殻によって守られる? 手軽に摂りいれられる有胞子性乳酸菌
有胞子性乳酸菌とは
胞子の殻のようなものをもつ乳酸菌の総称です。通常の乳酸菌は熱や酸などに弱く生きたまま腸にまでたどりにくいですが、殻のようなものに包まれているため、菌体自体が守られるので熱や酸に強く生きたまま腸にまで届きます。
有胞子性乳酸菌の胞子は胃酸や胆汁酸の刺激を受け、腸にたどりつくと発芽し活発に活動します。
そのため腸内での生息期間も通常の乳酸菌が2~3日なのに対し、有胞子性乳酸菌は増殖を繰り返すため1週間と長い期間腸内に生息します。
ただし一生生息するわけではないので、有胞子性乳酸菌を摂るのをやめてしまうと、1週間ほどで少しずつ便と一緒に排せつされていってしまいます。毎日継続して摂り続けることが大切です。
乳酸菌は腸内で乳酸をつくりますが、有胞子性乳酸菌は普通の乳酸菌よりも乳酸を生成する能力がとても高いです。
腸内環境が整っている人の腸内バランスは善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7が保たれています。腸内バランスが整っていると、腸内は弱酸性に保たれているため悪玉菌の増殖が抑えられます。
そのため便の悪臭だけではなく、肌荒れ予防や病気の予防、大腸がんの予防に役立ちます。
有胞子性乳酸菌は乳酸を生成する能力が高いため、ウエルシュ菌や大腸菌などの悪玉菌の増殖を抑えるだけではなく、悪玉菌を破壊もします。
乳酸によりpHを弱酸性に保つことで悪玉菌の異常発酵を抑え、善玉菌の繁殖しやすい環境をもつくります。便中のアンモニアの量が減るのでアンモニア臭による臭い便の臭いも緩和されます。
有胞子性乳酸菌のメリット
普通の乳酸菌は熱や酸に弱いため、乳酸菌が利用できる加工食品も乳製品や漬物など限られたものだけでした。
しかし有胞子性乳酸菌は胞子のような殻に包まれて守られているため、熱や酸に強いだけではなく、加熱や乾燥して処理して利用できるため、いろいろな食品に利用できます。
さらに乳酸生産能力も高く、生きたまま腸に届く乳酸菌入り加工食品ができます。例えば乳酸菌入りの健康づくりのための菓子類、朝食として摂りやすい乳酸菌入りパン、粉末の緑茶などさまざまな加工食品として利用できます。
身近なものでは、ビスケットに挟まれているクリームに乳酸菌が入っている商品や乳酸菌入り粉末の緑茶など販売されています。
これらの商品は、健康づくりのために乳酸菌は取り入れたいが、乳製品が苦手な方や手軽に取り入れたい方にとても便利な商品です。乳酸菌入りのお菓子であれば安心してお子さまから大人まで食べられます。
ラクリスーSとは
1949年に山梨大学の中山大樹博士により発見された乳酸菌です。
環境下が悪いところでも生き抜くための形態である胞子を形成する乳酸菌を有胞子性乳酸菌と名付け、食品用をラクリスーS,飼料用をラクリスー10と命名し、いろいろな食品などに利用されています。
ラクリスーSの働き
スギ花粉症に対する効果
スギ花粉症で悩まされ方は年々増加してきており、国民の25%とも言われています。主な症状は目のかゆみ、鼻水、くしゃみなど顔全体がむずむずして落ち着かない状態です。
まだ花粉症の治療薬はないため、耳鼻咽喉科などで処方される薬は症状を抑えるものばかりです。
有胞子性乳酸菌ラクリスーSにも花粉症の症状を緩和する働きがあります。実際にラクリスーSを4週間摂り続けたところ目のかゆみ、鼻水など花粉症の症状が緩和されました。
腸内フローラの改善効果
健康な人の腸内環境は善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスが良く、大腸内pHが5.5になると悪玉菌の増殖が抑えられます。
ラクリス-Sを摂り続けると、乳酸をつくり出してくれるため腸内が酸性になり悪玉菌が減少し、善玉菌が増殖しやすい環境になります。
そのためビフィズス菌も増えます。腸内が酸性になるので便のpHも改善されます。さらに悪玉菌が減るため、悪玉菌が作り出す有害物質であるアンモニアも減り腸内環境が改善されます。
便性改善効果
健康な人の便は毎日1日1~2回、バナナ状で適度な柔らかさで、きつい臭いはしません。食べたものにより多少色は変わりますが通常は黄褐色です。
腸内環境が整っていないと、便秘になるだけではく便の状態(固い、水分が多い)、形状(コロコロ、形にならない)、回数、色、臭いなどきれいな便が出ません。
肉中心で高たんぱく、高脂肪の食事、野菜不足、ストレス、食事の摂取量不足、消化不良などさまざまな状態で私たちの便の状態は変化しますが、同時に善玉菌が減り、悪玉菌が増えてしまう状況でもあります。
ラクリスーSを摂り続けると、腸内フローラの改善がみられるため、便の色が改善、便の形状が改善、排便回数が増加、便の臭いが改善など便性の改善効果が現れます。
これらの改善効果を出すためには毎日1億個以上の有胞子性乳酸菌の摂取が必要となります。特にスギ花粉に対する症状の緩和では4億個以上が必要です。食品やサプリメントを購入するときは、1日にどれくらいの有胞子性乳酸菌が摂取できるか確認して取り入れていくと良いです。