過敏性腸症候群と診断を受けてからの生活の変化【体験談】

内科などに行くと「過敏性腸症候群」のポスターを目にしたことはありませんか?

血液検査をしても腸の検査をしても特に異常は出ないのにも関わらずおなかの調子が悪く、下痢や便秘などおなかの異常が続くことです。

病院によっては「おなかの風邪」と診断されて、自分でも「いつもの下痢」「いつも便秘だし」と安易に考えて病院へ行かないで市販薬などで済ませることも多いと思います。

自分自身もそうでした。もともとおなかが弱かったので毎日続く下痢にも違和感を抱かず、発症したのも冬だったので、おなかが冷えたのだろう。それくらいにしか思っていませんでした。

私は現在31歳で過敏性腸症候群と診断されたのは28歳の時でした。しかし診断される前から発症していたと思います。私は「いつもの下痢」と思い1年10カ月病院に行かなかったのです。

市販の整腸剤で対応し、一瞬おさまるので「これで大丈夫」と自己判断をして、病院へ行くことを後回しにしました。続く下痢が始まった頃は管理職になったばかりで忙しく、病院へ行く時間がなかったのです。

シングルマザーで子供と2人で暮らしていたという事もあって、自分の事は後回しにして、子供を優先し、次に仕事で自分の体への配慮はまったく考えていませんでした。

体験者の情報
名前:白峯 瞳(仮名)
年齢:31歳
性別:女性
病気歴:2年6カ月
職業:専業主婦
過敏性腸症候群のタイプ:下痢型

発症を信じず悪化していた過敏性腸症候群

発症と診断されたのは28歳の冬でした。
この頃には電車やバスに乗ることが不便に感じていて、快速や特急に乗ることが不安へ変わり公共機関を使う事が非常に怖かったです。

それよりも前、極度の緊張と管理職という重圧。

営業をしていたので自分のお給料を稼ぐためには数字をやらなければいけないというプレッシャーとさまざまな事が重なっていましたが、やりがいを感じていたので、自分では「ストレス」と思うことは少なく、とにかく忙しく仕事をしていました。

そして、1日1回の下痢がご飯を食べるたびに起こるようになりました。おなかに食べ物を入れると腹鳴(おなかがごろごろとなる)が必ず起こります。

「おなかがすいている所にいきなり食べ物を入れたからおなかがびっくりしているかな」と思ってきにしていませんでした。

ごはんはきちんと3食食べることができたし、睡眠も十分に取れていたので気にすることもなく毎日を過ごしていました。

小さい頃からおなかが冷えるとすぐに下痢をすると自分でわかっていたのでアイスや、冷たい飲料水を一気に飲んだりすることは避けていましたし、夏のエアコンにも弱かったので、長時間あたらないようにし、冬は必ず、おなかと腰にホッカイロを張ってお冷やさない工夫をしていました。

1日に1回の下痢でもこの時期は1回で済んでいたので体を冷やさなければ大丈夫と思っていました。

増える仕事の重圧とストレスで悪化していく過敏性腸症候群

毎日、下痢と腹鳴を起こしながら過ごして1年がたった時、ある新人が自分の下に配属になりました。

その時は「かわいい新人が入ってきたな」と感じたくらいで特に体への異常も変わることもなかったのですが半年ほど過ぎたころに、その新人がいろいろ問題を起こすようになり「私の管理不足」ということで周りや上司から責められるようになり対応に追われて行きました。

そしてその新人も「私のせいで。」とぶつかり合うようになり今度はパワハラだ!と、言われるようになり本社から呼ばれ事情聴取に行くようになりました。

特に問題はなく「部下の異常な被害者意識が原因」ということで解決されましたが、本来必要としない仕事が増え、周りには頭を下げることも毎日で、この頃は公共機関に乗ることが怖くなり通勤が非常にしんどかったです。

会社に向かう間に「トイレに行きたくなったらあのお店に借りよう」「あそこにコンビニがあったな」など常に「トイレ」を意識するようになっていました。

突然くる腹痛に加え突発的に下痢が来て我慢ができないのです。電車で10分乗れば会社の最寄り駅に着くのですが、その10分が非常に苦痛であり、「ここでおなかが痛くなったらどうしよう」と不安になり冷や汗が止まりませんでした。

