便秘症状、個人差ってあるのでしょうか？

便の状態には個人差があるものです。便の状態には個人差があるのが普通です。食生活が同じであっても、運動量や筋肉量、消化の能力というものには個人差がありますよね。同じ距離を走るスピードに個人差があるのと同じで、便の回数や状態には個人差があるのです。また腸内には1000種類以上の細菌がいますが、それぞれの割合も違います。また、毎日1回排便がある人にとって、数日に1回しか排便しない人のおなかが苦しそうだとか、不健康であるように感じるかもしれません。

食べたものが便となって排せつされるまでの基本的な時間は24時間から72時間です。

もちろん、この基本的な時間を超えて個人差があるのですが、だからと言って本人が何か苦痛に感じていることがあるわけではないのであれば、これは便秘でも何でもないのですね。

意外なことに、便秘には定義がないのです。

本人が何らかの症状を感じ、便秘であると感じていれば排せつ回数に関わらずそれは便秘になります。それだけ便秘には個人差があるのですね。ですから、本人が特に悩んでいない現在では、便秘ではないと言えます。

いくら個人差があるとはいえ、一般的には1週間に2回の排便がない場合は便秘と考えることもあります。ただしこれは、便秘であるかどうか判断が難しい人にとっての目安です。

成人女性の場合であれば、やはり個人の感覚が大切になるでしょう。現時点では便秘であるとは言えません。すっきり排便できていると感じているかどうかが大切です。

まずは便秘とは言えないということを理解してから続きを聞いてくださいね。

便秘によって引き起こされる病気はあります。それは大腸がんです。大腸がんは女性のがんの死亡率ナンバーワンになっています。勘違いしないでほしいのは便秘だと必ず大腸がんになるわけではないということです。

便秘は大腸がんになる危険因子が高いということはわかっていますが、これは便秘だと必ず大腸がんになるということではありません。その上で、大腸がんに関係していることを理解してくださいね。

便通が1日1回ある方にとってそうでない方を心配する気持ちはわかります。しかし1回の便には1兆個以上の細菌がいるとも言われていますし、それだけ腸内環境によっても左右されることなのです。

1日1回の排便ですっきりしている人が1日に3回排便した方がいいと言われても、それは難しいことですよね。

それと同じように数日に1回の排便で特に問題もなくすっきりしている人にとって、1日に1回の排便にすることは難しく、また必要のないことなのです。