腸内フローラ10の真実を読んで

腸内フローラとは腸の中を表現した呼称である

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腸内フローラとは腸の中を表現した呼称です。腸の中で、腸内細菌たちがお花畑のような見た目で生存していることから、腸内フローラと呼ばれております。

※フローラ(Flora):ラテン語で花の女神を語源としている。

腸内フローラには、たくさんの腸内細菌が住み着いております。大きく分けると、善玉菌と日和見菌、悪玉菌の3つです。

菌の分類 菌の種類 働き
善玉菌(20%) ビフィズス菌や乳酸菌 身体の健康維持に貢献している
悪玉菌(10%) ウェルシュ菌や大腸菌 腐敗物質を産生して健康に害を与える
日和見菌(70%) 善玉菌でも悪玉菌にも該当しない菌 腸内環境によって働きが変わる

これらの腸内細菌は、平均して4,5日間、体内に滞在した後、体外へでていきます。また、でていったものと代わるように、分裂・増殖をしていきます。

これらの腸内細菌の比率は5歳までにほぼ決まるといわれております。

後は食生活や生活習慣等で多少の比率の変化が起こる、という話です。(多少の変化、と記載しておりますが、これが健康を大きく左右します)

悪玉菌って必要なさそう、って思うかもしれませんが、悪玉菌が存在することで、常に腸内細菌は外敵に対応できるような準備ができております。

(善玉菌だけだと、常日頃から外敵との戦いに触れておらず、いざ悪い菌が入った際に、善玉菌がうまく働くことができなくなったりします)

詳しくは以下のページをご覧ください。

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腸内フローラ10の真実をざっくりと。

今回は、主婦と生活社から出版されている「腸内フローラ10の真実」という本を踏まえて、腸内フローラの改善がどういったことに役に立つのか、執筆していこうと思います。

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こちらの書籍は2015年2月にNHKスペシャル「腸内フローラ 解明!驚異の細菌パワー」で放送があったものの、書籍verになります。

テレビで放送されていたものの、10倍以上のvolumeがある、と著者が言っていたように、とても読み応えのある文章でした。ぜひ皆さんも一読してみてください。

書籍のタイトルともなっている「10の真実」ですが、以下の10つになります。それぞれの内容を簡単にまとめてみました。

①腸内フローラしだいで”やせ”にも”肥満”にもなる?

マウスの実験で腸内細菌が肥満の原因となることが判明

肥満の人がもっている肥満フローラ、痩せている人がもっているやせフローラ、をそれぞれマウスに移植させたところ、肥満フローラをもったマウスの脂肪量が増え、太ってしまった
肥満を防いでくれるのは”短鎖脂肪酸”

腸内細菌が作り出す「短鎖脂肪酸」というものが、脂肪細胞の働きを抑制してくれる、ということを日本人研究者の木村郁夫さんが解明した

短鎖脂肪酸とは

酢酸、酪酸、プロビオン酸という3つの酸の総称。
食物繊維やオリゴ糖が腸内環境において、発酵されることによって生まれる酸

②糖尿病は”腸内フローラに効く薬”で治せる?

糖尿病の最大の原因は”肥満”

脂肪細胞が増加することで、血液中にさまざまな有害物質を放出。血糖値をコントロールする体の機能までも破壊してしまう。

①でも述べたが、腸内細菌により産出される”短鎖脂肪酸”が重要となってくる。アメリカのベンチャー企業がすでに糖尿病に効く、新薬を開発中とのこと。

③腸内細菌が作る物質「エクオール」は、お肌を”若返らせる”?

エクオールを作れる腸内細菌、作れない腸内細菌

日本人の2人に1人が作れるといわれているエクオール。加齢や生活環境の乱れ等によりエクオールが徐々に作られなくなっていくらしい。

なお、自分がエクオールを作ることができるかは、ソイチェックという商品を使ってみればわかるという。

エクオールとは

女性ホルモンと似た効果を発揮するといわれれている物質。お肌の老化とも関係が深いといわれている。大豆に含まれるイソフラボンを摂取することで、腸内細菌をエクオールへと変えてくれる。

④腸内細菌には、がんを”防ぐ菌”と”引き起こす菌”、どちらもいる?

エクオールが癌の予防になると期待

大豆イソフラボンが前立腺がんを引き起こす、男性ホルモンの作用を阻害すると報告されている。またエクオールは乳がん予防にも期待されている。

エクオールを生産する腸内細菌も次々と発見されている(まだ安全性の問題にて市場にでない)
がんを引き起こす「アリアケ菌」

肥満した際に増殖しやすい「アリアケ菌」ががんを誘発することが判明している。

⑤腸内細菌が”謎の動脈硬化”を引き起こす?

レシチン(食べ物に含まれる栄養素)を腸内細菌が分解した際にでる、TMAOという物質が動脈硬化を引き起こす

レシチンは体を作るための重要な栄養素で、摂取を急に絶ってしまうと逆に体にわるくなる。一番のポイントは、レシチンをとっても、TMAOがでてこないように、腸内環境を正常にすること。

⑥花粉症やアトピーなどのアレルギーを腸内細菌が防いでくれる?

腸内細菌によって生成される、探鎖脂肪酸が増えることでTレグが増加。Tレグが免疫細胞が過剰に反応しないようコントロールしてくれる。

⑦腸から細菌の毒素が”漏れる”と万病のもとになる?

