「激痛」と「死」。腸閉塞と便秘の違い
便秘ってつらいですよね。誰だって好きで便秘になっているわけじゃありません。便を大量に出す快感を人類は覚えてしまってますから。(わ冗談ですが)一刻も早く改善したいのはみんな同じです。
でもただ辛いからというだけでなく、便秘を早く改善させるべき大きな理由があります。それは他の腸疾患を見つけやすくするためです。
実は、もともと便秘症で便秘になることが多く、「今回もひどい便秘だろう」と思っていたら実は腸疾患の一つ、腸閉塞(別名腸イレウス)だったという人もかなりいるんです。
腸閉塞はひどくなると死に至る危険な疾患です。自力で、というよりは絶対に病院に行くべきです。(ま、そんな事病院に行って判明した時点で医者に言われてると思うんですけどね。むしろそれ言わない医者のいる病院は信用するな)
しかし、腸閉塞の初期症状とひどい便秘はとてもよく似ていると言われます。実際、便秘をひどくこじらせると糞便性腸閉塞になることがあるんです。ではこの両者、見分ける方法はあるのでしょうか?両者の違いはなんですか? 案の定知りたいですよね。
そもそも便秘と腸閉塞の原因って?
まず、便秘とは一般にどういう症状を指すのでしょうか。簡単に言えば本来排泄されるべき排泄物が腸にたまった状態、ですね。
そして、便秘の種類にもよりますが排泄物が便として形が作られずに腸にたまり腐敗していく場合と、いったんは便の形になったのにうまく排泄されず、腸に残り水分が奪われカチコチ(俺の筋肉カッチカチやぞのザブングルどころじゃありません)になって腸にたまり続ける場合があります。(どろどろの砂と乾いた砂って感じでしょうか?)
腸閉塞とは腸自体が狭くなりそこに消化液や排泄物が溜まっていく状態です。
原因は、外側から腸が押されている場合や、腸捻転と呼ばれる腸自体がねじれる場合、小腸同士が癒着した場合、お腹のくぼみに腸がはまってしまった場合、腸内に腫瘍などができた場合など多岐に渡ります。(漢字も呼び方が難しいのが多いですね)
便秘と腸閉塞、共通する症状は?
便秘と腸閉塞、腸に物が詰まり溜まるという点で両者共通していますよね。ですから現れる症状にも共通点があります。ひどい便秘の症状を思い浮かべてください。
腹部膨満感、腹痛、吐き気、腰痛、嘔吐。などが挙げられるでしょう。これは便が腸にたまり、そこからガスが発生し毒素が充満していくのが大きな原因です。(おおっと怖い)
腸閉塞も似た症状があります。突然の腹痛、吐き気、膨満感、嘔吐、冷や汗、などです。
これらは腸の閉塞した部分に物が詰まるために引き起こされます。また腹痛に波があるのも腸閉塞と便秘の両者似ていると感じる方が多いようです。
便秘と腸閉塞、見分けるポイントはズバリ「激痛」
こうやって便秘と腸閉塞には非常に似通っています。見分けるポイントは痛さの度合いと言われています。便秘時の腹痛も本当につらいですよね。でも、痛くて立っていられない、転げまわるというのはあまりありません。
腸閉塞の痛みの特徴は、いきなり襲ってくる激しい痛みです。一時的に痛みが引いたりする場合とずっと続く場合がありますが、非常に痛く日常生活が困難なほどの痛みが特徴と言えます。
また、便秘の場合の吐き気、嘔吐よりもさらに激しい嘔吐も見られます。
はじめは胃液などですが、次第に腸から逆流してきたおう吐物になり色味や臭いを増していきます。便秘でここまでなることはありませんので、完全に腸閉塞といえます。
便秘から腸閉塞に至る?(死に至る病は便秘から‥)
痛さの観点で便秘と腸閉塞を見ていきました。
便秘をこじらせて腸閉塞に至ることもあります。糞便性腸閉塞とよばれます。この場合ひどい便秘と見分けがつきにくいと言われています。これは糞便性腸閉塞の場合症状が緩やかに進行するためなんですね。
便が溜まっていくのに合わせて次第に塞がれていくからです。しかし、症状が緩やかだからと言って危険性が減るわけではありませんよ。
はじめは、便秘と同じような症状が見られます。というのも初期段階は正真正銘便秘だからです。腹痛、お腹が張った感じ、吐き気などを感じるでしょう。
そして便により完全に腸がふさがれると、ガスが溜まりはじめかなり激しい腹痛を感じます。これはもう腸閉塞と同じレベルですね。
そして、この糞便性腸閉塞、はっきり言って死に至ることもある恐ろしい症状です。特に自分でどうにかしようとすると危険です。
そのままにしておくと腸内にたまった悪性ガスの毒素が血液に乗って体中に運ばれ、各部で弊害をもたらします。敗血症になることもあるんですよ。(敗けた血って考えた人のセンスすごい)
便秘がひどい人は、一度病院で診察を
そして、直腸付近にがっつりたまった便、すでに水分が奪われカチコチの岩みたいな状態ですから浣腸を入れた所で一切効き目はありません。浣腸液が腸に入って行かないんですね。何度やっても浣腸液を排出してしまうだけです。(いや、グロテスクですね)
下剤を飲んでも効果はありません。直腸付近に岩のような便がぎっしり詰まり塞いでいるわけですから、下剤を飲んで腸の蠕動(ぜんどう)運動を無理やり起こさせるとかなり危険なんですよ。
行き場を失った消化液や排泄物が腸内を暴れまわり、腸管を破り急性腹膜炎をおこしそのまま死に至ることがあります。怖いですよね。病院での治療が必須です。(いや、こう書いてみても重い話しですね。しかし仕方ない)
この糞便性腸閉塞の場合は、便秘を放っておかない、なるべく便秘を早めに解消することで回避することができます。いずれにせよ、便秘の状態になれてしまうと危険な腸閉塞に気づきにくく、症状を悪化させ命を危険にさらすことになります。
あなたが少しでも便秘か腸閉塞なのか分からない場合は信頼できる夕日に向かって走るように病院に行きましょう。(無かったら美しい夕日絶景スポットを検索するように口コミで調べましょう) とにかく早め早めに便秘を解消していくことを心がけていきましょう。
この記事の筆者
深山佳代(仮名)
1978年生まれのアラフォー主婦。若いころから便秘持ちで食事改善、漢方、ツボ押し、薬など、トライした改善方法は数知れず。便秘に「苦しむ」「悩む」「だから調べる」を繰り返しているうちに、専門家も真っ青な便秘への知見を身につける。元の趣味はネイルだったが、悲しいかなトイレ周りの環境を快適化させるのが現在の趣味に。この世からなくなった生きていけないものは「ウオッシュレット」。TOTOの株主。