ストレス社会に負けない!IBSから見直した健康的な生活
- 体験者の情報
- 名前:野本 美柑(仮名)
年齢:27歳
性別:女性
病気歴:約6カ月
職業:専業主婦
過敏性腸症候群のタイプ:混合型
突然始まった激しい腹痛と一日に何度も襲う耐え難い下痢
当時サービス業系の会社員だった私は職場の人員不足による過重労働で、激しいストレスと疲労に耐えながら食事は毎食こってりのコンビニ弁当。
連日始発~終電までの長時間勤務で、布団に入っても遅刻が怖くて満足に眠れない日々が続いて数週間…突然通勤電車で立っていられない腹痛に襲われ、慌てて途中下車してトイレに駆け込んだ日から始まりました。
その時は昨日何か悪いものでも食べたかな?と程度に軽く考えていたのが病気だったとは知る由もありませんでした。
そして翌日から前日までと明らかに違う本格的な腹痛加えて、日に何度も抑えられない下痢とポロポロとした小動物のような細かい便が続き時には失禁してしまう事もあり酷く落ち込んだのを今も鮮明に覚えています。
その頃私は専門学校を卒業しもうすぐ1年経つ21歳だったので、粗相をしてしまったショックと恥ずかしさでとても病院にいく勇気がありませんでした。
それに加え、多忙で仕事を休める状況ではなく長い間我慢をしていたのでそれが更なる症状悪化への道を辿ったのかと思います。
意を決して消化器内科を受診、告げられた診断
日に日にトイレに頻繁行くことが億劫になり、ぽっちゃり体型の私はそもそも食べる量を減らせば治るかも!
しかも食事の時間も睡眠に充てられるし、痩せるし一石二鳥!と素人判断で食事の量を極端に減らして2週間弱ほどで10kg近く痩せたところで心配した家族に勧められやっと病院を受診しました。
そこで医師に細かく最近の自身の症状や、現在の勤務状況などを聞かれるままに話して告げられた病名は過敏性腸症候群(IBS)でした。
当時はまだスマートフォンが主流ではなかったので、携帯電話も電話やメール程度しか使用しなかった私は中々病気について調べる時間もなく、日ごろは病院と無縁だった私は全く知らない病気でしたが、当時の生活習慣を振り返れば症状が悪化していくのも納得でした。
- 不規則な時間(深夜や早朝など)に食べる油っこい食事や香辛料などの刺激が多い味の濃い食事
- 空腹時間が長いためにどうしても暴飲暴食してしまう
- デスクワークや接客など室内での仕事が中心で、外回りや身体を使う事が少なく気持ちの切り替えが難しい
- 休日の前の日は寝る直前までアルコールを飲み、眠りが浅く疲れが取れない
結果的に身体にかかる負担が多く、IBSを発症してしまったのではないかと思います。
この病気の特徴として日常のストレスを多く抱える人が発症するケースがよくあるそうで、学校で試験前にお腹が痛くなる学生さんや私のように通勤途上でトイレに駆け込む方も多いのだとか。
しかし、それも体質かな?と気持ちの面でやり過ごしてしまう事もあり治療に至らず症状を悪化させてしまいやすいのかも知れませんね。
私自身もその典型的なタイプでズルズルときてしまい、ピーク時は午前中だけで10回以上トイレに行く日もあり中々仕事が手につきませんでした。
これでは仕事にも影響が出てしまい、さらにストレスが増えて体調にも影響してしまのも当然ですよね。
生活を180度変え、健康志向に!