腸内フローラのバランスが乱れると、腸のバリア機能が低下し、腸の中の細菌の毒素が越液中にでることも。

腸内フローラのバランスを整えること、探鎖脂肪酸を増やすことで腸のバリア機能が高まる。

⑧あなたの性格はあなたの腸内フローラが決めている?

カナダの研究者が、マウスの腸内細菌を変える実験を行ったところ、性格が変わった、とのこと。

この実験により、マウスの性格が遺伝子だけでなく、腸内細菌にも影響を受けていることが分かった。

⑨腸内細菌が脳に”話しかける”ことでうつ病状が改善する?

脳と腸は迷走神経と呼ばれる、直通回線でつながっており、腸の状態が脳に影響を与えている可能性が考えられる。

⑩自閉症にも腸内細菌が関わっている?

腸内細菌が作る「4EPS」が自閉症の原因物質ではないか、と考えられている。

短鎖脂肪酸、エクオール、肥満が腸内フローラで押さえておきたいポイント

ここでは書籍のタイトルにもなっている腸内フローラの10の真実をあげましたが、それ以外にも腸内フローラと体の関係等、多くのコンテンツがつまっておりました。

腸内フローラに関心のあるかたは、ぜひ一読してみてください。

腸内フローラ10の真実を見ていて、改めて重要だと感じたのは、

  • 腸内フローラが良好だと短鎖脂肪酸が産出されること
  • 腸内フローラが良好だとエクオールが産出されること
  • 肥満は多くの病気のもととなっていること

の3点でしょうか。短鎖脂肪酸は野菜、とくに水溶性食物繊維の摂取が重要。エクオールも大豆製品を毎日とることをこころがけたほうがいいみたいです。

なお、エクオールは大豆からとるより、直接エクオールとして摂取したほうがより効果があるそうです。(摂取の方法は主にサプリメントになります)興味ありましたら、そちらもご検討ください。

肥満に関しては以下に気を付けることをならべてみました。

肥満にならないために気を付けること

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カロリーゼロ系飲料を飲むのは控えましょう

カロリーがゼロだからといって、カロリーゼロ飲料ばかり飲んではいけません。

カロリーゼロ飲料には、人工甘味料が使われており、飲料への依存状態を引き起こす可能性があります。

また、人工甘味料のとりすぎは腸内環境に悪いことも報告されており、肥満の解消に逆効果になるからです。

食事の量を減らすのはNGです。1日3食。間食、夜食をとらない。

食事の量を減らすと、体重は一時的に減らすことができるかもしれませんが、便のもととなる原料が不足したり、善玉菌、善玉菌のエサである食物繊維が不足してしまいます。

こちらも腸内環境を悪化させる要因となります。

また、食事をとるときは、規則正しく摂取するようにしましょう。不規則の食事の習慣は、体のリズムを崩し、内臓脂肪の蓄積原因となります。

・糖質をとりすぎない。炭水化物の摂取を減らす

食事の量は減らさないほうがいいですが、糖質(炭水化物含)はなるべく量をへらしましょう。

というのも、糖質を多く摂取してしまうと、糖質が十分に消化されることなく、脂肪として体に身についてしまうからです。それは米やパン、麺類といったものも含みます。

こういうと、上の食事の量を減らす、と矛盾するように聞こえるかもしれませんが、糖質をoffして他の野菜や肉、魚料理の摂取を増やす、などして食事の量は一定量保つ、という方法が望ましいでしょう。

糖質offする分、他の料理をとるようにしましょう。外食する際も、ライスを頼まない、その代わりに一品料理を追加する、などするといいです。

運動の量を可能な範囲で増やす

可能な範囲でいいので、運動量を増やしましょう。エレベーターやエスカレーターの移動を会談にするなど、些細なことでも構いません。継続できることから始めましょう。

腸内フローラの改善は5つの観点から整える

腸内フローラの改善は大きく分けると、以下の5つの観点から考えてあげるといいでしょう。

  • ストレスを極力減らすように意識すること
  • 腸を知って、腸をいたわってあげること
  • 規則正しい生活を送る努力をすること(遅れない場合は、他でカバーするよう心がけること)
  • 野菜をバランスよく摂取しよう
  • 乳酸菌を毎日とるようにこころがけよう

詳しくは以下の記事を読んでください。

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最後に:個人的な感想 (500文字)

腸内フローラ10の真実を読んでみて、改めて腸内フローラというものは、多くの可能性を秘めているんだと、再認識されました。

また同時に、研究過程であり、その効果がはっきりしていくのにも時間がかかる、とも思います。比較的冷静に見る必要があるとも思っております。

(私は腸内細菌に関する本に数多く目を通してきましたが、腸内細菌の第一人者でも、同じことに対して全く反対のことを言っていることもしばしば見受けられるからです)

NHK 大型企画開発センターの浅井さまも

「腸内フローラ」は題材が確かであることはもちろん、人体の仕組みや、人類の進化を考えるうえでも極めて重要なテーマであることがわかってきました。

同時に、今はその入り口に立ったばかりで、研究の評価が定まるのはまだまだ先であることもわかりました。

とおっしゃっております。

とはいうものの、人間の体の部位でこれだけ、多くの可能性を秘めている部位などいままでありませんでしたので、個人的には腸内フローラの研究が今後どのように進展していくか、楽しみで仕方ありません。

とりあえず、運動を適度にとり、野菜をバランスよくとりながら、乳酸菌を毎日摂取する生活は続けていこうと思います。

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