整腸剤と乳酸菌サプリの違いとは?
みなさんは、お腹の調子が悪いと感じたとき整腸剤と乳酸菌サプリメントのどちらを摂取しますか?
そう考えると、「整腸剤と乳酸菌サプリの違いってなんだろう?」という疑問が湧いてきませんか?
そこで今回は、整腸剤と乳酸菌サプリの違いについて触れながら、それぞれのメリットや注意点についてご紹介します。
整腸剤は医薬品、サプリは食品
整腸剤と乳酸菌サプリは、ほとんど同じだと思っている方は多いと思います。
しかし、薬局で買える整腸剤は「医薬品(一般用医薬品)」であり、乳酸菌サプリメントはいわゆる「健康食品」というふうに、明確な違いがあります。
また、医薬品には薬事法で定められた明確な定義がありますが、健康食品については薬事法で定められた定義が存在しません。
※厚生労働省hpより
では、医薬品と健康食品には、どのような違いがあるのでしょうか?
定義 | 効果の表示 | 販売規制 | ||
医 薬 品 |
医療用医薬品 | 医薬品 医療機器等法 |
国の認可が必要 | 医師の処方 |
一般用医薬品等 | 薬剤師・登録販売者のいる店舗 | |||
医薬部外品 | スーパーやコンビニ等の小売店で販売可能 | |||
食 品 |
特定機能食品 | 健康増進法 食品衛生法 |
||
栄養機能食品 | 国の認可により栄養機能のみ表示可能 | |||
その他の食品 | 食品衛生法 | 表示不可 |
※武田薬品工業株式会社hpより(一部を改変)
このように、医薬品と健康食品は規制などについて明確な違いがあります。
続いて、整腸剤とサプリメントを使用する上では、どのような違いがあるかについて見ていきましょう。
整腸剤とサプリの違い
整腸剤とサプリメントは、医薬品と食品という大きな違いがありました。
では、使用する上ではどのような違いが生じるのでしょうか?
ここでは、いくつかの項目に分けて整腸剤とサプリメントを使用する際の違いについてご紹介します。
入手難易度
まず、整腸剤もしくはサプリを購入する場合、入手の難易度に違いがあります。
整腸剤とサプリは、定義している法律が異なるため、規制が異なります。
サプリは食品に規定されていますので、小売店やネット通販などで購入できます。
しかし、医薬品である整腸剤は、販売に対して規制があります。
分類 | 対応する専門家 | 販売者からお客様への説明 | お客様からの相談への対応 | インターネット 郵便等での販売 |
第1類医薬品 | 薬剤師 | 書面での情報提供(義務) | 義務 | 不可 |
第2類医薬品 | 薬剤師 登録販売者 |
努力義務 | 可能 | |
第3類医薬品 | 法律上の規定なし | |||
指定医薬部外品 | 販売に関する規制なし |
※日本OTC医薬品協会hpより(一部を改変)
日頃皆さんが見かける整腸剤は、第3類医薬品もしくは、指定医薬部外品に分類されるので販売に関する規制が比較的緩やかです。
また、反対に一部のサプリは、ネット通販限定であったり品薄状態になっていたりして、入手が比較的難しくなる場合があります。
使用目的
使用目的については、医薬品、指定医薬部外品、サプリ(健康食品)で異なっています。
それは、それぞれに含まれている有効成分の効果が異なるからです。
具体的には、以下のような違いがあります。
- 医薬品:疾病の予防や治療が目的
- 指定医薬部外品:日頃の不快感を緩和することが目的
- サプリ:日々の健康増進や栄養補助等が目的(一部の商品は疾病予防なども)
このように使用目的には違いがあり、このことを理解した上で商品を選択する必要があります。
副作用
医薬品である整腸剤は、サプリメントなどの保健機能食品等に比べて効果が期待できる反面、副作用のリスクが高まります。
市販されている整腸剤は、厳しい基準の審査を通過しているので、副作用が出ることは稀ですが、決して可能性がゼロなわけではありません。
体質が合わなかったり、その時の体調がすぐれない場合は、副作用が出てしまう可能性もあります。
また、サプリであっても副作用の危険性が無いわけではありません。
さらに副作用とは異なりますが、健康食品は比較的規制が緩やかなため、稀に問題のある商品が販売されるケースがあります。
一例ですが、鳳凰製薬株式会社(平成15年倒産)の「鳳凰軽身痩」にD-ソルビトールが添加されていたという事案があります。「鳳凰軽身痩」は、タピオカ入りダイエットココナッツミルクの名称で健康食品として販売されていました。D-ソルビトールは下剤に使用される成分で、「鳳凰軽身痩」には下剤と同程度配合されており、下痢を引き起こす可能性がありました。厚生労働省によって、回収の指示が出されましたが、販売数者数は131,564名にのぼり、一部が未回収となってしまいました。
※厚生労働省hp参照
このように、健康食品については規制が緩やかな分、ごく稀に危険な商品が出回る場合があるので、注意が必要です。
以上のことから、整腸剤の場合は購入時に、薬剤師や販売登録者からの説明を求めた方が良いでしょう。
サプリの場合は自己責任のため、成分や副作用に関する表示をよく確認する必要があるでしょう。
依存性
依存性については、整腸剤とサプリメントとの間で差はありません。
ですので、用法・容量をきちんと守っておけば問題ないでしょう。
ただし、決められた容量以上に摂取することには大きな危険があります。
整腸剤やサプリの主要成分である乳酸菌は、体内で使われない分は勝手に排出されます。
しかし、ビタミンやミネラルなどの成分は過剰に摂取してしまうと、健康被害が出る恐れもあります。
くれぐれも規定の用法・容量を超えて摂取することのないようにしてください。
効果
効果については、先程ご紹介した使用の目的に沿って考える必要があります。
医薬品とは、基本的に病気の治療を目的に使用するものです。
サプリメントなどの健康食品は、病気の治療に使うものではありません。
健康食品を摂取することは、日々の健康の保持増進や、栄養素を補うことが目的です。
しかし、サプリメントには効果がないと言っているわけではありません。
腸内環境を整える上で、日頃から整腸を目的としたサプリを摂取することは健康の保持増進につながります。
ですので医薬品やサプリは、自分の健康状態を踏まえた上で効果を期待する必要があるでしょう。
このように医薬品である整腸剤と健康食品であるサプリには大きな違いがあります。
では、この2つを合わせて摂取する場合にはどのようなことに気を使えばよいのでしょうか?
