もしや貴方も?~過敏性腸症候群体験記~
「過敏性腸症候群(IBS)」
この病名、最近皆さんも目にしたり耳にする機会が増えているかと思います。
症状としては通勤時や、ストレスにさらされた時の突然の下痢、細かく言えば人により病状は様々ですが、最も代表的といえる症状は「下痢を繰り返す」という事。
もしかして貴方もIBSかもしれません。
筆者も後に気付くのですが、幼少よりこの病気に悩まされていました。
知っているのと知らないとでは、毎日の過ごし方も大きく変わります。
私の体験記に共感してしまったなら、一度病院にかかってみては如何でしょうか。
- 体験者の情報
- 名前:白雪峰(仮名)
年齢:25歳
性別:女
病気歴:(診断されてから)3年
職業:歯科助手
過敏性腸症候群のタイプ:下痢型
記事の目次
幼少期からお腹が弱かった?
現在25歳なので、幼稚園児だった頃の記憶はもう随分薄れていますが、母に聞くと「小さい頃からちょくちょくお腹が痛い」と言っていたそうです。
病院へ行く前や、お出かけなどのイベント、遠足の前日には大体お腹を下すか、腹痛を訴えていたようです。
「腹痛に悩まされている」とはっきり気付いたのは小学校2年生の時でした。
月曜日の朝には朝礼があり、全校生徒が体育館に集まり先生の話を聞くのですが、突然始まる腹痛…突然にキュルッと襲ってきます。
便意を我慢する事はよくあると思います。でも、お腹を下す時は我慢する事は出来ないですよね。
怒涛の腹痛と共にやってくる便意に、月の半分は朝礼を途中で抜け、トイレへ走ったものです。
それ以外にも日常の小さなストレスを感じる場面で、腹痛に襲われることになります。
これって精神的なものなのかな?
高学年にもなってくると、自分の体質に自覚を持ち始めます。
そして、腹痛と精神的な負荷の関係性に気付きはじめます。
そう思いながらも、私は「自分の精神の揺らぎが下痢を及ぼしている」と確信する事が出来ずにいました。
何故なら、習い事の発表会や、修学旅行でのバスの中など、普通の人なら緊張する場面で案外飄々としていて、そんな時は腹痛が怒る事も無かったからです。
本当に精神的なものから来る腹痛というのなら、こんな時こそ影響が出てくるだろうと思っていたのです。
過敏性腸症候群の存在を知る
皆さんの学校では、保健室の前の掲示板にポスターが貼られていませんでしたか?
子供たちに病気の事を知ってもらう為に、分かりやすくまとめた壁新聞のようなものです。
私はそういうのを見るのが好きで、時々保健室前に立ち寄っていました。
そんな中、「過敏性腸症候群」という記事を発見するのです。
記事を読むとなるほど、自分と似たような症状が羅列されています。
でも、やはり「ストレスを感じる時に下痢をすることが多い」という一文を見て、自分じゃないとスルーしてしまうのでした。
母に何となく「過敏性腸症候群かな?」と言ってみるも、「食べ過ぎ」の一言で一蹴され、なおの事自分がそうではないという考えを強固にしていきました。
おならがやたらと出る!?
そうこうしているうちに無事に高校生になった筆者。
高校生活を大いにエンジョイしていたのですが、生活にも慣れた2年生の頃、やたらとおならが出るようになりました。
もうそれこそ四六時中(笑)
お腹の具合も相変わらずで、ちょっと食べ過ぎたり、ちょっとしたストレスでお腹を下す日々…そこに更におならまで加わるとなるとそこそこショックでした。
でもおなら自体は小さい音だし、匂いも全然しないのです。
体の不調とはなかなか認めたくないもので、「自分はお腹が弱い」という自覚はしっかりあるものの、やはり病院には行かないのでした。
今からでも過去の自分を説得したいものです。
そして決心の時が…!?
高校も無事卒業し、そのまま就職した筆者に最大のストレスが降りかかる…!