そんな負の連鎖を断ち切るべく、受診した病院の医師からのアドバイスで適度に身体を動かしてリフレッシュしてね!との言葉を思い返し時間がある日は犬の散歩に出かけるなどの簡単な運動を始めました。
運動が難しい日は小まめにストレッチをしたりPCでの作業の傍ら座ったまま足を床から上げたり下げたりしながら運動をしていました。
そして仕事の休憩時間にやっとありつける食事で何となく食べごたえのある揚げ物系がメインのコンビニ弁当を選んでいたのを、サラダか煮物など野菜のおかずにスープやお味噌汁とおにぎりや食欲が無いときはうどんや雑炊など消化のいい食事に変えました。
しかし朝など忙しくゆっくり食事が取れない事も実際あったので、その時は葉ものの野菜とバナナやりんごなどの果物と豆乳をミキサーにかけてスムージーにして飲む日もありました。
あとは万が一粗相をしてしまったら…との不安がプレッシャーになっていたところもあったので、外出時は常に予備の下着に加えて夜用の大きい生理用ナプキンを密封出来るジッパー付きの袋に入れて持ち歩くようになりました。
ナプキンは大人用の紙おむつよりはコンパクトに収納出来るのでその点はカバンの中でも目立たず便利でした。そういった準備で保険をかけておくだけでも気持ちの面で大きく違ったように思います。
そうして電車を途中下車する回数も少しずつ減っていき、トイレに行く回数も平常時に戻る日が増えて徐々に症状は軽快しました。
一説によると脳と腸はとても深い関係があったり、赤ちゃんがお母さんの胎内で最初に出来る臓器は腸だと聞いたことがあり第二の脳といわれるくらい大切な役割があるという事もとても納得です。
当たり前の生活改善がこんなにも大切だということを深く痛感すると共に、社会人としてメンタルを含め健康管理の重要性という面でとても勉強になりました。(当然人間誰しも健康が一番なので、筆者のように後から気づくのは肉体的にも精神衛生的にもオススメできません…。)
そして軽快に向かった際の最大の変化は諦める気持ちでした。
何事もこうすべき!とか頑張らなくては!という責任感でいつのまにか自分を追い詰めていた部分があったので、今日はここまでやったからもういいや~と楽観的に考え、気持ちにほんの少しのゆとりを持つ事がとても大切なんだなと個人的には思います。
- 無理のない範囲での運動やリフレッシュを
- 野菜メインの和食中心にした食事を適量に
- 安心できるアイテムを常時持ち歩く
- 日々の生活に少しの’諦め′を大切に
まとめ〈完治した今、感じること〉
IBS完治から約7年。当時を振り返ると、毎日忙しく自分のことを考える時間がない時こそふと我に返る時間に重点を置くことができていれば良かったなと反省しますがそれが一番難しいことだという事も現実。
筆者は当時職場環境も過酷で同じ仕事をずっと続けていく自信もなく退職して体調を整えることに専念し完治してから再就職しましたが、この病気は目に見えずとてもデリケートな病気だと思うので周りの理解を得るにも相談するにも勇気がいりますよね。
自身も職場や駅などでどうしてもトイレから長い間出ることが出来ず気まずい思いをしたことが何度もありました。
しかし、負けず嫌いで頑固者な筆者は体調のことを相談するのが自分に負けたようで中々先輩や同僚に話すのは躊躇うものがありましたが、社会人として一人の大人として職場や家族等周りに迷惑をかけない為にこそ早めに専門医を受診し治療を最優先するのがベストですよね。
かつての筆者同様、現在IBSで悩んでおられる方、そして今病院にいくのを躊躇っておられる方が少しでも早く健康に前向きに身体と向き合えるのを切に願っています。
この記事の筆者
野本 美柑(仮名)
1988年神戸市生まれ。社会人1年目時代にIBSを発症し、治療の為に休職・退職しその後転職。サービス業や保険代理店法人営業などを経験し、医療事務を経て転勤族の夫との結婚を機に退職し専業主婦に。現在は第一子育児の傍ら、学生時代の音楽活動で身に付けた持ち前の明るさと行動力を武器にランサーズなどでフリーライターとして活動開始。趣味は軍港めぐりとパン作り、ゴスペルなど。