整腸剤とサプリの飲み合わせ
整腸剤とサプリメントの飲み合わせについては、医師や薬剤師への確認を徹底してください。
整腸剤とサプリメントの含有成分が重なっている場合は、その成分を過剰摂取する危険があります。
上述しましたが、ビタミンやミネラルなどは過剰に摂取すると健康被害が出る場合もあります。
例えばビタミンAを過剰摂取すると以下のような健康被害の可能性があると言われています。
ビタミンAの過剰摂取による悪影響
- 泉門の隆起によって新生児の脳に損傷を与える
- 肝臓に対する毒性
- 骨密度の減少と骨折
- 胎児に奇形が生じる危険性
※内閣府 食品安全委員会参照
ですので、整腸剤とサプリの飲み合わせに関しては、医療関係者の指示を守るようにしてください。
ここまで、整腸剤とサプリの違いについてご紹介しましたが、次は実際に整腸作用が期待できるサプリを選ぶ方法についてご紹介します。
サプリの選び方
まず前提として、健康食品であるサプリメントを選ぶ際には、安全性や含有成分などをきちんと確認してください。
安全性については国立健康・栄養研究所の「HFNet」などを確認すると良いでしょう。
続いて、整腸作用が期待できるサプリメントの選び方についてです。
サプリメントを選ぶ際には、以下の項目を考慮すると良いでしょう。
サプリでの改善が期待できる症状か
サプリを選ぶ際に一番はじめに考えてほしいのは、自分の腸の不調がサプリで改善できる状態なのかということです。
腸の不調と言っても、単に違和感がある場合、便秘・下痢という具体的な症状がある場合など様々です。
サプリで改善が期待できるのは、お腹の違和感や、軽度の便秘・下痢といったところでしょう。
慢性的な重度の便秘や、腸閉塞など器質性の便秘、食中毒などによる下痢の場合は医療機関を受診してください。
また、サプリで改善が期待できる便秘・下痢は、腸内環境の悪化を原因とするものです。
ですので、サプリに腸内環境を整える成分が含まれているかどうかは重要なポイントです。
整腸作用につながる成分が含まれている
整腸作用が期待できるサプリメントは、以下の成分が含まれたものです。
- 乳酸菌(善玉菌)
- 食物繊維
- オリゴ糖
乳酸菌は、腸内を悪玉菌が増殖しづらい環境にする作用があります。
乳酸菌を補助する成分として、オリゴ糖が挙げられます。
オリゴ糖は乳酸菌のエサとなり増殖を促したり、活性を高めたりします。
また、食物繊維は乳酸菌のエサになったり、便通を良くする作用があります。
この3つの成分が含まれているサプリメントには、整腸作用が期待できるでしょう。
さらに、乳酸菌については菌種と菌量を把握しておくと良いでしょう。
含まれている菌種・菌量・菌の状態
サプリメントに含まれている乳酸菌(善玉菌)には、非常に多くの種類があります。
乳酸菌が持つ特徴は、種類ごとに異なります。
例えば、乳酸菌には動物性乳酸菌と植物性乳酸菌があります。
乳酸菌というとヨーグルトなどで摂取するイメージがあると思いますが、通常ヨーグルトで摂取できるのは、動物性乳酸菌です。
漬物やキムチなどの食品から摂取できる乳酸菌は植物性乳酸菌で、動物性乳酸菌よりも熱や酸に強いという違いがあります。
菌量については、多ければ多いほど良いとされています。
詳しいことについては、以下の記事で紹介していますので参考にしてください。
整腸作用を期待してサプリメントを選ぶ際には、これらの項目について考えてみてください。
ここからは、整腸作用が期待できるおすすめのサプリをご紹介します。
おすすめのサプリ
※画像:商品公式hpより
商品名 | ヘルスエイドビフィーナS |
---|---|
一包あたりの価格 | 99円 |
整腸作用が期待できる成分 | オリゴ糖,ビフィズス菌末,アシドフィルス菌末,ガセリ菌末 |
販売会社 | 森下仁丹株式会社 |
商品レビュー | 詳しくはコチラ |
※画像:商品公式hpより
商品名 | 生命の乳酸菌7選 |
---|---|
一包あたりの価格 | 131円 |
整腸作用が期待できる成分 | ガラクトオリゴ糖,有胞子性乳酸菌,乳酸菌 植物性乳酸菌,ビフィズス菌 |
販売会社 | 株式会社ミーロード |
商品レビュー | 詳しくはコチラ |
※画像:商品公式hpより
