プロテオバクテリアってなに?
腸には500~1000兆個の腸内細菌がいると考えられています。
プロテオバクテリアは大腸菌、サルモネラ菌、ビブリオ、ヘリコバクターなどの病気を引き起こす病原体を細菌群としてまとめた分類名です。
鞭毛(べんもう)により動くことができるものや、不動性、滑走性のものもいます。
私たちの生活に関わるプロテオバクテリアについて見ていきましょう。
大腸菌は消化・吸収を助けてくれる菌だった
大腸菌は、人間を含めた多くの哺乳類に寄生しています。たくさんある大腸菌の種類の中で無害のものも多いのですが、腸の中で数が増えすぎてしまうと下痢を引き起こしてしまうものや、腸炎の原因となるものも存在します。
大腸菌ってすべて悪いものだと思っていました。
ああ、そんなイメージですよね。嘔吐(おうと)、下痢、腹痛を起こす腸管病原性大腸菌などから来ているイメージですね。夏になるとよく聞く、o157で代表とされる腸管出血性大腸菌も有名ですね。
こういった病気を引き起こす大腸菌は悪玉菌、無害のものは日和見菌として分類されています。悪玉菌となる大腸菌はほんの一部で、それ以外は無害で消化・吸収を助ける消化酵素のような働きをします。
以上から分かるように、悪玉菌が多い腸内では、日和見菌の大腸菌まで悪さをするリスクを上げることにつながります。腸内環境を整え、悪玉菌を減らせばそのリスクを下げることは可能です。
大腸菌はいったん増え始めるとその勢いはすさまじいといいます。そこで私たちがすべきなのは、乳酸菌を摂取し、穏やかな腸内を保つことです。
サルモネラ菌を抑制する「ラブレ菌のチカラ」
サルモネラ菌と聞いてどう思いますか?
とても危険な菌だと思います。
うん。そうですね。しかし、サルモネラ菌も腸内細菌の一つなんです。2,200種類ほどあり、すべてのサルモネラ菌が食中毒になるわけではありません。
害がある菌はその中の100種類程度です。日本でも卵に付着したサルモネラ菌による食中毒や、ミドリガメから子供が感染したケースがあります。細菌が小腸内で増えることが原因です。
実は、「ラブレ菌」を開発したカゴメ株式会社での研究で、このサルモネラ菌を使った実験が行われました。サルモネラ菌を摂取したマウスに「ラブレ菌」を投与したのです。
ただのブドウ糖を与えられたマウスよりも、病原体を排除する力が強く、免疫機能が1.5~2倍近く上がったのです。このことから植物性乳酸菌が腸に与える影響が目に見えてわかったのです。
目に見えない菌は、どこで付着するかわかりません。体力のない子どもは、命を落としかねないサルモネラ菌から身を守るために、「ラブレ菌」で腸を強くしておくことも大切ですね。
ヘリコバクター・ピロリ菌に「LG21」
人の胃に生息しているピロリ菌も、プロテオバクテリアの一つです。慢性胃炎、胃潰瘍、胃ガンなどの発生につながると言われ、子どもの鉄欠乏性貧血や慢性じんましんの原因であることも分かっています。
胃酸はとても強いと聞いたことがあります。そこに住み着くのですから、強い菌ですね。
強いですね。ピロリ菌はウレアーゼという酵素を出して、胃の中に定着することができる菌です。そこでオススメしたい乳酸菌が「LG21」です。
東海大学医学部と、明治乳業、わかもと製薬の協力でこの菌の製品化に成功しました。この「LG21は栄養があまりない場所でも増殖し、胃酸にも負けず、優れた殺菌作用があります。
胃カメラでピロリ菌があると言われた人には、ぜひ「LG21」がオススメです。薬とは違い、副作用がありません。
昔は世界中の人達の胃にピロリ菌が確認されていましたが、衛生環境が整備された今の日本では保菌者数が減っています。
しかし、40歳以上の人の7割はピロリ菌の保菌者と言われます。ガンなどのリスクを下げるためにも、「LG21」を取り入れましょう。
プロテオバクテリアとの共存に乳酸菌
私たちも身の回りには多くの菌があります。体に良い影響を与える菌ばかりではありません。しかし、現代の除菌ブームにより、手に付着した除菌の薬品が腸内細菌を減らしているとも言われています。
私たちは菌と共に生きているのです。菌を避けて生きることはできません。体に悪い影響を与えないように、乳酸菌を取り入れて腸内細菌を増やすことが大切です。
なるほど、菌と共存するってことですね。
その通りです。すばらしい!除菌ブームのせいで、昔はなかった感染症が増え、日本人の体は弱くなっているといいます。腸内細菌がしっかりしていれば、どんな菌が来ても平気ですよ。
まとめ
私たちの体の表面・口・腸などには多くの細菌がいます。腸内細菌をまとめると1・5キロにもなるというデータもあります。その中にはプロテオバクテリアのような一部だけ体に悪さをする菌も存在します。
しかし、乳酸菌を摂ることで、そうした菌の悪さを食い止めることが可能です。菌は菌で防ぐことができるという事を、菌と共存しながら学んでいきましょう。