すのは副交感神経が優位になった時とされています。

その為、自律神経のバランスをとることは、実は便秘解消の必要条件だったのです。つまりは副交感神経優位=リラックスが大切ということ。

ただし、やみくもにリラックスするのではなく、1日の中でも副交感神経を優位にすべきタイミングがあるのです。これをふまえてNG例をみていきましょう。

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実は逆効果?ぽっこりおなか解消のためのNG例

腸は夜活発に働くことをご存知でしょうか。腸のぜん動運動は、主に副交感神経優位の際に働くため、リラックスしている状態でこそ活発に働きます。

さらに副交感神経のピークは本来夜中0時にピークを迎えます。この時間には、交感神経に支配されることなくリラックス=眠っているのが理想とされます。

眠ることで、腸に最高の条件を与えるからこそ、翌朝のスムーズな排便が期待できるのです。現在、夜型の生活の方はまずここに有効な改善点がありそうです。

夜に激しいランニングや筋トレ

ここで言うNGは「激しい運動」です。夜、交感神経を優位にしてしまうと腸が本来の働きを発揮してくれません。

運動全てが悪いのではなく、ゆっくり歩いたり、ストレッチやヨガで体をほぐすのがオススメです。

夜寝る前にたっぷり食べる

いくら体に良い食品でも、摂るタイミングによってはやはり逆効果になる可能性があります。

食事中は交感神経が高くなり、その後消化の為に副交感神経が高くなるのです。

食後すぐに寝ると交感神経が高いまま眠ることになり、副交感神経によって行われる腸での消化・吸収が不十分になり、便秘になりがちです。

副交感神経にシフトしてから眠るためには、夕食は寝る3時間前までに済ませることを心がけましょう。

熱々のシャワー

深部体温を上げるのも副交感神経に良いとされています。熱々のシャワーは気持ち良いですが、深部にまでは届きませんので湯船に浸かりましょう。

一方で熱すぎる湯船も体に負担をかけ、交感神経に作用しますので、ぬるめのお湯に15分くらい浸かりましょう。

自律神経を整えるためにできること

仕事や学業のストレスなどで、緊張や興奮を強いられる環境下に長期間いる場合は、ぽっこりおなか解消のための工夫も効果が出にくいかもしれません。

交感神経が四六時中優位に働いて、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいっていない可能性があるからです。

夜、仕事や学業などで就寝する時間の制約があるなら、なおさらなかなか理想通りには行かないもの。

そんな場合は、「副交感神経が腸のぜん動運動を促す」ことをヒントにして、自分なりの排便促進メソッドを考えて見ましょう。

深呼吸
いつでもどこでも出来る方法として「深呼吸」があります。特に深く長く吐く呼吸には、副交感神経を優位にし、リラックスにつながります。

ブレイクタイム
仕事や学業が忙しい中でも、適度に休憩を入れ、リラックスしてみましょう。

交感神経が常に優位になっている状態が長期間に渡って続くと、本来副交感神経が優位になるべき時間になっても、切り替えが上手くいかなくなってしまいます。

ストレスとなる原因自体が解決できないとしても、意識的に「切り替え」を行う習慣が必要です。

好きな音楽を聞く、好きなお茶を飲む、など「これをやれば、リラックスできる」という、自分なりのリラックス方法を見つけておきましょう。

「落下腸」「ねじれ腸」にはマッサージ

それでも便通が改善されない場合は、さらに腸の形にも注目してみましょう。

久里浜医療センター「便秘外来」の水上健氏によると、しつこい便秘の原因には、実は腸の形が関係しているとされています。

これらは「落下腸」「ねじれ腸」と呼ばれ、生まれつきの腸の形が関係しているとのこと。

「ねじれ腸」は、書いて字のごとく、腸がねじれている状態。

「落下腸」は、本来あるべき位置から腸が大きく落ち込み、骨盤のあたりで折りたたまれるように存在している状態。

いずれも便秘しやすいのですが、特に「落下腸」では立ち上がった時に、腸そのものがポコッと出るので、見た目が気になります。

同氏によると、日本人のうち8割の人が、このいずれかに該当するということですので、便秘に悩む人は他人事とは考えない方が良いでしょう。

とは言え便秘外来を受診するとなると、ハードルが高くなりますね。水上健氏がその著書の中で有効なセルフケアを紹介していますので、受診前に手にとってみることをおすすめします。

腸の形自体は、残念ながら改善することができないのですが、便通自体はマッサージやエクササイズである程度改善することが可能です。

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まとめ

ぽっこりおなか解消のためには、マッサージや食事工夫の他に、自律神経の働きに目を向けることが大切と述べてきました。

特に、最近お仕事や学業で緊張状態が続いているという方は、この自律神経のバランスが上手くとれていないのかもしれません。

まずは自分なりのリラックスの方法や、ほっと出来る時間を少しでも作ってみることで、副交感神経優位の状態を作る工夫をしましょう。

参考文献:
女はつまる 男はくだる 水上 健氏 著/ あさ出版
便活ダイエット 小林弘幸氏 著/集英社

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