商品名 | 乳酸菌革命 |
---|---|
一包あたりの価格 | 96円 |
整腸作用が期待できる成分 | 難消化性デキストリン,イソマルトオリゴ糖 乳酸菌ビフィドバクテリウム属3種 ラクトバチルス属11種 エンテロコッカス属1種 ストレプトコッカス属1種 |
販売会社 | 株式会社 健康いきいき倶楽部 |
商品レビュー | 詳しくはコチラ |
※画像:商品公式hpより
商品名 | 乳酸菌EC-12 |
---|---|
一包あたりの価格 | 212円 |
整腸作用が期待できる成分 | 水溶性食物繊維,ミルクオリゴ糖,乳酸菌EC-12 |
販売会社 | 久光製薬 |
商品レビュー | 詳しくはコチラ |
※画像:商品公式hpより
商品名 | ビオマイン |
---|---|
一包あたりの価格 | 212円 |
整腸作用が期待できる成分 | 枯草菌 |
販売会社 | カルピス株式会社 |
商品レビュー | 詳しくはコチラ |
※画像:商品公式hpより
商品名 | アレルケア |
---|---|
一包あたりの価格 | 82円 |
整腸作用が期待できる成分 | L-92乳酸菌 |
販売会社 | カルピス株式会社 |
商品レビュー | 詳しくはコチラ |
※画像:商品公式hpより
商品名 | プロディア |
---|---|
一包あたりの価格 | 105円 |
整腸作用が期待できる成分 | 乳酸菌 |
販売会社 | サントリーウエルネス株式会社 |
商品レビュー | 詳しくはコチラ |
こうしたサプリメントは、薬局やドラックストアでは販売していない場合もあります。
その場合は、ネット通販で購入することになるのですが、通販サイトでどのような商品が人気なのか気になりませんか?
ランキング
乳酸菌サプリメントは、Amazonや楽天などのECサイトでも販売されています。
どのような商品が人気を集めているかについて参考程度にご紹介しておきます。
アマゾン売れ筋ランキング(プロバイオティクスサプリメント部門)
- ヤクルト Noale(ノアレ) KW乳酸菌
- ビーンスタークスノー ビーンスタークマム 3つの乳酸菌M1
- ヨーグルト10個分の乳酸菌
- カルピス アレルケア
- イージーファイバー乳酸菌プラス
※同一商品の重複カウントとサプリ以外の商品は除いています。2017年2月8日時点でのランキングです。
楽天市場ランキング(乳酸菌配合サプリメント デイリー部門)
- カルピス アレルケア
- ガセリ菌プレミアム
- カルピス ココカラケア
- 森下仁丹 ヘルスエイドビフィーナ
- フジッコ善玉菌のチカラ
※同一商品の重複カウントとサプリ以外の商品は除いています。2017年2月8日時点でのランキングです。
サプリ以外の工夫も必要
最後に注意しておきたいのですが、お腹の調子をととのえるためには、サプリを摂取する以外にも工夫する必要があります。
サプリはあくまでも健康の増進や、栄養の補助を目的に摂取するものなので過度の期待を抱いてはいけません。
腸内環境を整えて、便秘や下痢などの症状を改善したいのであれば、食生活や生活習慣を見直す必要があります。
食生活の見直しでは、先程あげた整腸作用が期待できる成分を普段の食事から積極的に摂るよう心がけましょう。
また、タンパク質や脂質の摂り過ぎは、腸内環境の悪化を招くので気をつけてください。
生活習慣の見直しでは、睡眠、運動、ストレスの発散などによって、腸の働きを活発にすると良いです
これらの工夫をしてはじめて、根本的にお腹の不調を改善することにつながります。
まとめ
今回は整腸剤とサプリの違いをご紹介しました。整腸剤は医薬品であり、サプリは健康食品です。
医薬品は病気の予防や治療を目的としていますが、サプリなどの健康食品はあくまで健康の増進が目的です。
ですので、病気が疑われる症状が出ている場合は、医療機関を受診して医薬品による治療を受けましょう。
また、日頃から健康増進を目的にサプリを摂取することは腸内環境を良い状態に保つことにつながります。
サプリメントを選ぶ際には安全性や副作用の危険性、含有成分などをきちんと確認してください。
健康食品は医薬品と違って自己責任で摂取することになりますので、今回ご紹介したことを参考にしっかり選択してくださいね。