朝9時から夜7時まで働く私、気の合わない先輩、医療現場(歯科)という気の抜けない仕事なのも相まって、腹具合の悪さが更に加速します。
朝ちゃんとトイレに行っているのに、仕事場についてお着替えをして10分後に必ず襲い来る腹痛。
一応職場の方にはお腹がよく痛くなると事前に伝えてあるのですが、私がトイレに行っている間にも患者さんはやってくるわけで…
お腹痛い→トイレ行きたい→その間にも人は来る→ストレス→お腹痛い→お腹痛いのがストレス→今日もお腹痛くなったらどうしよう→心配という名のストレス
という一番ダメな負のスパイラルに陥った私は遂に決心する事となるのです。
…病院に行こう!!(遅い)
近場の病院へGO!
たまたま近くに消化器内科があり、口コミを見る限り良さそうな医院だったので、早速アポを取ると、受付のお姉さんが現状を聞いてくれました。
「もしかしたら過敏性症候群かも…」と話すと、予約した日に早速超音波でお腹を見て下さる事に。
初めての超音波にびくつきつつ、いざ!
関係ないですが、同性のお医者さんにお腹をまさぐられるのは逆に恥ずかしかったです。
くすぐったさに身をよじり、肥満ぎみの私のお腹の脂肪のせいで超音波が通りにくいのかぐりぐりされて余計にくすぐったい…!
息も絶え絶えな所を先生に呼ばれ、いざ診察。
お腹の中にはガスが多いけれど、あからさまな異常は見られないとのこと。
しかし、ついに恐怖の診断が…!
「過敏性腸症候群ですね(にっこり)」
先生からのアドバイス
「やっぱりな」と思いつつ、先生にアドバイスを頂きました。
- 規則正しい食生活 (当時朝は食べず、1日2食)
- 辛いものや甘いものは刺激物なので控える (辛いもの好きだった)
- お腹を冷やさない (腹回りの脂肪のせいでお腹がいつも冷たい)
- 食物繊維を1日に必要な分は最低でも摂取する (野菜嫌い)
というように、自分は先生のアドバイスと真逆な生活をしていた!!
お腹の病気なのだから、お腹に入るものを自分が吟味してあげて下さいと言われ目からうろこでした。
最大の疑問を先生にぶつけてみた
お腹を下す事が日常的にあった時でも、本当にお腹が痛くなったら困る時には大丈夫だったのは何故なのでしょうか?と聞いてみた所…
「事前にわかっているストレスには対応できる」とおっしゃいました。
予定がわかってさえいれば、経験則的にお腹が痛くならない様に自分でも注意している。と…
なるほど、確かに無意識に前日食べる量を減らしていたり、整腸剤を常備していたりしました。
大事な時にお腹が痛くならないのは、自分で対策を練っていたのだから当然ですね。
まとめ
その後整腸剤を頂き、毎日の食生活を改めると、何とかお腹を下す頻度は減って来ました。
お腹が弱いのは相変わらずで、にんにくやオリーブなどを食べると急に腹痛が来るのは相変わらずです。(笑)
ですが、自分でコントロールする事も出来る様になりました。
- 食生活を正す
- ストレスはこまめに発散する
- 暴飲暴食は禁物
これを守るだけで、今IBSに苦しむ貴方も少しはましになると思います。
そしてお腹が弱いという自覚がある貴方!
是非とも一度胃腸内科を受診する事をおすすめします。
IBSという病気の知名度が上がった今、IBS治療に特化した医院さんも多くあります。
また、IBSの影に重大な腸の病気が隠れている場合もあるので注意して下さいね。
お腹は体を動かすための食物を消化する為の大切な器官です。
腸の不調は全身の不調を引き起こします。
大事にしてあげて下さいね。
この記事の筆者
白雪峰(仮名)
高校卒業後、歯科医院に就職。
仕事をする傍ら、趣味であるネットサーフィン中にクラウドソージングに出会う。
夢だったイラストレーターやライターの仕事を中心に受けながら活動中。
現在、IBSはほぼ完治している。
今回自分と同じように腹痛に苦しむ人のためになれば、とお仕事を頂き執筆を開始。
人生を振り返りながら執筆するうちに自分の鈍さに突っ込む事が多数あった。