この汗が体を冷やし結局トイレに行きたくなり、途中の駅で降りてトイレに行ってはしばらく動けない状態になり、遅刻することも増えました。また怒られることが増え白髪が増えました。

そこで通勤を自転車に変更しました。トイレに行きたくなったらコンビニに行けば良いと思ったら通勤途中で下痢を起こす事はありませんでした。

しかしこの頃は市販の整腸剤すら効かなくなってきたので病院に行こうかと思い始めました。

診断された過敏性腸症候群

あるお客様の所で自分の症状を何気なく話をしていた時、そのお客様は看護師をしていて育休中でした。

「聞いた症状だと多分、過敏性腸症候群だよ。病院行ってちゃんと見てもらった方がいいよ」と背中を押され、下痢が始まって1年10カ月。ついに病院へ行きました。

病院へ行く頃には頭痛も激しく、ロキソニンが手放せなくなっていました。しかし薬を飲み続けるのは良いのだろうかと疑問に思いながらも先生に相談しました。

腸の検査と血液検査、頭痛の事も伝えたので脳のMRも撮影してもらいました。そして診断は「過敏性腸消炎」でした。緊張型の頭痛など、ストレスとプレッシャーによるもの。

とにかく体を休める事とストレスを発散させ、うまく付き合っていくしかありません。不安に思うとさらに悪化させるので、気にしすぎないようにと言われました。

病院でもらった整腸剤は絶大な効力を発揮して、薬を飲んでいれば下痢に悩まされていたのがうそだったのではないかと思うくらい、不思議と発症しなくなりました。

公共機関を使う事もまったく問題がなくなりました。「これなら大丈夫」と思い薬に頼り生活を続けていました。

治らない過敏性腸症候群

2週間に1回病院へ通って薬をもらって生活をしていました。診断されてからの6カ月はこの生活で問題は無く過ごせていましたが、だんだんと薬の効く時間が短くなっていました。

6時間開けなければいけないのですが、6時間効力は持続しなくなりました。

今までは家では下痢になることは少なかったのですが、お風呂の途中でも下痢に襲われ、子供の寝かしつけ中に襲われ、寝かしつけができず子供が寝られず、次の日の朝、起きられないという悪循環が続くようになりました。

このままでは子供にも悪いと思い先生に相談をしました。もう少し強い薬が欲しいと。

「整腸剤は一時的に腸の働きを整えるものだから飲み続けると腸が自分の力で動けなくなってしまうので飲み続ける事をおすすめできないのです」と。

衝撃でした。上司に相談して1カ月間の有給休暇をもらう事にしました。

この頃の私は158センチの身長に対して35キロしかなく、水を飲んでも下痢をするようになっていて食事をするのも水分をとるのも怖くなっていました。

やせこけた私は体力も落ちてとても仕事ができる状態ではなくなってしまい結局、退職に至りました。

ストレスから解消されて治まっていく過敏性腸症候群

退職して、再婚をした私は新しい土地で新しい生活をするようになりました。新しい土地の、新鮮な気分と、働いていないのでゆっくりと流れる時間。

今まで住んでいた所からは見えない山が見えたり星がきれいだったり。そんな事で心が落ち着き、下痢はどんどん減って行きました。

営業時代はお酒を飲むことも多かったですしお昼は全て外食でしたが仕事を辞めてから、3食自炊は当たり前ですが、おなかに優しい食事を意識することもでき油を控えたり塩分を控えたり、お酒も飲まなくなって、どんどん体調は回復に向かっていきました。

35キロまで落ちた体重も1年間で40キロまで戻す事ができました。焼き肉などの油の多いものを食べると今でもおなかを下すことはありますが控えれば問題もありません。

働いている時は気付かなかったのですが自分が思っている以上に体は悲鳴を上げていて限界だったのだろうと思ったら仕事を辞めてよかったと思います。

まとめ

過敏性腸症候群は現代病の一つなんじゃないかと思っています。疲労と積み重なるストレスから体が出すサインの一つだと思います。

普段何気なく朝、昼、晩と当たり前に食べている食事が食べられない。水分も取れない。ここまでくると他の病気の併発もあります。ただの下痢と思わずに何日も続く。もちろん下痢だけではなく便秘も同じです。

生活に支障が出るようになったら病院へ行き薬に頼り、それだけではなく心理的療法や食事療法も合わせ規則正しい生活を意識するだけで完全には治りませんが症状が和らぐのは間違いありません。

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